
おうちの猫ちゃんが「夜中から明け方にかけて咳きこんでいたりなんだか呼吸がくるしそうだな」ということはありませんか?
それはひょっとしたら猫喘息かもしれません。喘息はよく知られているようにアレルギー性の病気です。
アレルギーの原因となる物を、猫ちゃんが吸い込んでしまうと気道と呼ばれる空気(酸素)の通り道がせばめられてしまい息が苦しくなります。
少し専門的になりますが夜間は体をリラックスさせる方に働く副交感神経という神経が優位で、この神経は気道を収縮させようとします。
さらに秋から冬にかけては明け方の冷たい空気が気道を刺激します。
これらのことが夜中から明け方に喘息発作がよくみられる理由です。もちろんこれらの時間帯以外にも発作はおこります。
アレルーギーを引き起こす物としては、ダニ、花粉、フード、タバコの煙、香水などが考えられています。
ひどい発作が出ているときは、酸素室でお預かりしステロイドとよばれるアレルギーをおさえるお薬や
気道を広げるお薬を注射で投与し症状を落ち着かせます。
症状が落ち着いてきましたら、飲み薬をお渡しし自宅で様子を見ていただきます。
この時お渡しするステロイドとよばれるお薬は喘息には非常に有効なのですが、ある猫ちゃんにとってはあまり好ましくないこともあります。
そういう猫ちゃんの場合は飲み薬ではなく、吸入するタイプのお薬をお渡しすることがあります。
飲み薬は全身に作用してしまいますが、吸入タイプはおもに気道に作用しますので猫ちゃんがうける影響を小さくできるからです。
その吸入タイプのお薬を利用する時にスペーサーと呼ばれる上記写真のような器具を使用します。