
ある日「右目の下がにごっている」との事でロシアンブルーさんが連れてこられました。
目の中の前方部分は眼房水とよばれる水で満たされています。
上の画像ですが眼房水がにごって見えるところがあります。わかりやすいようにピンクの→で示してみます。

反対の目と比べていただくとわかりやすいのですが、矢印で示すところにクリーム色のもやもやしたものが観察されます。
これは炎症で生じた成分(わかりやすく簡単に表現しますと膿です)が眼房水の中にあらわれ重力により下側に沈殿したものと考えられます。
炎症と言えばなんらかの病原体が感染しおこる炎症がまず頭に浮かんでくると思いますが、その他に自分を守るための抗体という武器が自分自身の体のある部分をあやまって攻撃してしまうことにより起こる炎症があります。
今回は後者の炎症が疑われました。
このような時にはステロイドとよばれるお薬を点眼したり飲ませたりして、自分自身を攻撃している抗体の働きを少し抑え込むようにします。
下は治療開始1週間後の写真です。

目の中に見られたクリーム色のもやもやがほぼ無くなっています。
※今回は軽度の前ぶどう膜炎により前房蓄膿が生じたのではないかと考えています。