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猫砂による喘息?

カテゴリ : 呼吸器

※オーナー様のご厚意で動画を掲載させていただきました。

アレルギーについて勉強していますと言葉の定義が変わっていることがよくあります。

猫ちゃんの皮膚病でアレルギーが関係していそうなもののうち原因がノミでも食べ物でもなさそうなものについては「何かのアレルギーですね、アトピーかなぁ」とお話しをしていました。

ところが10年ちょっと前でしょうかそのような皮膚病については「非ノミ非食物誘発性過敏性皮膚炎」と呼びましょうと定義されました。

何だか言いにくく小難しいので飼い主様には「猫のアトピー」ですねとの説明を続けていました。

ただ現在は「猫のアトピー※」と言ってしまうと以下の3つの病気を総称する言葉になってしまうようです。※厳密には猫アトピー症候群

①猫アトピー性皮膚症候群(非ノミ非食物誘発性過敏性皮膚炎から呼び方が変更されました)

②猫食物アレルギー

③猫喘息

単にアトピーと言ってしまうと食物アレルギーや喘息も含んでしまいます。

今後はきちんと使い分けしていかないといけないようです。

前置きが長くなってしまいました。

動画のお話にうつります。

③の猫喘息について文献を読んでいますと喘息の引き金として「猫砂」が挙げられていることがあるのですが実際その瞬間・状況を目にしたことがありませんでした。

今回 健診に来られた猫ちゃんで「トイレに入ると喘息がでる」とのお話がありその様子を動画で見させていただきました。

上の動画ですが激しく咳き込んでいます。

「鉱物系」の一般的な猫砂ですがこれを「おから系」の猫砂に変更すると症状が出なくなったそうです。

これは鉱物系の何かにアレルギー反応をおこしたのかもしれません。

ただ鉱物系の猫砂は砂埃が舞い上がりやすいので単にむせてしまった可能性もあります。
2024-08-21 07:00:00

慢性気管支炎

カテゴリ : 呼吸器


とある持病で通院されている猫ちゃんの飼い主様から「食欲や元気さは変わらないのですが咳が目立ってきた」とのご相談を受けました。

動画はその時の様子を撮影したものです。

「咳が目立ってきた」とおっしゃるのでよくよくお話を聞いてみますと「はっきりと覚えていませんがもうずいぶん前から時々咳き込んでいました」とのことでした。

レントゲン撮影をしてみますとパソコンやスマフォの画面ではお伝えしづらいのですが「気管支壁の肥厚」という状況が見受けられました。



咳はずいぶん前からとの事でしたので「慢性の気管支炎による咳」と仮診断しました。

このレントゲンをよく見てみますと右側の肺の真ん中あたりに影を認めます。
オレンジのラインで囲った箇所です。


これは炎症の結果であるかもしれませんし腫瘍であるかもしれません。

その鑑別には二次病院での精査が必要なのですが、猫ちゃんが20歳と高齢であることから負荷のかかる検査や治療は希望されませんでした。

そこで対症療法としてステロイドという炎症を抑える作用のあるお薬と気管支拡張剤というお薬で咳をコントロールしていくことにしました。
2024-06-26 07:00:00

猫喘息の疑い

カテゴリ : 呼吸器


10月の終わり頃「今朝ご飯を食べた後から呼吸が荒くなり、口で息をしている。今までも鼻が詰まったような水が入ってしまったような仕草はがあったが今日は長い。」との事で黒猫さんが連れてこられました。

上の動画はその時の様子を撮影したものです。開口呼吸はおさまっていたのですが、お腹かの動きから苦しそうな呼吸の様子がうかがえます。

そこでレントゲン撮影を行ってみました。


猫ちゃんを左横からながめたイメージです。肺、肺に空気を送る気管、心臓、胸とお腹を分ける横隔膜(おうかくまく)、胃が撮影されています。

説明を入れてみます。



呼吸状態が悪い時まずは肺や気管が気になるところですが特に大きな問題がはないようです。

ただ今回詳しい説明は省きますが「横隔膜の扁平化」と呼ばれる状態が確認されます。これはがんばって呼吸をおこなわないとならない時に認められます。

またがんばって呼吸をおこなうと空気を飲み込んでしまう状況が発生し胃の中に大量の空気(ガス)がたまってきますが、その様子も確認できます。

これらの状況から今回の事は「喘息」ではないかと仮診断しました。

喘息をおさえるお薬を注射し様子をみさせていただくことにしました。

下の動画は注射2時間後の様子です。



お腹でおこなっていた呼吸はおさまり症状がなくなっています。

その時のレントゲン写真です。



呼吸が楽になったため空気の飲み込みが無くなり胃の中にあった大量のガスも消えています。

今回のような激しい症状は初めて起こったことで、まだ喘息とは確定できません。

注射をしなくても自然とおさまっていた可能性もあり今後の経過を見ていかなければなりません。

ただし念のために喘息をおさえる吸入薬をお渡し退院していただきました。

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ところで一番上の動画の20秒あたりのところから猫ちゃんの「のど」のあたりを見ていただきますとカエルの「のど」のよう
にふくらんだりもとにもどったりを繰り返しています。息をはいた時にふくらんでいます。

気管の周囲にみられたガスが関係(食道に溜まったガスかなと考えているのですが)しているものと思われます。

実はこの猫ちゃんはこの時点でほぼ5か月の男の子なのですが体重が1.12㎏とかなり小ぶりです。

小猫症と呼ばれる猫ちゃんたちがいるのですが、そのことと何か関連がある可能性も考えられます。

今後喘息の症状が頻発したり、小猫症をおもわせるような症状が認められるようになったら2次病院での精査をお願いする必要があるかもしれません。
2023-12-06 08:00:00

猫の喘息

カテゴリ : 呼吸器


先日、ロシアンブルーさんが「月2回くらい咳?、しゃっくりをする」との事で来院されました。

上の動画はその症状が出た時の様子を撮影したものです。ご厚意で提供していただきました。

この症状は直ぐにおさまり普段は元気食欲もあり問題なく過ごせているとのことで、来院時も普通の猫ちゃんと変わらない様子でした。

動画の様子や問診、視診、聴診などから「猫喘息による咳では」と考えました。

猫ちゃんの喘息はアレルギーの関与が示唆されています。

何らかのアレルゲンを吸入した結果、気道に炎症がおこったり、気道がキュッとせばめられたりして喘息がおこります。

IgEアレルギー検査と呼ばれる検査を実施するとアレルギーの原因が特定できることがあります。

下はその結果です。



今回は異常はみとめられませんでしたがこの検査は完璧な検査ではありませんので、異常がないからアレルギーではありませんとは言い切れません。

「異常値が見つかったら、それは避けましょうね」と言うための検査くらいに考えてください。

喘息は香水やタバコの煙などの大気を汚染する物質やストレスが引き金になることもあります。

このロシアンブルーさんの場合は症状も直ぐ収まり日常生活は問題なく過ごせているので今のところ原因は特定できていませんが「軽度の猫喘息」と考え発作時に数日間、気管支拡張薬とステロイドと呼ばれる抗炎症薬を内服していただく事としました。

錠剤の内服が困難な場合も想定し吸入タイプのお薬とそれを吸入させるための器具もお渡ししました。



ロシアンブルーさんは慢性の気管支炎や肺炎を発症することも多く今後そのような病気にならないかも注意していかなければなりません。











2023-06-14 09:00:00

上部気道感染症

カテゴリ : 呼吸器


先週のブログでは3種混合ワクチンの接種サイクルについて取り上げました。

3種混合ワクチンはコアワクチンと呼ばれお住まいの地域や飼育状況によらず全ての猫ちゃんに対して接種が推奨されていますとお話をしました。

この3種混合ワクチンでは猫風邪の原因となるウイルス(ヘルペス、カリシ)と激しい下痢をおこし子猫の場合には死に至るケースも多いパルボウイルスの予防が可能です。

今回3つのウイルスの一つカリシウイルスが一因の猫風邪を発症したと思われる猫ちゃんがいましたのでご紹介します。

動画の猫ちゃんになりますが5か月齢のロシアンブルーです。少しわかりにくいですが青っパナを垂らし鼻詰まりのためか呼吸がし辛らそうです。

動画では映っていませんがくしゃみを連発しあちこちに鼻水・青っパナを飛ばしていました。

猫ちゃんは食べ物のにおいと食欲が密接に関係しています。鼻詰まりがひどく食べ物のにおいがかげないとそれだけで食欲がなくなってしまいます。

この猫ちゃんもこの時点で全く食欲がなくなっていました。

血液検査やレントゲン検査の結果も踏まえ上部気道感染症と診断しました。

青っパナはバイキンが悪さをしている証拠ですから治療としては適切な抗生剤でバイキンをたたくこと、体力維持のためにしっかりと栄養をとらせることが大切な治療となりますので、投薬とともにフーディング処置をすることとしました。

※フーディング処置:言葉がきついですが様々な方法で強制的にフードを与えること。今回はウエットフードを少しづつ手で口に入れていきました。

下の画像は上部気道感染をおこしたのはいったいどのようなウイルス、バイキンなんだろうと調べた結果です。



カリシウイルスが+(陽性)と出ていますので猫風邪の原因の一つとなっている可能性が考えられました。

また結果は割愛しますがどの抗生剤が効果があるのかを調べる検査も実施しました。

最終的に鼻水・青っパナがなくなりほぼ自力で1日分のフードが取れるようになるまでおよそ3週間を要しました。
2023-01-18 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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