みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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猫の鼻水

カテゴリ : 呼吸器


ある日「鼻がつまり呼吸が苦しそう」と猫ちゃんが連れてこられました。

診察台で観察してみますと左の鼻の穴から透明な鼻水が垂れていました。それに伴い呼吸もややしづらそうに見受けられました。

食欲や元気はありましたので、このような時には比較的若い子の場合は「鼻炎による鼻水かな」と考えまずお薬を処方し経過観察とすることもあります。

ただこの猫ちゃんは高齢であったため「鼻の腫瘍が原因による鼻水や息苦しさ」なども考えておかなくてはならないので、手始めの検査として鼻のレントゲン撮影を実施しました。上の画像がその時のものです。

画像に向かって右側が猫ちゃんの左側になります。レントゲンでは空気は黒く写ります。ですので空気で満たされている鼻の穴は黒く抜けて写ります。

このレントゲンでは左の鼻の穴が右と比べて白く濁っています。分かりやすいようにその部位を青い線で囲ってみます。



白く濁っていることから左の鼻の穴に何らかの異常があるということははっきりと言えるのですが、それが炎症であるのか腫瘍であるのかは直ぐに鑑別できません。

鑑別には二次病院でのCT検査等が必要となってきます。

ただレントゲンにはもう少しヒントがあります。絶対ではありませんが鼻の腫瘍性の疾患の場合、鼻の穴の周囲の骨が変形していたりする事があります。

今回はそのような骨の変形はないように思われましたので、「鼻炎」と仮診断し内服薬を処方しました。

下は内服終了後の画像です。左の鼻の穴の白い濁りが消え黒く抜けて写っています。

処方した内服薬では腫瘍の治療はできませんので、今回は鼻炎であったと診断しました。

2022-08-31 09:00:00

猫の喘息:夜中から明け方にみられる咳発作

カテゴリ : 呼吸器


おうちの猫ちゃんが「夜中から明け方にかけて咳きこんでいたりなんだか呼吸がくるしそうだな」ということはありませんか?

それはひょっとしたら猫喘息かもしれません。喘息はよく知られているようにアレルギー性の病気です。

アレルギーの原因となる物を、猫ちゃんが吸い込んでしまうと気道と呼ばれる空気(酸素)の通り道がせばめられてしまい息が苦しくなります。

少し専門的になりますが夜間は体をリラックスさせる方に働く副交感神経という神経が優位で、この神経は気道を収縮させようとします。

さらに秋から冬にかけては明け方の冷たい空気が気道を刺激します。

これらのことが夜中から明け方に喘息発作がよくみられる理由です。もちろんこれらの時間帯以外にも発作はおこります。

アレルーギーを引き起こす物としては、ダニ、花粉、フード、タバコの煙、香水などが考えられています。

ひどい発作が出ているときは、酸素室でお預かりしステロイドとよばれるアレルギーをおさえるお薬や
気道を広げるお薬を注射で投与し症状を落ち着かせます。

症状が落ち着いてきましたら、飲み薬をお渡しし自宅で様子を見ていただきます。

この時お渡しするステロイドとよばれるお薬は喘息には非常に有効なのですが、ある猫ちゃんにとってはあまり好ましくないこともあります。

そういう猫ちゃんの場合は飲み薬ではなく、吸入するタイプのお薬をお渡しすることがあります。

飲み薬は全身に作用してしまいますが、吸入タイプはおもに気道に作用しますので猫ちゃんがうける影響を小さくできるからです。

その吸入タイプのお薬を利用する時にスペーサーと呼ばれる上記写真のような器具を使用します。


2022-08-10 10:00:00

猫の膿胸

カテゴリ : 呼吸器


ある日「お世話をしている地域猫が自宅の門のところでうずくまって動かない。呼吸が苦しそう」との事でクロ猫さんが運ばれてきました。

診察台に乗せ観察してみますと深く速い呼吸をお腹でしていました。

レントゲンで胸部を撮影してみますと、胸の中に何らかの液体が溜まっている像が映し出されました。



←頭側       猫ちゃんの胸部を横から見ています。

※レントゲンでは空気は黒く写ります。ですので空気を含んだ肺は黒く写ります。液体やその他の臓器は  白く写ります。

上のレントゲン画像に説明を入れてみます。



本来は肺がふくらむための空間に液体がたまり肺がふくらむジャマをしています。

それでこの猫さんはできるだけ肺をふくらませ空気を取り込もうと深く速い呼吸になっていたのです。

このような時獣医師は呼吸の改善と検査のために胸にたまった液を抜く作業をします。

上の動画はその時の様子です。酸素をかがせながら胸に針を刺し注射ポンプで液体を吸引しています。

吸引された液体は「膿」で膿胸との診断に至りました。膿胸とは何らかの理由で膿が胸の中にたまってしまう病気です。

吸引後のレントゲン画像です。



説明を入れてみます。



液体(膿)が占める範囲が小さくなり逆に肺が占める範囲が広くなっています。
膿で隠れていた心臓も一部確認できるようになりました。

この吸引処置により来院時よりもだいぶ呼吸が楽になりました。

膿胸の治療はこれで終わりではありません。化膿した場所を洗浄していかなければなりません。洗浄場所は胸の中ですから洗浄液を送り回収するためのチューブを胸に設置しなければなりません。

チューブ設置翌日に洗浄をしているところです。チューブの先端は胸の中に入っています。お皿の中のクリーム状の液体が膿です。

※チューブ設置は北摂夜間救急動物病院に依頼しました。

1日2回洗浄処置をするのですが、お皿の中の液体が透明になるまで何日間か続けていきます。

この猫ちゃんの場合、注入し回収される洗浄液がほぼ透明になるまで2週間を要しました。

2週間後の回収液です。




その日のレントゲン画像です。



チューブが写っています。

回収液の中にバイキンも見られなくなっていましたのでチューブを抜きました。

抜いた後のレントゲン画像です。




チューブを抜いてから1週間後のレントゲン画像です。

ほぼ膿がなくなっています。




 元気よく回復し現在はお家の中で飼っていただけることになりました。
2022-06-08 09:00:00

猫の鼻炎・副鼻腔炎

カテゴリ : 呼吸器





鼻炎・副鼻腔炎と診断した猫ちゃんの動画です。

動画でほとんど聞こえないのですが呼吸のたびに、ズゥーズゥーと鼻音がします。

下の写真は同じ猫ちゃんの頭のレントゲン写真です。鼻づまり具合を見るために撮影します。



ピンクの矢印は鼻中隔と言って左右の鼻を分けている壁です。

青や黄色の矢印が示めしている箇所が副鼻腔と呼ばれる空間です。

黄色い矢印の箇所に注目してみますと左右で空間(やや黒い部分)の大きさのちがい、白っぽさの濃さのちがい、左右を分ける壁の変形が見られます。

症状とこのレントゲン所見から鼻炎・副鼻腔炎と臨床(仮)診断しました。

仮診断としたのはこのようなレントゲン所見の場合、炎症ではなく鼻にできる腫瘍の可能性も残っているからです。

確定診断には内視鏡検査・病理検査・CT・MRI検査などが必要となりますので、高度医療病院での受診を
お願いしています。

鼻炎・副鼻腔炎の治療は抗炎症剤と抗生剤の投与が主になりますが、「完全によくなりました」と言うことが難しく長期的な管理が必要となってきます。

今回VRセンターにて精密検査を実施していただきました。

・左右鼻腔内に鼻汁存在
・鼻甲介構造の消失や鼻汁の存在からは慢性鼻炎の存在が疑われる

との評価をいただきました。

ただし完全に腫瘍の存在を否定できたわけではありませんので、一般的な鼻炎の対応をおこない
反応を見ていくこととなりました。











2021-04-28 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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