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ワンちゃんや猫のデンタルケアに新しい選択肢「クリスタルジョイ」

カテゴリ : お世話

先々週、保険会社アニコムさんの担当者が興味深い製品のサンプルを持ってこられました。

その名も 「クリスタルジョイ(CRYSTAL JOY)」。歯磨きジェルです。


歯みがきが大切なのはわかっているけれど…


ワンちゃんや猫にとって歯周病は決して珍しい病気ではありません。歯肉の炎症から歯のぐらつき、さらには心臓・腎臓など全身の健康に影響することもあります。

ただ「毎日の歯みがきが大事」とわかっていても、実際に続けるのは難しい、という飼い主さんも多いのではないでしょうか。


新しいデンタルケアジェル


クリスタルジョイは、無色・無味・無臭のジェルタイプで、飲み込んでも安心な成分設計です。

もともとは人のオーラルケアに使われていた製品で、そこから犬や猫には有害となるキシリトールを除いて製品化されているため、安心して使えるようになっています。

このジェルは歯や歯ぐきに留まりやすく、唾液と一緒に口全体に広がります。

このジェルの主成分は普段は水のように安定しているのですが、歯の表面や歯ぐきに付着した汚れや細菌に触れると反応し、清浄作用を発揮します。

役割を終えるとすぐに水に戻るため、口内に強い刺激を残さず、安全性にも配慮されています。

このしくみを MA-T System® というそうです。


ブラシが苦手な子にも続けられる

オーラルケアの理想は歯ブラシにジェルをつけて磨くことですが、このジェルはブラシが苦手な子にも、そのシステムにより、歯磨き効果が期待できそうです。

指で歯や歯ぐきに塗る、ガーゼで拭く、あるいはなめさせるだけでも良いそうです。

どうしてもなめさせるのが難しい場合には、鼻の頭に少量を塗ってあげる方法もあります。

自然に舐め取ってくれるので、歯や口に直接触れるのが難しい子にも取り入れやすい工夫です。

実際に、うちの猫は歯ブラシが平気なのですが、試しに鼻の頭に塗ってみたところ、すぐに舐めてくれました。


こうしたちょっとした工夫が「続けられるケア」につながります。


獣医師としての感想


もちろん、ジェルだけで歯石が取れるわけではありません。すでに歯石がついている子には、スケーリング(歯石除去処置)が必要です。

ただし、歯ブラシが難しい子でも、口腔ケアを習慣化できるという点で、とても良い選択肢になり得ると感じました。


まとめ


歯みがきが得意な子も、苦手な子も。

大切なのは「無理なく毎日続けられる方法を見つけること」です。

クリスタルジョイのサンプルが(ひとつだけになりますが)ありますので、興味のある方はスタッフまでお声かけください。
2025-09-10 05:00:00

楽しいお薬の与え方

カテゴリ : お世話




直径9㎜くらいの整腸剤の錠剤です。

これを粉にするとこんな感じ。



うつわの直径は12㎝です。

この量の粉ですと2ccくらいのお水で全部溶かせますこんな感じに。


 
これを注射ポンプで吸うとこんな感じ。



栄養カテーテルというチューブを適当な長さに切り先ほどの注射ポンプにつなげます。



次にチュール容器の切り口を切りほんの少しチュールの中身を出します。



チューブの先端をチュール容器内に充分押し入れていきます。



切り口からあふれ出ないように指でしっかり押さえておき水で溶かしたお薬をゆっくり注入していきます。



切り口から中身が出ないように注意しながら水に溶かしたお薬とチュールの中身を容器を指でもむなどして混ざり合うようにします。



多少水っぽいチュールになりますが問題なく食べてくれました。

少しゆっくり目に挙げてください。

こんな面倒なことをしなくても錠剤のままお薬をお口にほりこんだり粉にしてチュールやウェットフードに混ぜておけばいいんですがなんだかとっても楽しいんです。

※その猫ちゃんが苦手な味のお薬だったらチュールを嫌いになってしまう
といけないので嫌がったら無理しないでくださいね。おそらくお薬の味がチュール全体に広がっています。

2025-03-19 06:00:00

猫ちゃんサマーカット

カテゴリ : お世話

 サマーカット後

少し前にヒマラヤンさんをサマーカットにしました、その時はまだ春でしたが。

通常のトリミング室では受け入れが難しい猫ちゃん達のカットの依頼を数は少ないのですが年に何頭か受けます。

一般的には暑さ対策として実施されることが多いサマーカットですが実施にはメリット・デメリットがあります。

そもそも毛には日差しから身をまもる役割もありカットすることによって直接日が当たり飼育環境によってはかえって暑いかもしれません。また紫外線から肌をまもる効果も薄れてしまいます。

メリットとしては毛玉対策があげられます。

長毛種の猫ちゃんなどで特にお腹側のブラッシが難しく毛玉だらけになってしまう事があります。

毛玉の存在は猫ちゃんには非常にストレスで生活の質の低下につながりますのでサマーカットはその対策として効果があります。

写真のヒマラヤンさんも毛玉対策としてカットを実施しました。

トリマーさんて凄いですよね、どんなに動き回り興奮するワンちゃんでも表現が合っているのか分かりませんがなだめすかしながら手際よくカットを施していかれますよね。

そのトリマーさんたちをもってしても興奮する猫ちゃんのカットは難しいようです。

当院ではオーナー様に「鎮静麻酔をかけての処置になります。カットは私やスタッフで行いますので素人の散髪になります。」とお話しお引き受けしています。

↓ カット前


↓カット直後 鎮静がかかっています。
2024-06-19 07:00:00

歯磨き教室

カテゴリ : お世話


飼い主様のペット達への健康意識の高まりにより歯磨きのご相談を受ける機会が増えてきました。

以前は歯のご相談というと「お口が臭うので」とか「歯が痛いのかフードがたべづらそうで」とか歯石がびっしり付着し歯がグラグラというようなかなり状況が酷くなってから受けることがほとんどでした。

ただ最近は歯石や歯周病は色々な病気の引き金になることがオーナー様にも周知されてきたのか、子犬や子猫を飼い始めたばかりのオーナー様やまだそんなに歯の汚れが目立たないワンちゃん・猫ちゃんのオーナー様からも歯磨きについてご相談を受けることが増えてきました。

少しでも参考になればと思い私の相棒ジャックの歯磨き動画を挙げておきますね。

ジャックは比較的歯磨きに協力的なのですがそれでも途中から前足が出てくることがありますので毛布で体を軽くくるんでいます。

全ての歯を歯ブラシでまんべんなく磨ければ理想的なのですが、なかなか集中力がもちません。それで集中力が切れる前に毎回上の奥歯だけは最低限磨けるように努めています。上の奥歯が一番汚れやすく歯石が付着しやすいからです。

使用する歯ブラシですがジャックには下の画像の真ん中のタイプの製品があっていました。



ブラシの部分がかなり小さいのがジャックには良かったみたいです。大きいブラシだとお口の色々な箇所にブラシがあたり気になって嫌がるようでした。

ブラシに味付きの歯磨きペーストを適量つけそれをジャックが味わっている間に表現が悪いですがちゃっちゃと磨くようにしています。

自分の歯を磨くような力加減だと猫ちゃんは嫌がってしまいますので優しい力加減を意識してください。

ジャックは後ろから歯ブラシを行った方が嫌がらなかったです、後ろから味付きペーストのついた歯ブラシを優しくお口の横から入れてそれを味わいだしたら磨き始めます。

下の画像は使用している味付きペーストです。



ジャックは歯磨きに協力的な方ではあると思うのですが、いきなり歯ブラシを使用させてくれたわけではありません。

まずはペーストの味を好きになってもらうように1週間ほど努めました。

具体的には注射ポンプに入れて下の画像のように舐めさせていました。



喜んで舐めるようになったら今度は歯ブラシに付けて舐めさせました。それに慣れたころ歯ブラシでの歯磨きを開始しました。

キバも歯ブラシで磨かせてくれるのですが、前歯は最初どうしても歯ブラシの使用を許してくれませんでしたので歯磨きシートを試してみると大丈夫でした。

シートは1回に1枚そのまま使用するともったいないので4つくらいに切り残りはパックに入れて冷蔵庫で保管しています。



どうです皆さん少しはお役に立てたでしょうか?

ジャックは最初からお口に触れることは嫌がりませんでしたのでいきなり歯磨きペーストを舐めさせる段階に入りましたが、それを嫌がる子の場合はまずはお口に触れられることに慣れさせる必要があるかと思います。

お口に軽く触れて受け入れてくれたらおやつを与えるなどを繰り返すのも一つの方法ではと考えます。

おやつですが歯磨きの後にご褒美として与えるのも良いかと思います、「えっ、磨いたばかりなのにまた汚れてしまうのでは」となりますが歯の汚れが歯石になるまでは3日かかるといわれていますので次に日に歯磨きすれば間に合います。

人間の歯医者さんには怒られそうですが、歯磨きの理由がわからないワンちゃん・猫ちゃんの場合は如何に楽しく継続させてあげられるかが大切になります。

「あれ先生、歯の内側を磨いていないのでは」とのご指摘があるかと思います、そうですジャックはどうしても内側が磨けず良い方法が見つかっていません。

理由の分からないワンちゃん・猫ちゃんの場合どうしても人間と全く同様の医療行為を施す事が難しいケースが様々な場面であります。

毎日の歯磨きが難しく2~3日に1度となる場合もあるでしょう。

それでも完璧ではないにしろ何もしないよりは絶対に良いはずと考ています。

皆さんその子に合った方法を模索しながら一度歯磨きを試してみてくださいね。
2024-02-14 07:00:00

毛玉取り

カテゴリ : お世話


先日「毛玉を取ってほしい、自分たちでも頑張ってみたのですがお尻のところができません」との事で猫ちゃんが連れてこられました。

画像では少しわかりにくいと思いますが私が手で囲っている範囲の体毛が絡まりフェルトのようになっています。またこれ以外の場所にも所々毛玉がみられました。

年間何頭か毛玉取りの依頼があるのですが今回「うっ・・・これは強敵だなぁ」と思いつつお預かりしました。

まずは看護師と協力しながらフェルト状の毛玉の部分にバリカンを慎重にあてていきました。




刈り取られたフェルト状の毛玉です、ハート型ですね。

その他の毛玉はくしを使用して取っていきました、なんだかんだで1時間程の処置となりました。




処置後の猫ちゃんです。



毛玉の下では皮膚が赤みを帯びすこし炎症を起こしていることもあります、この猫ちゃんもそうでした。

皮膚ケアのローションをお渡ししておきました。

2023-09-27 09:00:00

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