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猫の目ヤニが片目だけに出るのはなぜ?再発とヘルペスの関係

カテゴリ : 眼


片目優位の再発


先週のブログでご紹介した猫ちゃんは両目に症状が出ていましたが、再発と考えられるケースでした。

ただ、臨床の現場では 再発の場合、片目だけに症状が出ることや、両目に出ても片目の方がより激しく症状が出ることが多いように感じます

※これはあくまで私の経験的な印象です。

片目により症状が強く出る理由を、 人間の帯状疱疹という病気を引き合いに出して考えてみます。

帯状疱疹と猫ヘルペスの共通点


人間で50歳以上になると心配になる帯状疱疹も、原因はヘルペスウイルスです。

子どものころにかかる水ぼうそう(ヘルペスウイルスの一種)のウイルスが神経に潜伏し、年齢を重ねて体力が落ちると再び活動を始めます。

このとき皮膚の神経の走行に沿って痛みや炎症を起こし、症状は片側だけに出ることが一般的です。

ウイルスは左右均等に潜伏するのではなく、どちらか一方の神経に優位に入り込むことが多いと考えられています。

猫ヘルペスウイルスも三叉神経に潜伏すると言われていますので、同じ仕組みで片目だけに症状が出ることがあるのかもしれません。


実際の片目症例


先週のブログ公開後、左目により激しく症状が出ていた猫ちゃんが再診に来られました。

最初は他院で「ヘルペスウイルスの関与が疑われる」としてインターフェロンの点眼薬が処方されていましたが、目ヤニがひどくなってきたとのこと。

そこで当院ではインターフェロンの点眼を継続していただきつつ、クラミジアにも効果のある抗生剤の点眼を追加処方しました。

2週間以上してからの再診では、ひどい目ヤニはなくなっていましたが、涙目はまだ続いていました。



今回はインターフェロンの点眼を使い切った後は、しばらく様子を見ていくことにしました。

この子の場合も、問診やこれまでの経過から、新たな感染というより潜伏ウイルスの再燃と考えられました。

症状はある程度落ち着き、飼い主さまも安心されたご様子でした。
2025-08-20 06:00:00

新しく迎えた猫ちゃんの「目ヤニ」相談、意外な原因とは

カテゴリ : 眼


新しく猫ちゃんを迎えた飼い主さまから、ときどきこんなご相談を受けます。

「家に来たときは綺麗な目だったのに、しばらくしてから目ヤニで目がくちゃくちゃになってきました」と。

これは、先住猫がいる・いないにかかわらず起こることがあります。

先住猫がいるケースでは、
「迎え入れた子はなんともないのに、先住猫のほうが目ヤニで…」
というパターンも少なくありません。

中には
「猫風邪をうつされたんでしょうか。ワクチンは接種しているんですけどね」
と心配される飼い主さまも。


実は「新しくうつされた」わけではないことが多い


確かに、猫風邪(猫の上部呼吸器感染症)による症状であることは多いです。

ですが、新たに菌やウイルスをうつされたのではなく、もともと体内にいた病原体が悪さを始めたケースがよくあります。

関与が疑われる代表的な病原体は、

・猫ヘルペスウイルス
・クラミジア(猫クラミジア感染症)


猫ヘルペスとクラミジアの特徴


猫ヘルペスウイルスは三叉神経(目にもつながる神経)に潜伏し、ストレスをきっかけに再び活動を始めます。

クラミジアは眼の結膜細胞の中に潜み、同じくストレスで症状を再発させます。

これらは、猫がたくさんいる場所で「うつし・うつされ」を繰り返し、一度感染すると生涯キャリアになることも珍しくありません。


ストレスが発症の引き金に


ストレスは猫ちゃんの抵抗力を落とします。

・新しい環境への引っ越し
・先住猫にとっての「新入り猫の登場」

これらは、猫にとってとても大きなストレスです。

その結果、潜伏していた病原体が活性化し、症状が現れます。

つまり「病原体をうつされた」というよりも、ストレスで潜在菌が悪さを始めたと考えるのが自然です。


「ワクチンを打っていても症状が出る」理由


猫風邪ワクチンは、血液中のIgG抗体(全身を守る抗体)を増やし、重症化を防ぎます。

ただし、目や鼻・喉などの粘膜で最初に病原体と戦うIgA抗体はあまり増えません。

そのため、ワクチンを接種していても目や鼻に軽い症状が出ることはあります。


実例:7か月のペルシャ猫ちゃん


冒頭の動画の猫ちゃんは、生後7か月のペルシャ。

お家に来て3日目のことでした。

来たときは大きくてきれいな目だったのに、




数日で黄色い目ヤニが大量に出て目がくちゃくちゃに…。

経過から考えると、引っ越しのストレスが引き金になり、もともと持っていた病原体が動き出したと推測されます。

ここまで目ヤニが多いと、ヘルペスよりもクラミジアの関与を強く疑います。

そこで今回は、クラミジアにも効果のある目薬を使用してもらうことにしました。


まとめ


・猫風邪のような症状が出ても、必ずしも「新しくうつされた」わけではない
・ストレスが引き金になって潜伏していた病原体が再発することが多い
・ワクチンは重症化を防ぐが、粘膜のIgA抗体はあまり増やせないため、軽い症状は出ることがある
・目ヤニが多い場合はクラミジアの可能性も考える

猫ちゃんの目の症状は、早めに動物病院でご相談くださいね。
2025-08-13 06:00:00

コンタクトレンズ

カテゴリ : 眼

            ※目薬治療開始1週間目

先週の続きです。

歯肉口内炎の治療開始後直ぐに痛みなくスームーズにフードを食べてくれるようになった事はよかったのですが、それからしばらくすると左目が涙であふれてきました。

少量の目ヤニも認め瞼の裏側も真っ赤に腫れていました。

結膜炎を疑い抗生剤の目薬の点眼を開始しました。

治療開始4日目、結膜炎であればそろそろ回復の兆しがみえてほしい時期ですが逆に目をつぶるようになってきました。

目をつぶるのは目の痛みを訴えています。

検査をすると目の表面の角膜という場所に傷ができていました。

このことからヘルペスウイルスの悪さが考えられました。

ヘルペスウィルスは猫ちゃんに風邪をひきおこすウイルスですが、一度このウイルスに感染すると生涯にわたってウイルスを保有します。

普段は目の近辺の神経に隠れていて、猫ちゃんがいろんなストレスを受けたときに目の表面に出てきて角膜を傷つけるなどの悪さをします。ストレスは体の抵抗力を下げます。

今回クロちゃんは保護されて慣れない環境に置かれたことがストレスになったのと、口内炎治療のためのステロイドの痛み止めもよくなかったのかもしれません。ステロイドは体の抵抗力を下げるからです。

この時点で感染が証明されたわけではありませんが、ヘルペスウイルス用の目薬を追加しました。

あわせて角膜に傷ができたときに使用する目薬も追加しました。

上の画像は目薬開始1週間目のものです。まだまだすっきりしません。目をつぶりぎみです。

再チェックしてみますとまだ傷があります。傷のある場所が緑色に染まる検査です。



そこで目の痛みの緩和と傷口の保護を目的にコンタクトレンズを使用しました。




青いドット模様が見えますよね、コンタクトレンズの表面に付けられている印です。

装着後は完全ではありませんが目のつぶり方がかなり解消されました、目の痛みがやわらいだようです。

1週間装着し外しました。外したコンタクトレンズです。



傷口はなおり目のつぶりも解消されていました。



コンタクトレンズ挿入の時にヘルパスウイルスの検査も行っていたのですが陽性の結果でした。







2023-08-23 09:00:00

前房蓄膿

カテゴリ : 眼



ある日「右目の下がにごっている」との事でロシアンブルーさんが連れてこられました。

目の中の前方部分は眼房水とよばれる水で満たされています。

上の画像ですが眼房水がにごって見えるところがあります。わかりやすいようにピンクの→で示してみます。


 
反対の目と比べていただくとわかりやすいのですが、矢印で示すところにクリーム色のもやもやしたものが観察されます。

これは炎症で生じた成分(わかりやすく簡単に表現しますと膿です)が眼房水の中にあらわれ重力により下側に沈殿したものと考えられます。

炎症と言えばなんらかの病原体が感染しおこる炎症がまず頭に浮かんでくると思いますが、その他に自分を守るための抗体という武器が自分自身の体のある部分をあやまって攻撃してしまうことにより起こる炎症があります。

今回は後者の炎症が疑われました。

このような時にはステロイドとよばれるお薬を点眼したり飲ませたりして、自分自身を攻撃している抗体の働きを少し抑え込むようにします。

下は治療開始1週間後の写真です。



目の中に見られたクリーム色のもやもやがほぼ無くなっています。

※今回は軽度の前ぶどう膜炎により前房蓄膿が生じたのではないかと考えています。

2023-03-22 09:00:00

角膜黒色壊死症

カテゴリ : 眼


十二指腸・回腸のリンパ腫で治療中の猫ちゃんのオーナー様から「右目を掻いてまぶたが開かなくなっている。目やにもでている。」との相談を受けました。

まぶたを開いてみますと角膜と呼ばれる目の表面の透明な部分の中央部が黒く変色し凸凹になっていました。

また画像では分かりにくいですが下まぶた辺縁の目じりの部分が内反している様子も確認されました。

目に痛みがあると目はウインクした状態となります。その状態が続くとまぶたそのものにも緊張状態が続きまぶたが痙攣をおこし内反状態となることがあります。

この猫ちゃんはリンパ腫の治療のためクロムブシルという抗がん剤とステロイドのお薬を内服していました。

いずれのお薬も抵抗力を低下させてしまう事がありますので、「ヘルペスウイルスが悪さをはじめたのかな。それにより角膜黒色壊死症がおこり、その痛みのためにまぶたが内反してしまったのかな。」と考えました。

ヘルペスウイルスが原因の猫カゼを患ったことのある猫ちゃんは、ウイルスがいつまでも目の周囲の神経に残り時々悪さを受ける事があります。

治療としてヘルペスウイルスを退治する目薬、目やにはバイキンの関与を疑わせますので抗生剤の目薬、
角膜を保護するための目薬の点眼で2週間経過を観察することとしました。

目やにはおさまりましたが、まぶたの内反に改善はあまり認められませんでしたので眼科専門医を受診して頂きました。

診断は簡単に説明しますと「黒色壊死症の痛みが先にありまぶたの内反がおこたのか、まぶたの内反が先にありその物理的な刺激から黒色壊死症がおこったのかは分かりませんが、まずはまぶたの内反を手術で是正し角膜への物理的な刺激を取り除きましょう」との事でした。

壊死部分についてですが壊死部分を手術で切除し角膜が修復するまででコンタクトレンズで保護する方法もあるそうですが、今回は自然に壊死部分が脱落し修復していくのを待つ方法を選択しましょうとの事でした。

抗生剤の目薬、角膜の保護のための目薬、ヘルペスウイルスの関与も否定できないためその目薬もあわせて引き続き点眼していくこととなりました。

術後2週間目の画像です。





分かりやすくオレンジのラインで壊死部分と手術範囲を示します。





手術部位を拡大してみます。



まつげみたいに見えているのが縫合糸です。

内反が奇麗に改善しています。抜糸を行い目薬の点眼で経過を見守っていきます。

















2022-11-23 09:01:00

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