
ある日「数日前から右目が涙目になっている。」という猫ちゃんが連れてこられました。
上の画像はその時のものですが、右目の下まぶたの縁があふれ出た涙で濡れています。

上のまぶたをひっくりがえしてみますと裏側が腫れあがっていました。画像には写っていないですが白目の部分も真っ赤に充血していました。
このような時「逆まつげでもあって目を刺激しているのかな」とか「何か目の表面に傷でもあるのかな」とか「バイキンが入って炎症を起こしているのかな」などと考え診察に入ります。
最近は室内飼いの猫ちゃんが多くめったに見かけないのですが自由散歩に出かける猫ちゃんですとまぶたの裏側に東洋眼中という寄生虫が住みつき悪さをしていることもあります。この猫ちゃんは完全室内飼いですのでその心配はなさそうでした。
視診では逆まつげはなさそうでした。
ある染色液を目の表面に垂らした時に傷があれば緑色に染まるという検査があるのですがそれも問題ありませんでした。
また必ずではありませんがバイキンが入り炎症を起こしている時は「あおっぱな」のような目やにを伴う事が多いと考えているのですがそれも認められませんでした。
このような時にもう一つ「ヘルペスというウイルスが悪さしているのかな」と考えたりします。
ヘルペスは猫ちゃんに激しいカゼのような症状を起こすウイルスですが一度かかってしまうと、カゼの症状が治まってからもウイルスは無くならず目の近くの神経に住み着いて時々目の表面に出てきて色々な悪さをします。
そこでヘルペスウイルス用の目薬を1週間点眼していただきました。

この目薬は1日6回の点眼と大変なのですが、その甲斐があってか1週間後に涙目は改善されていました。
