みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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耳の治らない傷 白猫さんの扁平上皮癌

カテゴリ : 腫瘍


この前までは「あれまだ梅雨なの?」といった感じでしたが、急に息苦しくなるくらいの暑い日が続くようになりましたね。

昼間外に出ると肌がジリジリ痛いです。紫外線が心配になりますよね。

それで少し前の出来事を思い出しました。

ある日「消毒をしいてますが耳の傷が治りません。もう1か月くらい経過しています。」との事で白猫さんが連れてこられました。

お話を聞いてみますと白猫さんでしかも外猫(保護猫)さんという事でしたので少し嫌な予感がしました。

それはある癌の事が頭に浮かんだからです。

外猫さんは室内猫さんに比べて圧倒的に紫外線を浴びています。

この紫外線の影響で耳や鼻、瞼に「扁平上皮癌」という癌が出来ることが分かっています。

紫外線から皮膚を保護する働きのあるメラニン色素が少ない白猫さんは特に影響を受けやすいのです。

傷口から組織を少し取り病理検査を実施したところやはり心配していた「扁平上皮癌」でした。

室内猫さんでも発生します。

少しオーバーかもしれませんが日向ぼっこや窓辺から外を眺めるのが好きな猫ちゃん特に白猫さんの場合は紫外線対策も考えてあげてくださいね。
2024-07-24 07:00:00

健康診断を受けていますか?:猫の肺腺癌

カテゴリ : 腫瘍


当院ではワンちゃんも猫ちゃんも年齢にかかわらず年1~2回の健康診断をお勧めしています。

健康診断の検査内容としては先ずは血液検査を皆さん思い浮かべられるのではないでしょうか。

血液検査は健康診断では必ず受けていただきたい検査ではあるのですが100の病気があるとしてその中の30くらいの病気しか検出してくれないと言われています。

例えば癌です。

人間の場合、腫瘍マーカーを血液検査でとらえることで癌の検出につなげることが可能ですがワンちゃんや猫ちゃんの場合は基本的には画像診断が必要となります。

※ただし最近ワンちゃんについては腫瘍マーカーの測定が実施可能になり癌の早期発見に利用できるようになってきました。

画像診断には麻酔なしで行えるレントゲン検査、エコー検査とワンちゃん猫ちゃんでは基本麻酔が必要となる内視鏡検査、CT検査、MRI検査などがあります。

当院ではレントゲン検査、エコー検査が実施可能です。

さらなる画像検査が必要な場合は高度医療の提供が可能な二次病院を紹介させて頂いております。

上の画像はある猫ちゃんの健康診断時の胸部レントゲン検査で心蔵の拡大と肺に影が見つかりました。

同時に実施している血液検査には異常は認められませんでした。

画像に説明を入れてみます。



心臓の拡大に関しては院内のエコー検査で肥大型心筋症との診断をすることできました。

一方肺の影に関してはそこに異常があるということはレントゲン検査でわかるのですがそれが炎症性の疾患であるのか腫瘍性の疾患であるのかなどの区別はできません。

確定診断にはCT検査、気管支内視鏡検査、気管支洗浄検査、病理組織検査などの検査を組み合わせて行う必要がありますので二次病院を紹介させていただきました。

そこで呼吸器科を備えている二次病院を受診していただきました。


(二次病院でのCT検査画像です。青いラインで囲った部位がレントゲン画像の 
 陰に相当する箇所です)

いくつかの検査から「腫瘍の可能性が高い」との判断となり摘出手術が実施されました。

病理組織検査の結果、肺の影は「肺腺癌」との診断でした。

レントゲン検査を加えて頂いたことが癌の発見につながりました。

※癌の摘出手術後は引き続き抗がん剤療法がおこなわれ非常に良い経過だったのですが、心臓病の急な発作がおこり残念ながら天国に旅立ってしまいました。
2024-07-10 07:00:00

鼻腔リンパ腫

カテゴリ : 腫瘍


             ※抗がん剤の投与を開始して1週間目の画像です

先月のはじめ「年末くらいから風邪をひいているようで、市販のペット用点鼻薬をつかったりおくすりを飲ませたりしていたがなおらない。最近、鼻が腫れてきた。」とある猫ちゃんがつれてこられました。

オーナー様が話されている間はキャリーケースに入れられたままでお顔はまだこちらには見えていません。

この時点でもうある病気の事が頭の中に浮かんできているのですが、お話が終り猫ちゃんをキャーリケースから出すと「やはり」となりました。


 ※ この画像は第1回目の抗がん剤を投与する直前のものです、初診時ではありません。

お顔の状態から「一目見て「鼻腔リンパ腫」という鼻のガンが疑われました。

確定診断の為に二次病院を受診していただいたのですが、当初の推察どおり「鼻腔リンパ腫」との診断
を得ました。



治療はおよそ半年間にわたり毎週1回抗がん剤を血管から投与していくのですが、この猫ちゃんは種類がマンチカンでした。

猫のリンパ腫のセミナーに出席した時に講師の先生が、「リンパ腫の治療でマンチカンが来たらプレッシャーがかかりますね」とおっしゃられていたのを思い出しました。

ご存じのようにマンチカンは手足が短く、手足の短さは注射のための血管確保と呼ばれる処置を少し難しくするのです。

血管確保が正確にできていないと抗がん剤が血管から漏れ出し大変なことになるのです。

さらにこのマンチカンさんは手足に触られることを極端に嫌がります。

そこでオーナー様には鎮静剤の使用を許可していただき、現在治療に当たっています。








2023-03-15 09:00:00

乳腺腫瘍:リンパ節の切除

カテゴリ : 腫瘍



上の画像は乳腺を切除する時に付属するリンパ節をとっている様子を撮影したものです。

猫ちゃんの乳腺はワキの下から始まり後ろ足の付け根まで続いていますが、乳腺腫瘍の時は腫瘍のある箇所だけを切除するのではなく乳腺すべてを切除します。

と言うのは猫ちゃんの乳腺腫瘍はそのほとんどが悪性で触ってみて何ら変化の無い箇所にも既に細胞レベルでがん細胞が転移をしている可能性があるため、その取り残しをできるだけなくすためです。

下の画像で黒い線で囲ったところをすべて切除します。


乳腺をすべて切除することともう一つ大切なことは付近のリンパ節も一緒に切除することです。

リンパ節は細菌やウイルス、がん細胞が周囲に広がっていかないように関所のような働きをしています。

リンパ節を一緒にとるのは既にがん細胞をとらえているかもしれず、そのままにしておくと一部が転移してしまうかもしれないからです。

乳腺ではワキの下と後ろ足の付け根付近にリンパ節があります。

ワキの下には2か所あるのですが、一番上の画像ではその一つ「副腋窩(ふくえきか)リンパ節」をとっています。

とれた「副腋窩リンパ節」です。




術後の画像です。



2022-09-14 09:01:00

猫の膵外分泌腺癌

カテゴリ : 腫瘍


ある日「3日前から元気がなく、食べては嘔吐していた。昨日今日は食べておらず嘔吐が続いている。」との相談を受けました。

嘔吐はたくさんの病気で認められる症状ですので決めつけはよくないのですが、「膵臓や肝臓、腎臓が問題をおこしてるのかな」、「高齢なので胃腸にデキモノがあるのかな」、「2日前までは食欲はあったようなので単純に毛玉でも胃にたまっているのかな、それとも何か飲み込んだかな」などと考えながら診察に当たります。

まず触診をしてみました。小腸などにできたデキモノがある程度おおきくなっていり、腸で何か詰まっていたりすると触診で発見できるケースがあるからですが、今回は問題ないように感じられました。

次に毛玉のチェックのために簡単に胃にエコーを当ててみましたがこれも問題ありませんでした。

膵臓・肝臓・腎臓の問題は血液検査でみていきます。

血液検査では猫膵特異リパーゼという値が異常値を示しましたので、オーナー様には「膵炎かもしれませんね。」とお話ししました。

リパーゼは膵臓から分泌される消化酵素の一つで脂肪の分解にかかわっています。膵臓が炎症をおこすとリパーゼが漏れ出し自分の体を消化するようになり、腹痛・食欲の減退・嘔吐・下痢などの症状を引き起こすようになります。

ただ膵炎などの激しい炎症の場合、猫SAAという数値が異常に跳ね上がることが一般的ですが今回正常値
であったことが心に引っかかりました。

SAAは血清アミロイドAというものですが、膵臓に限らず体のどこかで炎症があると急激に増えてくると考えてください。

先ほどの続きになりますがオーナー様には「膵炎かもしれませんね。症状は膵炎と一致します。だた膵炎と診断するにはSAAが正常であるのが気になります。4,5日膵炎の治療を行ってみて改善が乏しいようなら二次病院での精査をお願いします」と説明し治療を開始しました。

5日間治療を続け嘔吐はおさまりましたがチュールを2,3本食べるようになっただけで改善には至りませんでしたので二次病院にCT検査を依頼しました。

その結果が上記の画像です。ピンクの矢印で示した部位になるのですが、膵臓に癌がみつかりました。その右上の三日月状に見えている臓器は脾臓です。

病理細胞診検査の結果「膵外分泌腺癌の疑い」とのことでした。

膵外分泌腺とは膵臓にありリパーゼなどの消化酵素を分泌しています。

今回癌化し異常に増えた外分泌腺のため通常よりも多くのリパーゼが分泌されたため猫膵特異リパーゼが上昇し、癌であり炎症ではないので猫SAAは正常であったのかもしれません。

また当院でも画像検査としてレントゲン検査を実施していたのですが、膵臓領域に少し違和感を感じましたが「膵炎を反映した像かな」と考察していました。








2022-08-03 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

  1. 動物園勤務から病院へ
  2. プロフィール
  1. 週齢はどれくらい?
  2. まず行うこと
  1. ワクチン接種
  2. 寄生虫予防
  3. 避妊去勢
  4. デンタルケア
  5. 体重管理・食事管理
  6. 定期健診

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