
上の画像は乳腺を切除する時に付属するリンパ節をとっている様子を撮影したものです。
猫ちゃんの乳腺はワキの下から始まり後ろ足の付け根まで続いていますが、乳腺腫瘍の時は腫瘍のある箇所だけを切除するのではなく乳腺すべてを切除します。
と言うのは猫ちゃんの乳腺腫瘍はそのほとんどが悪性で触ってみて何ら変化の無い箇所にも既に細胞レベルでがん細胞が転移をしている可能性があるため、その取り残しをできるだけなくすためです。
下の画像で黒い線で囲ったところをすべて切除します。

乳腺をすべて切除することともう一つ大切なことは付近のリンパ節も一緒に切除することです。
リンパ節は細菌やウイルス、がん細胞が周囲に広がっていかないように関所のような働きをしています。
リンパ節を一緒にとるのは既にがん細胞をとらえているかもしれず、そのままにしておくと一部が転移してしまうかもしれないからです。
乳腺ではワキの下と後ろ足の付け根付近にリンパ節があります。
ワキの下には2か所あるのですが、一番上の画像ではその一つ「副腋窩(ふくえきか)リンパ節」をとっています。
とれた「副腋窩リンパ節」です。

術後の画像です。
