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モスキートバイト(蚊刺咬性過敏症):保護猫ボーイくん

カテゴリ : 皮膚病


ハルちゃんとクロちゃんを保護した妻の友人から7月の初めころ妻あてにこんな連絡がありました。

「5月頃からいつもの公園で見かけるようになったボーイくんなんやけど耳と鼻の皮膚がボロボロで疥癬かなぁ」

「耳と鼻って言うんやったらそうかもね」と答えておきました。

疥癬は耳や頭部・顔面の皮膚に感染しそこでトンネルをつくり激しい痒みをもたらすとともに顔面の皮膚をデコボコにしてしまいます。見た目の様子は検索してみてください。

それからしばらくして何とかその様子が撮影できたとのことで送られてきた画像(失くしてしまいました)を見ますと「あれ疥癬ぽくないなぁ、ひょっとしたら蚊にさされてるんじゃないかなぁ」となりました。

上の動画は8月の末に妻がその公園までボーイくんを見に行った時のものです。

顔面の皮膚は綺麗な状態なのですが耳の後ろの毛がズル剝けで鼻の頭が所々毛が抜けています。

これはモースキートバイトの特徴で蚊が他の箇所と比べて毛の短い耳の後ろや鼻の頭を狙って吸血してくる結果です。ちなみに「お肛門まわりも赤くなっていました。」。黒猫が狙われやすいとも言われています。

妻の話では「もう軽く百匹ぐらいは蚊が寄ってきてた」とのことでした。

動画のキャプチャー画像です。




「あーこれはお薬をつけたり飲ませたりでどうこうできるものじゃないなぁ。室内で飼ってあげて蚊に刺されないようにしてあげる必要が・・・」となりました。

それからボーイくんの事は少し忘れていたのですが先週「貰い手が見つかりそう」とのことで当院に健康診断と去勢手術のために連れてこられました。

既に10月になり蚊による吸血が少し減ったのが良かったのか皮膚の症状が少し落ち着いていました。その時の画像ですがまだ脱毛部が見られます。



それから当院でお預かりし10日目の画像です。蚊に刺されなくなってすっかり良くなりました。





2023-10-25 09:00:00

猫のアトピー

カテゴリ : 皮膚病



画像の猫ちゃんですが耳の内側が所々赤くなっています。

2年ほど前から診察させていただいていおりアレルギー性の皮膚炎と考えています。

当院へはお引越しのタイミングで初めて連れて来られました。

もとのかかりつけ医の先生のところで「細菌の感染を除外するために抗生剤のお薬で反応を見てみましょう。反応が悪かったら何らかのアレルギーも考えられます。」とのことで持続性の抗生剤の注射がなされていました。

当院へは注射後2週間目の来院だったのですが、症状が続いておりアレルギーの関与が考えられました。

猫ちゃんでアレルギー性の皮膚炎を疑った時には「原因はノミかな、食べ物かな、あるいはそれ以外の環境の要因(花粉など)かな」と大まかに3つにわけて考えていきます。

原因の追究は大切なのですが先ずは症状をおさえてあげなければいけませんので、アレルギーを強く抑える効果のあるステロイドというお薬を使用したところ直ぐに症状はなくなりました。

オーナー様のお話では「外出はせずフィラリア予防もおこなっている(同時にノミ予防も行えます)」とのことでノミが原因ではなさそうでした。

その後も再発を繰り返しましたので食べ物のアレルギーはないかを確かめるために除去食試験と呼ばれる試験を実施してみました。

理論上アレルギー反応を起こさないように開発されたフードのみを与えて症状が再発しないかを見る試験なのですが症状の再発をみました。



原因はノミでも食べ物でもなさそうなので「猫のアトピー」と診断しました。

「猫のアトピー」という言葉ですがアレルギー性の皮膚疾患でその原因がノミでも食べ物でもない時に使用しています。非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎と呼ぶこともあります。

「それではどのような環境の要因が関与しているの?」となった時に血液を採取してIgE検査をと呼ばれる検査を実施すればわかることもあるのですが、100%原因が突き止められるわけではない事、費用がやや高額である事から実施を見送りました。

その後も症状の再発の度にステロイドの投与をおこなっていたのですがこの猫ちゃんの年齢を考えるとあと10年近くは寿命がありそうですので、長期間投与による弊害が心配となってきました。

ステロイドは免疫力を下げたり、糖尿病、心筋症など様々な病気を引き起こしたりする可能性があります。

そこでワンちゃんでは何年も前から使用されているオクラシチニブ(商品名アポキル)を今回使用してみました。



長期投与による弊害が全くないとは言えませんがステロイドに比べ少ないといわれています。

猫ちゃんは認可外となりますのでオーナー様の了解を得ての使用になります。

1週間使用したところ症状はなくなりました。





















2023-09-13 09:00:00

低温やけど

カテゴリ : 皮膚病


 3月が近づいてきましたがまだまだ寒い日が続きますね。

猫ちゃんの寒さ対策は皆さんどうされていますか、うちの猫は毛布を掛けた段ボール箱や紙袋を用意してあげるとその中に入って寝ています。

それでもあまりにも寒い日は少しの間ガスストーブをつけてあげるのですが、点火時の「ボボボボー」という音を聞きつけて直ぐにストーブの前に寄ってくる姿がかわいいです。

先日、前胸部の毛がぬけ一部皮膚が赤くなっている猫ちゃんが連れてこられました。

赤い部分は軽い水ぶくれをおこしています。

アレルギー性の皮膚炎のようにも思えましたが、オーナー様のお話からペットヒーターが原因の低温やけどではと考えました。

猫ちゃんは平熱が人間より高いことや体毛の存在により熱に対して少し鈍感になっています。

人間なら少し熱いなとなって退避するような状況でも猫ちゃんは長時間居座ってしまい低温やけどをおこしてしまうことがあります。



ホットカーペットなどの上で長時間「香箱座り」や「ごめん寝」をしている猫ちゃんがいたら少し気を付けてあげてくださいね。




2023-02-15 09:00:00

猫 真菌症

カテゴリ : 皮膚病


ある日「前足と鼻に傷を負っています、1週間前に気づきました。」と生後4か月の子猫のオーナー様から相談を受けました。

診察台の上で見てみますと鼻筋と左右前足の指にそれぞれ毛が抜け少し赤みを帯びている箇所がありました。

獣医師はまだ抵抗力の弱い子猫さんの鼻や手足、耳、しっぽの「先端部分」に毛の抜けている箇所を見つけたら先ず最初に真菌症を疑います。

真菌症はアレルギーと並んで猫ちゃんの「2大皮膚病」で少し乱暴な表現ですが猫ちゃんに皮膚病を見つけたらどちらかの病気から考えていくことが多いです。もちろんカイセンなどの寄生虫感染症や肥満細胞腫などの皮膚腫瘍の可能性もありますので決めつけはよくありませんが・・・

真菌症が疑われたらウッド灯検査と呼ばれる検査をします。ブルーライトを患部に当てると真菌に感染している箇所が青白く光って見えます。

少し分かりにくいですが鼻筋、左右前足の一部の爪めの付け根に青白く光る箇所があります。










オーナー様には真菌症の疑いがあることをお伝えし、抗真菌剤の内服と抗真菌剤がしみ込んでいるシートで患部を拭いていただくようお願いしました。

治療開始後1週間目、前足の病変は改善していたのですが鼻筋の病変部が広がっていました。最初の画像がその時のものです。少し心配だったのですが、前足が改善していることもあり内服のみ継続することとしました。

下はそれからさらに2週間後の画像です。鼻筋の病変もきれいに改善しました。

2022-11-30 09:00:00

皮膚の良性腫瘍

カテゴリ : 皮膚病



ある日「左わき腹にイボのようなものがものがります。1月前に気づきました。」と猫ちゃんが連れてこられました。

触診しますと左肩の後方に1円玉くらいの直径のデキモノが見つかりました。

針を刺し中身を吸って検査センターで調べてもらいますと「角化物貯留病変が疑われる。(角化物が溜まっていますよ。)」との診断でした。





角化とは表皮の一番下にある基底細胞と呼ばれる細胞が順次呼び名・形態を変えながら上に向かって分裂を繰り返し最終的には垢となって表皮から剥がれ落ちていく過程です。

角化物とはその一連の過程で現れる細胞の総称です。

このようなデキモノは一般的に良性の病変であるのですが、中で炎症をおこし悪さをすることもあるので
切除することとなりました。


上の画像は切除手術前に毛を刈った時のものです。

切除したデキモノを検査センターさんで調べてもらうと、どうして角化物が貯留したのかがわかるのですが今回オーナー様がその検査を望まれませんでしたので実施していません。

診断書にもありますように毛包嚢胞、毛包上皮腫、皮膚付属器過誤腫と呼ばれる病変などが考えられますがいずれも良性のものです。

7月6日のブログで紹介しました病変は一見ただの皮膚炎に見えて悪性病変、今回の方が悪そうに見えて
良性病変です。












2022-07-20 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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