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猫の皮膚型肥満細胞腫

カテゴリ : 皮膚病



ある日「お腹にかさぶたががあり治ったりできたりを繰りかえしている」との相談を受けました。

下腹のあたりの毛をかき分けてみますと皮膚の表面が写真のような状態にになっていました。

一瞬、何かの感染症による皮膚炎のように見受けられオーナー様もそのように考えられていたようです。

ただよく見てみますとなんだか病変部が盛り上がっています。また同じ個所で繰り返しいるのもおかしなことですのでオーナー様には細胞診と言う検査をお勧めしました。

細胞診とは注射ポンプについた針を病変部に突き刺しその中身を吸引し検査センターに送り、その正体が何であるかを調べてもらいます。

結果以下のような診断が得られました。



皮膚型肥満細部腫はなお腹の中、特に脾臓で発生したものが皮膚に転移してきていることもありますので
エコーで脾臓を中心にチェックしてみましたが問題ありませんでした。

猫ちゃんの皮膚型肥満細胞腫は単独で発生した場合は手術で取ってあげると大事に至らないことがほとんどです。


2022-07-06 09:00:00

猫の食物アレルギー

カテゴリ : 皮膚病



フードを変更したら背中の毛がゴワゴワになってしまった猫ちゃんの写真です。

実はこの猫ちゃん以前は頭や背中にかさぶたの発生を特徴とする皮膚炎をよくおこし、その都度お薬を
投与し炎症をおさえていました。

アレルギーが疑われましたので検査をおこなったといころ以下の結果が得られました。



少し専門的でなおかつかなりおおざっぱに表現しますが食物を含め異物が体のからだのなかに入ってきますとからだのなかの「IgE」というものと「リンパ球」というものが反応します。(アレルギーはそれらが過剰に反応して体に害をおよぼすような状況になることです。)

ですので血液検査によるアレルギー検査ではIgEの検査とリンパ球の検査を同時に行うことが好ましいです。しかし猫ちゃんではまだリンパ球の検査を実施することができません。ワンちゃんは可能です。

上の結果はIgEについての結果です。陽性ではありませんが七面鳥で要注意、卵白・卵黄・牛肉でわずかながら反応がでています。

これをもって「七面鳥の食物アレルギーです。」と言い切ることは難しいのですが、原料が「七面鳥」や「お肉系」のフードは避けた方が良さそうです。

この場合、「お魚系」、「植物系」、「加水分解タンパク系」の中からフードを選択します。

加水分解タンパクというのは簡単に言いますとお肉やお魚、植物のタンパク質を特殊な製法でアレルギー反応がおこりにくいように細かく細かく分解したものです。

この猫ちゃんには「お魚系かつ加水分解タンパク系」のフードを選択しました。



それからは度々おこしていた皮膚炎は無くなり約3年間お薬を投与することもありませんでしたが、健康診断の血液検査で腎機能が少し低下していることがわかりましたのでフードを以下の腎臓病用のものに変更しました。



下の写真で示すように原材料にIgE検査で要注意であった七面鳥が含まれてはいましたが、加水分解処理をされているので大丈夫であろうと判断しての変更でした。



ところがこの腎臓用のフードに変更して3か月後 一番上の写真のような毛がゴワゴワの状態になってしまいました。

原因としては加水分解タンパクはIgEが過剰な反応をすることはおさえてくれますが、リンパ球の反応は抑えることができません。

おそらくこの猫ちゃんの場合、今のところ猫ちゃんでは実施できないリンパ球反応検査が実施できたとしたら七面鳥で陽性反応が強く出るのではと推察され、リンパ球反応性のアレルギーが生じたものと考えれれました。

腎機能の低下も軽度であったため現在はもとの皮膚ケアフードにもどし、皮膚の状態も少しフケが目立ちますが良好です。














2022-02-23 09:00:00

猫の皮膚病であらわれる症状 ④好酸球性肉芽腫群

カテゴリ : 皮膚病

         -無痛性潰瘍 上唇の辺縁部がえぐれています。特に右側で目立ちます-

猫ちゃんの皮膚病であらわれる症状を大きく4つにわけて考えることがありますと10月6日のブログに

記載しましたが、今回は最後の④好酸球性肉芽腫群とよばれる症状の画像です。

聞きなれない言葉ですよね。

体液中には好酸球という成分があるのですが、それが皮膚の様々な場所に集まってきて悪さをします。

「群」となっているのは症状のあらわれかたに何タイプかあるからです。

画像は「無痛性潰瘍」とよばれるタイプで上唇の辺縁に潰瘍をつくります。何故か触ったりしても痛がっ

たりしません。

他には少し混乱するかもしれませんが「好酸球性肉芽腫」とよばれるタイプや「浸潤性局面」とよばれ

るタイプが存在します。

下は画像の写真の猫ちゃんの病理細胞診診断書です。



2021-10-27 09:00:00

猫の皮膚病であらわれる症状 ③頭頸部掻破痕

カテゴリ : 皮膚病
          -左目の周囲を搔きむしっています-

今回は頭頸部掻破痕という症状の画像です。

カビ、カイセン、耳ダニなどの感染、アレルギー、免疫系の異常などその原因は様々ですが激しいかゆみ

をともなっています。

このような症状の猫ちゃんに遭遇したらまず感染症かどうかを疑います。

それが否定できましたら次にアレルギーあるいは免疫の異常かなと考えますが、治療にはステロイドや

免疫抑制剤と言った強力にかゆみをおさえるお薬が必要になります。





2021-10-20 09:00:00

猫の皮膚病であらわれる症状 ②粟粒性皮膚炎

カテゴリ : 皮膚病

     -赤茶色のかさぶたが数個みられます-

猫ちゃんの皮膚病で体にあらわれる症状、今回は粟粒性皮膚炎の画像を記載します。

すこしややこしいのですが「皮膚炎」となっていますが診断名ではなく、様々な皮膚病で認められる

症状の一つをあらわす言葉です。

この写真の猫ちゃんはノミの寄生が認められましたので診断はノミアレルギーとしました。

炎症部ににじみ出たお汁が固まり赤茶色の「かさぶた」が形成されるのですが、そのかさぶたが穀物の

粟の粒のように見えることから粟粒性皮膚炎と名付けられました。

この画像ではかさぶたが数個しかみられませんが典型的な例では、背中に粟の粒をぱらぱらっと蒔いたよ

うな外観となります。
2021-10-13 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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