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神戸から健診に、多発性嚢胞腎の遺伝子検査

カテゴリ : 腎・泌尿器


先週、神戸から妻の友人が猫を連れて遊びに来てくれました。

 茶白ぶちのどちらかというとエキゾチックロングヘアーっぽいのがペルシャ猫のナツ君、白色のどちらかというとペルシャ猫っぽいのがエキゾチックロングヘアーのハル君で二人ともおとなしい性格のかわいい男の子です。

ハル君はスッタドテイルの話題の時にもしっぽだけ登場してくれていました。

遠いところから車に揺られて到着したばかりで本人たちはきょとんとしていましたが早速健康診断を実施しました。

エコー検査もおこなったのですがワンちゃん猫ちゃんはゴソゴソ動いてしまい検査が難しくなることも多いなか、この子たちは二人ともびっくりするくらいおとなしく検査しやすかったです。

ところで純血種の猫ちゃん達にはそれぞれの種類によって心配になってくる病気がいくつか存在します。

エキゾチックやペルシャ系の猫ちゃんは多発性嚢胞腎と呼ばれる病気も心配になるものの一つです。

この病気は腎臓に嚢胞と呼ばれる水を蓄えた袋がたくさんできてしまう病気です。

この病気にかかりやすいかどうかは血液を検査材料にして遺伝子検査で調べることができます。

ある遺伝子に変異があるとこの病気を発症するリスクが高まることが分かっているのですが、検査はその遺伝子の変異の有無を調べます。

健診がてら一緒に検査してみたのですが幸い二人とも変異無しとの結果でした。

2024-05-22 07:00:00

おしっこづまり

カテゴリ : 腎・泌尿器


当院は早朝にも診察時間を設けています。

ある朝6時過ぎころだったでしょうか「仕事から帰ってきたらぐったりしている。いつも玄関をあけると寄ってくるのに来ない。」とオーナー様が慌てた様子で♂猫ちゃんが連れてこられました。

一見すると呼吸状態がやや悪化しているように思え肺や心臓の病気が疑われましたので酸素室に入れお話を伺うことにしました。

過去に「おしっこづまり」を起こしたことがあるとのことでしたので、猫ちゃんのお腹を触診してみますとおしっこがたまりカチカチになった膀胱が確認できました。

単に排尿前で膀胱におしっこがたまっているだけなら水風船のように弾力のある膀胱がが触診されますが、カチカチの膀胱は何とか尿を出そうとしたが出なかった事を示しています。

おしっこづまりの原因はいくつかあるのですが結晶と呼ばれる石のもとになる成分が尿道を塞いでしまっているのではとまず考えます。


※尿路閉塞をおこした別の猫ちゃんから回収した尿です。底の方に見える砂粒のようなものが
 結晶です

このような時は尿道にカテーテルを通し塞いでいるものを取り除き同時に膀胱にたまったおしっこを回収しなければなりません。一番上の動画がその様子です。

膀胱粘膜からの出血と思われる血で真っ赤になった尿が回収されました。ただ上の画像のような結晶はほぼ見られませんでした。

尿道を塞いでいたものは炎症をおこした膀胱粘膜から剥がれ落ちた言わばゴミのようなものが集まったものではと考えられました。

この猫ちゃんは2匹で飼われてるのですがトイレは一つで、もう1匹の猫ちゃんより優しい性格とのことでした。

ここからは推測のお話として聞いてください。

多頭飼育でトイレの数が少なくこまめなトイレの清掃が難しい場合別の子がしたおしっこやウンチがトイレに残ってしまっている時間が長いと考えられます。

そのような時にはある猫ちゃんはおしっこを我慢してしまうかもしれません。またおトイレがきれいな時であってもより性格の優しい子はより性格の強い子が近くに居たらそれだけでおしっこを我慢してしまうかもしれません。

おしっこの我慢は膀胱粘膜の負担になり炎症を引き起こします。その炎症から生じたゴミが尿道を塞いでしまいます。

おしっこの我慢はストレスにもなりストレスはさらに膀胱の炎症を悪化させます。

この猫ちゃんもどちらかと言うともう1匹の子の方が強い立場であるそうですのでおしっこを我慢してしまっていたのかもしれません。

オーナー様にはおトイレの数を増やしてみる事を提案いたしました。






2022-12-07 09:00:00

 おしっこづまりを発症した時の腎臓の様子

カテゴリ : 腎・泌尿器


石のもとになる結晶のため尿道がつまりおしっこがでなくなってしまった猫ちゃんの右側の腎臓をエコーで見た時の横断面です。

腎臓でつくられたおしっこは腎盂とよばれる場所にあつまりそこから尿管→ぼうこう→尿道という尿路を通過し排泄されます。

尿道がつまってしまいますと尿が行き場をうしなってしまい尿路内の圧が上がり最終的に腎臓に負担がかかります。

上の画像でも尿路内の圧が上がり腎盂が拡張し腎臓に負担がかかっている様子がうかがえます。

皆様が普段このような画像を見られることはまずないと思いますのでわかりやすく腎盂と尿管への入り口に色を付けてみます。



次は尿道につまった結晶を排除しおしっこが出るようになったあとの同じ腎臓のエコー画像でです。
腎盂が正常の大きさに回復しています。



わかりやすく色を付けてみます。










2022-05-18 09:00:00

尿中ヘモグロビンチェッカー

カテゴリ : 腎・泌尿器


最近発売されたものですがおしっこに血が混じっていないかを調べることができます。

ヘモグロビンは血液(厳密には赤血球)の中に含まれており、それが検出されたということはおしっこに血が混じっているすなわち血尿があるという証明になります。ちなみにヘモグロビンは肺で取り込まれた酸素を体の隅々に運んでいます。

「血尿があったらさすがに見てわかないですか」と思われるかもしれませんが、症状が軽いうちはいつもと変わらない色に見えます。

このヘモグロビンチェッカーを利用することで、血尿を生じる病気、主に腎臓や膀胱の病気を早期に発見することにつながるのではと思われます。

使用方法はトイレの猫砂の中にこの製品を少量混ぜておきます。血尿を検知すると本製品の色が青く変色します。




このような形でおしっこの異常を検出する製品は今までも発売されており広く利用されています。

それらの製品はヘモグロビンの検出ではなく主におしっこの性質が大きく変化していないか、具体的にはおしっこの性質が酸性側、アルカリ性側のいずれかに大きく傾き過ぎていないかを調べています。

おしっこの性質の変化は膀胱内や尿中に石(結石や結晶とよばれるもの)をできやすくします。特にアルカリ性に傾くとストラバイトと呼ばれる石ができやすくなります。

これらおしっこの性質の変化を調べる製品を利用することで結石や結晶が原因でおこるトラブルを例えば膀胱炎などを早期に発見することが期待できます。

ただ膀胱炎には結石・結晶が原因の膀胱炎の他に、特発性の膀胱炎とよばれるタイプのものをよく見かけます。

特発性という言葉は原因があまりはっきりしないものに対して使用します。

特発性の膀胱炎の場合はストレスが原因の一つではないかと考えられています。ストレスは交感神経という神経をまわりまわって膀胱の粘膜を刺激し膀胱炎を発生させます。

この現象はおしっこの性質がどのような状態でも起こりうるため、特発性の膀胱炎のチェックにはヘモグロビンを検出するタイプの製品のほうが良いのかなと思われました。

※何例も検証を重ねたわけではありませんので、今のところ私がそう思うという程度でとらえて下さい。
一応メーカーにも問い合わせましたが、おしっこの性質の変化だけではとらえきれない特発性の膀胱炎や
膀胱の腫瘍の早期発見に既存の製品に比べて有利なのではないかと考えていますとの事でした。


























2022-03-09 09:00:00

猫の自宅補液

カテゴリ : 腎・泌尿器


腎不全の猫ちゃんは脱水を起こし食欲の低下を招きますので、補液で脱水の改善をおこないます。

脱水が軽度の時期は週1回くらいの補液で間に合うのですが、重度になってきますと週に2回3回と必要となってきす。

補液の回数が増えてきますとお仕事や学校もあり週に何度も通院していただくことが難しくなっくる事が
あります。

そこで自宅での補液を提案させていただくことがあります。

例えば週3回の補液が必要なケースの場合1回は通院していただき体調などを診せていただき、あとの2回は自宅でという感じです。

皆さん最初は戸惑われるのですが決して難しくはありません。

その時の参考になさってください。







2021-09-15 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

  1. 動物園勤務から病院へ
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  1. 週齢はどれくらい?
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