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尿中ヘモグロビンチェッカー

カテゴリ : 腎・泌尿器


最近発売されたものですがおしっこに血が混じっていないかを調べることができます。

ヘモグロビンは血液(厳密には赤血球)の中に含まれており、それが検出されたということはおしっこに血が混じっているすなわち血尿があるという証明になります。ちなみにヘモグロビンは肺で取り込まれた酸素を体の隅々に運んでいます。

「血尿があったらさすがに見てわかないですか」と思われるかもしれませんが、症状が軽いうちはいつもと変わらない色に見えます。

このヘモグロビンチェッカーを利用することで、血尿を生じる病気、主に腎臓や膀胱の病気を早期に発見することにつながるのではと思われます。

使用方法はトイレの猫砂の中にこの製品を少量混ぜておきます。血尿を検知すると本製品の色が青く変色します。




このような形でおしっこの異常を検出する製品は今までも発売されており広く利用されています。

それらの製品はヘモグロビンの検出ではなく主におしっこの性質が大きく変化していないか、具体的にはおしっこの性質が酸性側、アルカリ性側のいずれかに大きく傾き過ぎていないかを調べています。

おしっこの性質の変化は膀胱内や尿中に石(結石や結晶とよばれるもの)をできやすくします。特にアルカリ性に傾くとストラバイトと呼ばれる石ができやすくなります。

これらおしっこの性質の変化を調べる製品を利用することで結石や結晶が原因でおこるトラブルを例えば膀胱炎などを早期に発見することが期待できます。

ただ膀胱炎には結石・結晶が原因の膀胱炎の他に、特発性の膀胱炎とよばれるタイプのものをよく見かけます。

特発性という言葉は原因があまりはっきりしないものに対して使用します。

特発性の膀胱炎の場合はストレスが原因の一つではないかと考えられています。ストレスは交感神経という神経をまわりまわって膀胱の粘膜を刺激し膀胱炎を発生させます。

この現象はおしっこの性質がどのような状態でも起こりうるため、特発性の膀胱炎のチェックにはヘモグロビンを検出するタイプの製品のほうが良いのかなと思われました。

※何例も検証を重ねたわけではありませんので、今のところ私がそう思うという程度でとらえて下さい。
一応メーカーにも問い合わせましたが、おしっこの性質の変化だけではとらえきれない特発性の膀胱炎や
膀胱の腫瘍の早期発見に既存の製品に比べて有利なのではないかと考えていますとの事でした。


























2022-03-09 09:00:00

猫の自宅補液

カテゴリ : 腎・泌尿器


腎不全の猫ちゃんは脱水を起こし食欲の低下を招きますので、補液で脱水の改善をおこないます。

脱水が軽度の時期は週1回くらいの補液で間に合うのですが、重度になってきますと週に2回3回と必要となってきす。

補液の回数が増えてきますとお仕事や学校もあり週に何度も通院していただくことが難しくなっくる事が
あります。

そこで自宅での補液を提案させていただくことがあります。

例えば週3回の補液が必要なケースの場合1回は通院していただき体調などを診せていただき、あとの2回は自宅でという感じです。

皆さん最初は戸惑われるのですが決して難しくはありません。

その時の参考になさってください。







2021-09-15 09:00:00

猫 ストラバイト尿症

カテゴリ : 腎・泌尿器


「排尿に時間がかかる」とのことで来院されたオス猫ちゃんの尿です。

砂粒のようなものが沈んでいますね。

それを顕微鏡で拡大したものが下の写真です。氷砂糖のようにみえるものがストラバイトと呼ばれる結晶です。



この結晶が尿道をふさぎおしっこの流れをさまたげるため排尿時間が長くなります。

猫ちゃんに鎮静麻酔をかけ細い管を尿道に通しおしっこの流れを再開させます。



治療はこの結晶を溶かしたり、結晶がつくられないようにする働きのあるフードを与えます。

2021-08-25 09:00:00

猫の特発性膀胱炎

カテゴリ : 腎・泌尿器


膀胱炎を発症した猫ちゃんは何回もトイレに入ったり、おしっこに血が混じっていたり、排尿時痛そうに鳴いていたりで見ていて可哀そうですよね。

皆さん膀胱炎と聞いて、その原因は何だと思いますか? 「バイキンでも入ったのかな」とかベテランの猫飼いさんだと「尿石があるのかな」と思われることが多いと思います。

※尿石:膀胱炎をおこしている猫ちゃんのおしっこを顕微鏡でのぞくと、結晶とよばれる石のもとになるも  
    のが見えたり、それが集まり固まるとレントゲンで確認できるような結石とばれる大きな石になり
    ます。これらが膀胱を傷つけ炎症をおこします。

意外と知られていないのですが膀胱炎で1番多いのはバイキンが原因の細菌性膀胱炎でもなく、
尿石が原因の膀胱炎でもなく「特発性膀胱炎」とよばれる膀胱炎です。

特発性とは「原因不明」のという意味です。

「原因がわからないと治療はどうするんですか」と思われるかもしれませんが全く何も解明されていないわけではありません。

ストレスを受けやすい猫ちゃんや、ドライフードのみで生活している猫ちゃんに多くみられることがわかっています。

※ご先祖様が乾燥地帯出身の家猫ちゃんはあまり水を飲まなくてもいいように進化してきています。
 ドライフードはウエットフードよりも当然水分含有量が少なく結果、濃いおしっこになります。

ストレス物質やドライフードによる濃いおしっこが膀胱粘膜を刺激するのではと考えられています。

多くの場合治療をしなくても数日から数週間で症状がみられなくなるのですが再発を繰り返します。

その間猫ちゃんはつらい思いをしていますのでやはり対策が必要となってきます。

ストレスの軽減や飲水量の確保が主な対策となってきますが、具体的な方法についてはかかりつけ医さんに相談してください。

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特発性膀胱炎では、食事療法を同時に行うこともあります。

上記写真のフードには、ストレス軽減効果があるとされている加水分解ミルクタンパク」、不安を和らげる

効果があるとされている「L-トリプトファン」という成分が配合されています。

ウエットタイプもあります。



2021-07-28 09:00:00

猫の腎臓病がわかる本

カテゴリ : 腎・泌尿器


腎臓病は50パーセントの猫ちゃんが、15歳以上では80パーセントの猫ちゃんがかかってしまう病気です。

老齢の猫ちゃんを病院に連れて行きますと、「腎臓が弱ってきていますね」と獣医師から言われた経験があるかたが猫飼いさんには多いのではないでしょうか。

出来るだけ分かりやすくお話しをさせていただいているつもりですが、私の力不足や診察時間の制約もありお話が一方的になり頭の中が「?、?、?」となってしまわれる方もいらっしゃることだと思います。

「脱水が、尿毒素の値が、HCT値(血の濃さ)が、カリウムの量が、リンの量が、腎臓の形が、腎臓に石灰沈着が」など普段意識しない言葉がたくさんでてきて「?、?、?」

この本はそんな言葉の意味を分かりやすく簡単に説明してくれています。著者は獣医大学の先生です。

この本は上記の言葉の解説が本題ではなく、「どうしたら猫ちゃんを腎臓病から遠ざけ長くいっしょに楽しくくらしていけるか」を提案してくれています。

著者はウエットフードの利用をすすめています。家猫の祖先は元々乾燥地帯でくらしており、水分確保のため体から水分を出来るだけ逃さないように濃いめのおしっこをします。乾燥地帯なので水をあまりのまなくてもよいように体が進化しています。水分は食べたものから自ら作り出しています。

現在飼われている家猫が食べているのはドライフードが主だと思います、先祖が食べていたようなジューシーな生肉ではありません。水をあまり飲む習性のない猫ちゃんはさらにおしっこが濃くなりがちです。

この濃いおしっこが尿石症や膀胱炎などの原因につながり、最終的に腎臓に負担を与えます。

ウエットフードの利用は水分の確保につながり、腎臓病の予防につながると説明してくれています。

また適度な運動の大切さも教えてくれています。運動により体の代謝が進みその時に体の中では代謝水と
呼ばれる水が作られます。これも水分の確保につながります。また単純に運動はのどが渇き、飲水を促します。

この他にもいくつかの知恵を示してくれています。

腎臓病になってしまった猫ちゃんの飼い主様だけではなく、若い猫ちゃんの飼い主様の参考にもなるのではないでしょうか。

※個々の獣医師の見解の違いもあります。実際にその猫ちゃんを目にしているかかりつけ医の指示に従ってください。


2021-03-10 09:00:00

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