みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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ミヌエットさんの真菌症

カテゴリ : 皮膚病

(右耳)

ある日ワクチン接種に連れてこられた生後3か月の猫ちゃんがいました。

見てみますと耳の毛の脱毛が目立ち(特に右耳で)真菌症が疑われましたのでウッド灯検査と呼ばれる検査を実施しました。

これはある青いライトを当てると真菌(カビのこと)に感染した毛が青白く光ることを利用した検査です。

耳の周辺のまだ毛が残っている箇所が青白く光っていましたので真菌症と診断しました。




真菌症は幼い時期、老齢になってからなど免疫力が弱いあるいは衰えてきた時に発症することが多いです。

耳、鼻、口周り、手足、しっぽなどの先端によく見られます。

900gと体重がまだ少なかったことから抗真菌剤内服薬(通常は第一選択の治療方法になると思います)の使用が少しためらわれましたので先ずは消毒と外用薬で反応を見ることにしました。

3週間目ウッド灯検査は陰性で耳の周囲は光らなくなったのですが発毛状態がもう一つでした。※画像を残し忘れました。

そこで体重も増えてきていたたこともあり抗真菌剤の内服へ治療を切り替えました。

内服開始およそ3週間後充分な発毛を認めましたので治療を終了しました。




それからさらに2か月後
2024-12-04 06:00:00

スタッドテイル

カテゴリ : 皮膚病



ある日神戸に住む妻の友人から「猫のしっぽがベタベタする。スタッドテイル?」との相談を受けました。

猫ちゃんのしっぽの付け根付近背側には皮脂腺が集中しており分泌物がでているのですが、これをいろいろなものに擦り付けて自分の縄張りを主張します。

この分泌物が固まりしっぽの背面が凸凹になります。

その様子がしっぽ(tail)にたくさんの鋲(stud)を打ち込んだように見えることからスッタドテイルと呼ばれるようになったのだと考えています。

去勢していないオス猫に多く見られます。

ひどい時には去勢をしたり毛を飼って洗浄液で拭いたりして対応します。

相談の猫ちゃんは少し前に去勢をされていましたので「あとは毛を刈って洗浄してみたら」とアドバイスをしました。

実はこの方はワンちゃん専門のトリマーさんなので自身で刈ってもらったのですが、皆さんはケガをさせてしまうといけないので無理をせずに動物病院か美容室で刈ってもらってくださいね。



↑毛を刈ったあとです。

↓しばらくして再び毛が伸び始め綺麗になったところです。

2024-05-01 07:00:00

モスキートバイト(蚊刺咬性過敏症):保護猫ボーイくん

カテゴリ : 皮膚病


ハルちゃんとクロちゃんを保護した妻の友人から7月の初めころ妻あてにこんな連絡がありました。

「5月頃からいつもの公園で見かけるようになったボーイくんなんやけど耳と鼻の皮膚がボロボロで疥癬かなぁ」

「耳と鼻って言うんやったらそうかもね」と答えておきました。

疥癬は耳や頭部・顔面の皮膚に感染しそこでトンネルをつくり激しい痒みをもたらすとともに顔面の皮膚をデコボコにしてしまいます。見た目の様子は検索してみてください。

それからしばらくして何とかその様子が撮影できたとのことで送られてきた画像(失くしてしまいました)を見ますと「あれ疥癬ぽくないなぁ、ひょっとしたら蚊にさされてるんじゃないかなぁ」となりました。

上の動画は8月の末に妻がその公園までボーイくんを見に行った時のものです。

顔面の皮膚は綺麗な状態なのですが耳の後ろの毛がズル剝けで鼻の頭が所々毛が抜けています。

これはモースキートバイトの特徴で蚊が他の箇所と比べて毛の短い耳の後ろや鼻の頭を狙って吸血してくる結果です。ちなみに「お肛門まわりも赤くなっていました。」。黒猫が狙われやすいとも言われています。

妻の話では「もう軽く百匹ぐらいは蚊が寄ってきてた」とのことでした。

動画のキャプチャー画像です。




「あーこれはお薬をつけたり飲ませたりでどうこうできるものじゃないなぁ。室内で飼ってあげて蚊に刺されないようにしてあげる必要が・・・」となりました。

それからボーイくんの事は少し忘れていたのですが先週「貰い手が見つかりそう」とのことで当院に健康診断と去勢手術のために連れてこられました。

既に10月になり蚊による吸血が少し減ったのが良かったのか皮膚の症状が少し落ち着いていました。その時の画像ですがまだ脱毛部が見られます。



それから当院でお預かりし10日目の画像です。蚊に刺されなくなってすっかり良くなりました。





2023-10-25 09:00:00

猫のアトピー

カテゴリ : 皮膚病



画像の猫ちゃんですが耳の内側が所々赤くなっています。

2年ほど前から診察させていただいていおりアレルギー性の皮膚炎と考えています。

当院へはお引越しのタイミングで初めて連れて来られました。

もとのかかりつけ医の先生のところで「細菌の感染を除外するために抗生剤のお薬で反応を見てみましょう。反応が悪かったら何らかのアレルギーも考えられます。」とのことで持続性の抗生剤の注射がなされていました。

当院へは注射後2週間目の来院だったのですが、症状が続いておりアレルギーの関与が考えられました。

猫ちゃんでアレルギー性の皮膚炎を疑った時には「原因はノミかな、食べ物かな、あるいはそれ以外の環境の要因(花粉など)かな」と大まかに3つにわけて考えていきます。

原因の追究は大切なのですが先ずは症状をおさえてあげなければいけませんので、アレルギーを強く抑える効果のあるステロイドというお薬を使用したところ直ぐに症状はなくなりました。

オーナー様のお話では「外出はせずフィラリア予防もおこなっている(同時にノミ予防も行えます)」とのことでノミが原因ではなさそうでした。

その後も再発を繰り返しましたので食べ物のアレルギーはないかを確かめるために除去食試験と呼ばれる試験を実施してみました。

理論上アレルギー反応を起こさないように開発されたフードのみを与えて症状が再発しないかを見る試験なのですが症状の再発をみました。



原因はノミでも食べ物でもなさそうなので「猫のアトピー」と診断しました。

「猫のアトピー」という言葉ですがアレルギー性の皮膚疾患でその原因がノミでも食べ物でもない時に使用しています。非ノミ非食物アレルギー性皮膚炎と呼ぶこともあります。

「それではどのような環境の要因が関与しているの?」となった時に血液を採取してIgE検査をと呼ばれる検査を実施すればわかることもあるのですが、100%原因が突き止められるわけではない事、費用がやや高額である事から実施を見送りました。

その後も症状の再発の度にステロイドの投与をおこなっていたのですがこの猫ちゃんの年齢を考えるとあと10年近くは寿命がありそうですので、長期間投与による弊害が心配となってきました。

ステロイドは免疫力を下げたり、糖尿病、心筋症など様々な病気を引き起こしたりする可能性があります。

そこでワンちゃんでは何年も前から使用されているオクラシチニブ(商品名アポキル)を今回使用してみました。



長期投与による弊害が全くないとは言えませんがステロイドに比べ少ないといわれています。

猫ちゃんは認可外となりますのでオーナー様の了解を得ての使用になります。

1週間使用したところ症状はなくなりました。





















2023-09-13 09:00:00

低温やけど

カテゴリ : 皮膚病


 3月が近づいてきましたがまだまだ寒い日が続きますね。

猫ちゃんの寒さ対策は皆さんどうされていますか、うちの猫は毛布を掛けた段ボール箱や紙袋を用意してあげるとその中に入って寝ています。

それでもあまりにも寒い日は少しの間ガスストーブをつけてあげるのですが、点火時の「ボボボボー」という音を聞きつけて直ぐにストーブの前に寄ってくる姿がかわいいです。

先日、前胸部の毛がぬけ一部皮膚が赤くなっている猫ちゃんが連れてこられました。

赤い部分は軽い水ぶくれをおこしています。

アレルギー性の皮膚炎のようにも思えましたが、オーナー様のお話からペットヒーターが原因の低温やけどではと考えました。

猫ちゃんは平熱が人間より高いことや体毛の存在により熱に対して少し鈍感になっています。

人間なら少し熱いなとなって退避するような状況でも猫ちゃんは長時間居座ってしまい低温やけどをおこしてしまうことがあります。



ホットカーペットなどの上で長時間「香箱座り」や「ごめん寝」をしている猫ちゃんがいたら少し気を付けてあげてくださいね。




2023-02-15 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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