みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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 クロちゃん

カテゴリ : その他

クロちゃんは以前にも2回ブログに登場してくれました。

腎臓リンパ腫のため約1年間にもわたる抗がん剤療法が必要だったのですが、頑張ってくれた甲斐がありリンパ腫は良くなりました。

現在は治療終了後半年ほど経ちます。もとから軽度の腎機能の低下があったため、抗がん剤投与中から腎臓への負担軽減目的で療法食を処方していました。

腎機能の低下が軽度であったため療法食が必須であったというわけではありませんが、オーナー様ができることはしておきたいというお考えの方であった事とクロちゃん自身も療法食を受け入れてくれたので処方していました。



ただ一定期間が過ぎると飽きが来てしまうので3種類の療法食をローテーションを組んで与えてもらったりしていました。

抗がん剤投与終了後は療法食に加え、腎機能の低下を抑制する作用のあるお薬や腎機能の低下によっておこる貧血やカリウムの減少をお補うお薬、高血圧のお薬も飲んでもらっていました。

ただ最近オーナー様から「段々食べなくなってきた。全く食べない日もある。」とのお話がありました。

リンパ腫の再発を疑いエコー検査をしましたが問題はありませんでした。血液検査でも腎機能の低下が進んでいるようには見えませんでした。ただ体重の減少が認められました。

どうしたものかなぁと頭を悩ませていますと「私たちの食べているものには興味を示しているようだ」とのお話がありました。

クロちゃんの年齢から残りの寿命を考えた場合、「そんなに長期間はないだろう、その期間嫌いなフードをいやいや食べて過ごすよりも腎臓には良くないかもしれないけれど美味しいものを食べた方が幸せなんじゃないかな、何よりも食べなくて痩せてしまっては本末転倒になってしまう」と考え賛否あるかと思いますが多少味が濃ゆくても好きなものを食べさせてくださいとお伝えました。

フード内容を変更してから数日後「食べてくれるようになった」との連絡がありました。











2022-12-14 09:00:00

おしっこづまり

カテゴリ : 腎・泌尿器


当院は早朝にも診察時間を設けています。

ある朝6時過ぎころだったでしょうか「仕事から帰ってきたらぐったりしている。いつも玄関をあけると寄ってくるのに来ない。」とオーナー様が慌てた様子で♂猫ちゃんが連れてこられました。

一見すると呼吸状態がやや悪化しているように思え肺や心臓の病気が疑われましたので酸素室に入れお話を伺うことにしました。

過去に「おしっこづまり」を起こしたことがあるとのことでしたので、猫ちゃんのお腹を触診してみますとおしっこがたまりカチカチになった膀胱が確認できました。

単に排尿前で膀胱におしっこがたまっているだけなら水風船のように弾力のある膀胱がが触診されますが、カチカチの膀胱は何とか尿を出そうとしたが出なかった事を示しています。

おしっこづまりの原因はいくつかあるのですが結晶と呼ばれる石のもとになる成分が尿道を塞いでしまっているのではとまず考えます。


※尿路閉塞をおこした別の猫ちゃんから回収した尿です。底の方に見える砂粒のようなものが
 結晶です

このような時は尿道にカテーテルを通し塞いでいるものを取り除き同時に膀胱にたまったおしっこを回収しなければなりません。一番上の動画がその様子です。

膀胱粘膜からの出血と思われる血で真っ赤になった尿が回収されました。ただ上の画像のような結晶はほぼ見られませんでした。

尿道を塞いでいたものは炎症をおこした膀胱粘膜から剥がれ落ちた言わばゴミのようなものが集まったものではと考えられました。

この猫ちゃんは2匹で飼われてるのですがトイレは一つで、もう1匹の猫ちゃんより優しい性格とのことでした。

ここからは推測のお話として聞いてください。

多頭飼育でトイレの数が少なくこまめなトイレの清掃が難しい場合別の子がしたおしっこやウンチがトイレに残ってしまっている時間が長いと考えられます。

そのような時にはある猫ちゃんはおしっこを我慢してしまうかもしれません。またおトイレがきれいな時であってもより性格の優しい子はより性格の強い子が近くに居たらそれだけでおしっこを我慢してしまうかもしれません。

おしっこの我慢は膀胱粘膜の負担になり炎症を引き起こします。その炎症から生じたゴミが尿道を塞いでしまいます。

おしっこの我慢はストレスにもなりストレスはさらに膀胱の炎症を悪化させます。

この猫ちゃんもどちらかと言うともう1匹の子の方が強い立場であるそうですのでおしっこを我慢してしまっていたのかもしれません。

オーナー様にはおトイレの数を増やしてみる事を提案いたしました。






2022-12-07 09:00:00

猫 真菌症

カテゴリ : 皮膚病


ある日「前足と鼻に傷を負っています、1週間前に気づきました。」と生後4か月の子猫のオーナー様から相談を受けました。

診察台の上で見てみますと鼻筋と左右前足の指にそれぞれ毛が抜け少し赤みを帯びている箇所がありました。

獣医師はまだ抵抗力の弱い子猫さんの鼻や手足、耳、しっぽの「先端部分」に毛の抜けている箇所を見つけたら先ず最初に真菌症を疑います。

真菌症はアレルギーと並んで猫ちゃんの「2大皮膚病」で少し乱暴な表現ですが猫ちゃんに皮膚病を見つけたらどちらかの病気から考えていくことが多いです。もちろんカイセンなどの寄生虫感染症や肥満細胞腫などの皮膚腫瘍の可能性もありますので決めつけはよくありませんが・・・

真菌症が疑われたらウッド灯検査と呼ばれる検査をします。ブルーライトを患部に当てると真菌に感染している箇所が青白く光って見えます。

少し分かりにくいですが鼻筋、左右前足の一部の爪めの付け根に青白く光る箇所があります。










オーナー様には真菌症の疑いがあることをお伝えし、抗真菌剤の内服と抗真菌剤がしみ込んでいるシートで患部を拭いていただくようお願いしました。

治療開始後1週間目、前足の病変は改善していたのですが鼻筋の病変部が広がっていました。最初の画像がその時のものです。少し心配だったのですが、前足が改善していることもあり内服のみ継続することとしました。

下はそれからさらに2週間後の画像です。鼻筋の病変もきれいに改善しました。

2022-11-30 09:00:00

角膜黒色壊死症

カテゴリ : 眼


十二指腸・回腸のリンパ腫で治療中の猫ちゃんのオーナー様から「右目を掻いてまぶたが開かなくなっている。目やにもでている。」との相談を受けました。

まぶたを開いてみますと角膜と呼ばれる目の表面の透明な部分の中央部が黒く変色し凸凹になっていました。

また画像では分かりにくいですが下まぶた辺縁の目じりの部分が内反している様子も確認されました。

目に痛みがあると目はウインクした状態となります。その状態が続くとまぶたそのものにも緊張状態が続きまぶたが痙攣をおこし内反状態となることがあります。

この猫ちゃんはリンパ腫の治療のためクロムブシルという抗がん剤とステロイドのお薬を内服していました。

いずれのお薬も抵抗力を低下させてしまう事がありますので、「ヘルペスウイルスが悪さをはじめたのかな。それにより角膜黒色壊死症がおこり、その痛みのためにまぶたが内反してしまったのかな。」と考えました。

ヘルペスウイルスが原因の猫カゼを患ったことのある猫ちゃんは、ウイルスがいつまでも目の周囲の神経に残り時々悪さを受ける事があります。

治療としてヘルペスウイルスを退治する目薬、目やにはバイキンの関与を疑わせますので抗生剤の目薬、
角膜を保護するための目薬の点眼で2週間経過を観察することとしました。

目やにはおさまりましたが、まぶたの内反に改善はあまり認められませんでしたので眼科専門医を受診して頂きました。

診断は簡単に説明しますと「黒色壊死症の痛みが先にありまぶたの内反がおこたのか、まぶたの内反が先にありその物理的な刺激から黒色壊死症がおこったのかは分かりませんが、まずはまぶたの内反を手術で是正し角膜への物理的な刺激を取り除きましょう」との事でした。

壊死部分についてですが壊死部分を手術で切除し角膜が修復するまででコンタクトレンズで保護する方法もあるそうですが、今回は自然に壊死部分が脱落し修復していくのを待つ方法を選択しましょうとの事でした。

抗生剤の目薬、角膜の保護のための目薬、ヘルペスウイルスの関与も否定できないためその目薬もあわせて引き続き点眼していくこととなりました。

術後2週間目の画像です。





分かりやすくオレンジのラインで壊死部分と手術範囲を示します。





手術部位を拡大してみます。



まつげみたいに見えているのが縫合糸です。

内反が奇麗に改善しています。抜糸を行い目薬の点眼で経過を見守っていきます。

















2022-11-23 09:01:00

ゲージ恐怖症

カテゴリ : 問題行動


「あらぁ帰りは直ぐに入っていくわぁ、入れる時は苦労したのに」という言葉を診察終えたを猫ちゃんのオーナー様から聞くことがあります。

目の前で扉やフタを開けてあげると猫ちゃんが自らゲージやバッグに入っていく姿を見られての言葉です。

猫ちゃんにしてみれば一刻でもはやくより安全な場所に身を隠したいのでしょうね。

このような猫ちゃんはまだそれがが自身が連れてこられたゲージやバッグであるという事や診察台の上よりは安全な場所だとパニックを起こさず冷静に判断しているので、そのような性格の子であればお家でゲージやバッグに入れる時の苦労はまだ許容範囲であるのかなぁとオーナー様には怒られるかもしれませんが推測しています。

ただ扉やフタを開けようものならそこから一瞬で飛び出ししまう性格の猫ちゃんもいます。これはその中を安全な場所だとは考えておらずより安全な場所を探しての行動だと思われます。

このような猫ちゃんの場合、ゲージーやバッグに入れる時のオーナー様の苦労は並大抵の事ではなく、猫ちゃん自身も大変な恐怖やストレスを感じている事と思われます。(中には双方怪我をしてしまうことも)

そして病院に連れて来られるわけですからゲージやバッグに対する嫌悪感は増大していく一方です。

当院ではそのような猫ちゃんのオーナー様に上記画像のガバペンチンというお薬をお渡ししておき
ゲージやバッグに入れる1~2時間前に内服させて頂くという方法をとることがあります。

これは抗てんかん薬の仲間で第一選択の抗てんかん薬の効き目が弱くなってきた時などに補助的に使用しています。

この薬を猫ちゃん1頭につき4分の1錠ほど内服させるとほどよい鎮静効果が数時間得られゲージやバッグへ入れる際の苦労や猫ちゃん自身の恐怖やストレスを軽減してあげることができます。

単回の投与であれば比較的安全なお薬なのですが足が少しふらついたりというような副反応が見らる猫ちゃんがいたり、逆にあまり効果がないといわれてしまう事もあります。

ご興味のある方は一度ご相談ください。

※移動用のゲージやバッグは普段から身近な場所に置いておき時々その中でおやつをあげるなどしてあげて身近なもの、楽しい場所という認識を持たせてあげてください。















2022-11-16 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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