みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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コンタクトレンズ

カテゴリ : 眼

            ※目薬治療開始1週間目

先週の続きです。

歯肉口内炎の治療開始後直ぐに痛みなくスームーズにフードを食べてくれるようになった事はよかったのですが、それからしばらくすると左目が涙であふれてきました。

少量の目ヤニも認め瞼の裏側も真っ赤に腫れていました。

結膜炎を疑い抗生剤の目薬の点眼を開始しました。

治療開始4日目、結膜炎であればそろそろ回復の兆しがみえてほしい時期ですが逆に目をつぶるようになってきました。

目をつぶるのは目の痛みを訴えています。

検査をすると目の表面の角膜という場所に傷ができていました。

このことからヘルペスウイルスの悪さが考えられました。

ヘルペスウィルスは猫ちゃんに風邪をひきおこすウイルスですが、一度このウイルスに感染すると生涯にわたってウイルスを保有します。

普段は目の近辺の神経に隠れていて、猫ちゃんがいろんなストレスを受けたときに目の表面に出てきて角膜を傷つけるなどの悪さをします。ストレスは体の抵抗力を下げます。

今回クロちゃんは保護されて慣れない環境に置かれたことがストレスになったのと、口内炎治療のためのステロイドの痛み止めもよくなかったのかもしれません。ステロイドは体の抵抗力を下げるからです。

この時点で感染が証明されたわけではありませんが、ヘルペスウイルス用の目薬を追加しました。

あわせて角膜に傷ができたときに使用する目薬も追加しました。

上の画像は目薬開始1週間目のものです。まだまだすっきりしません。目をつぶりぎみです。

再チェックしてみますとまだ傷があります。傷のある場所が緑色に染まる検査です。



そこで目の痛みの緩和と傷口の保護を目的にコンタクトレンズを使用しました。




青いドット模様が見えますよね、コンタクトレンズの表面に付けられている印です。

装着後は完全ではありませんが目のつぶり方がかなり解消されました、目の痛みがやわらいだようです。

1週間装着し外しました。外したコンタクトレンズです。



傷口はなおり目のつぶりも解消されていました。



コンタクトレンズ挿入の時にヘルパスウイルスの検査も行っていたのですが陽性の結果でした。







2023-08-23 09:00:00

猫の歯肉口内炎

カテゴリ : その他


7月5日のブログで紹介しました保護猫クロちゃん(妻の友人が保護しました)ですが、先日退院していきました。

健康チェックのため病院でお預かりし当初は経過観察を1週間くらいおこない帰す予定でした。

たた色々ありその期間が1か月半近くになってしまいました。

一つは食欲は示すのですがなんとなく食べ方がおかしく、途中で食べるのを休憩する事でした。

それで口を開けてなかを覗いて見たときの画像が上のものです。

本来薄いピンク色の「のど」の入り口が真っ赤に炎症をおこしています。

歯肉も炎症を起こしていました。



食べる時にフードが炎症部にあたり痛いので食べ方がゆっくりになっていたのでしょう。

歯肉口内炎と診断しました。

治療としてはさまざまな方法があり大きく分けて内科療法と外科療法にわかれます。

内科療法は抗炎症薬や抗生剤、インターフェロンというお薬で炎症を抑えていきます。

外科療法は炎症の刺激となってしまう歯を一部あるいは全部抜いてしまうという方法です。

抜歯の理由は歯はバイキンや汚れが付着し炎症刺激の温床となってしまうからです。

ただいきなり歯を抜くということはなかなかできず、まずは歯のおそうじ(歯石・歯垢除去)をしたり内科療法からということが多いです。

今回もステロイドと抗生剤、インターフェンαというお薬の投与から治療を開始しました。

治療開始直後から休憩することなくスムーズに食べるようになりました。

猫の歯肉口内炎にはエイズウィルス、白血病ウイルス、カリシウイルス、ヘルペスウイルスといったウイルスの関与が指摘されておりその中でもカリシウイルスが原因となっていることが多いようです。

これらのウイルス感染があると抵抗力を下げる作用のあるステロイドの投与は慎重にしなければなりませんがエイズウィルス、白血病ウイルス、カリシウイルスは検査を行ったのですが陰性でした。

下はカリシウイルスの検査結果です。結果は陰性でした。




内科療法で痛みを感じず食べだしてくれたことは良いことなのですが、ステロイドの使用はさまざまな弊害(クロちゃんにも現れました)もあることから現在は早期の段階からの外科療法の選択も視野に入れた方が良いようです。

妻の友人にも自宅に連れて帰りクロちゃんが新しい環境になれてきた頃を見計らって、歯科専門医を受診し外科適応かどうか判断を仰ぎましょうと伝えています。

クロちゃんに現れた弊害については次回お話します。





2023-08-16 09:00:00

ノミ貧血

カテゴリ : 保護猫応援活動


先月末、1匹の黒猫さんが保護されてきました。

1か月齢くらいの子で見るからに弱っており、血液検査を実施したところ著しい貧血が見つかりました。



ピンクの矢印で示したHCT(ヘマトクリット)という項目に注目してください。これは簡単に言いますと血液の濃さを表しています。

通常は30~50の間くらいになる数字が6.9と極端に下がっており重度の貧血をおこしていることを示しています。

貧血の原因として多数の寄生ノミによる吸血が考えられました。

そこでフロントラインスプレーというノミ駆除スプレーを散布しました。

下はその直後の画像です。



白いタオルの上になにかパラパラ落ちていますよね、駆除されたノミですがこれはほんの一部です。

多数のノミに血を吸われ続けたら子猫では命取りになりかねません。

幸いこの子は診察台の上でもしっかりとフードを食べてくれたので回復の希望が持てました。

鉄・ビタミン剤(血の材料で造血をうながします)のサプリをお渡しし経過観察としました。

それからおよそ2週間後再来院されました。

しっかりと食べてくれていたようで初診時とは違い動きも力強いものでした。



HCTも29.1とほぼ基準値まで回復していました。




2023-08-09 06:00:00

猫ちゃんもフィラリア予防を

カテゴリ : 感染症・予防


お住まいの地域によって若干の違いはありますが茨木市では4~11月はフィラリア症予防のシーズンとなります。

ワンちゃんの飼い主様なら誰でもご存じですが、年々認識されている方が増えてきているとは言え猫ちゃんの飼い主様にはまだまだ知られていない病気です。

フィラリアは蚊が運んでくる寄生虫です。蚊がワンちゃん、猫ちゃんの血を吸った時にこっそりとフィラリアの幼虫をうつしていきます。

その幼虫が心臓や肺で細長いそうめんのような虫に成長していき様々な悪さをします。

猫ちゃんの体内はフィラリアにとっては居心地が悪いので親虫まで成長する確率がワンちゃんと比較して低く5~15%くらいと報告されています。

このことはフィラリア症の認識が猫ちゃんの飼い主様にはあまり行きわたっていない理由の一つと考えられます。

我々獣医師側の啓もう活動がそもそも足りていないこともありますが・・・当院ではポスター掲示をしそれに興味を示された飼い主様に詳しくお話させていただいておりました。



猫ちゃんでは主に咳や呼吸困難、急性肺障害による突然死の原因になっていると考えられています。

ワンちゃんでは診断方法が確立されているのですが、猫ちゃんではその診断が困難と言われています。

猫ちゃんがフィラリア症で苦しんでいるのに気づいてあげられないことも考えられます。

また仮に診断できたとしても決定的な治療法がありません。

ただ予防方法は確率されています。

月に1回液体のお薬を背中に垂らすのですがそれほど難しくはありません。

この機会にぜひフィラリア症の予防を考えてあげてください。









2023-07-26 09:00:00

老猫の爪

カテゴリ : 運動器:関節や骨


これは20歳の猫ちゃんの切った爪です。

若い猫ちゃんのように尖った鋭い爪ではなくて、分厚く太くなっていますよね。

通常、猫ちゃんは爪とぎをすることで古くなった爪を剥ぎ落とし鋭い爪を維持し狩りや万一の争いに備えています。

ただ老齢の猫ちゃんはさまざまな理由があるのですが段々と爪とぎをしなくなってきます。

それで古くなった爪が剥がれずにどんどん分厚くなっていきます。

そこでこの分厚くなった爪を表層の古い部分から順番に剥いでいってみました。








そうすると中から鋭い爪が現れました。




2023-07-19 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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