飼い主様のペット達への健康意識の高まりにより歯磨きのご相談を受ける機会が増えてきました。
以前は歯のご相談というと「お口が臭うので」とか「歯が痛いのかフードがたべづらそうで」とか歯石がびっしり付着し歯がグラグラというようなかなり状況が酷くなってから受けることがほとんどでした。
ただ最近は歯石や歯周病は色々な病気の引き金になることがオーナー様にも周知されてきたのか、子犬や子猫を飼い始めたばかりのオーナー様やまだそんなに歯の汚れが目立たないワンちゃん・猫ちゃんのオーナー様からも歯磨きについてご相談を受けることが増えてきました。
少しでも参考になればと思い私の相棒ジャックの歯磨き動画を挙げておきますね。
ジャックは比較的歯磨きに協力的なのですがそれでも途中から前足が出てくることがありますので毛布で体を軽くくるんでいます。
全ての歯を歯ブラシでまんべんなく磨ければ理想的なのですが、なかなか集中力がもちません。それで集中力が切れる前に毎回上の奥歯だけは最低限磨けるように努めています。上の奥歯が一番汚れやすく歯石が付着しやすいからです。
使用する歯ブラシですがジャックには下の画像の真ん中のタイプの製品があっていました。
ブラシの部分がかなり小さいのがジャックには良かったみたいです。大きいブラシだとお口の色々な箇所にブラシがあたり気になって嫌がるようでした。
ブラシに味付きの歯磨きペーストを適量つけそれをジャックが味わっている間に表現が悪いですがちゃっちゃと磨くようにしています。
自分の歯を磨くような力加減だと猫ちゃんは嫌がってしまいますので優しい力加減を意識してください。
ジャックは後ろから歯ブラシを行った方が嫌がらなかったです、後ろから味付きペーストのついた歯ブラシを優しくお口の横から入れてそれを味わいだしたら磨き始めます。
下の画像は使用している味付きペーストです。
ジャックは歯磨きに協力的な方ではあると思うのですが、いきなり歯ブラシを使用させてくれたわけではありません。
まずはペーストの味を好きになってもらうように1週間ほど努めました。
具体的には注射ポンプに入れて下の画像のように舐めさせていました。
喜んで舐めるようになったら今度は歯ブラシに付けて舐めさせました。それに慣れたころ歯ブラシでの歯磨きを開始しました。
キバも歯ブラシで磨かせてくれるのですが、前歯は最初どうしても歯ブラシの使用を許してくれませんでしたので歯磨きシートを試してみると大丈夫でした。
シートは1回に1枚そのまま使用するともったいないので4つくらいに切り残りはパックに入れて冷蔵庫で保管しています。
どうです皆さん少しはお役に立てたでしょうか?
ジャックは最初からお口に触れることは嫌がりませんでしたのでいきなり歯磨きペーストを舐めさせる段階に入りましたが、それを嫌がる子の場合はまずはお口に触れられることに慣れさせる必要があるかと思います。
お口に軽く触れて受け入れてくれたらおやつを与えるなどを繰り返すのも一つの方法ではと考えます。
おやつですが歯磨きの後にご褒美として与えるのも良いかと思います、「えっ、磨いたばかりなのにまた汚れてしまうのでは」となりますが歯の汚れが歯石になるまでは3日かかるといわれていますので次に日に歯磨きすれば間に合います。
人間の歯医者さんには怒られそうですが、歯磨きの理由がわからないワンちゃん・猫ちゃんの場合は如何に楽しく継続させてあげられるかが大切になります。
「あれ先生、歯の内側を磨いていないのでは」とのご指摘があるかと思います、そうですジャックはどうしても内側が磨けず良い方法が見つかっていません。
理由の分からないワンちゃん・猫ちゃんの場合どうしても人間と全く同様の医療行為を施す事が難しいケースが様々な場面であります。
毎日の歯磨きが難しく2~3日に1度となる場合もあるでしょう。
それでも完璧ではないにしろ何もしないよりは絶対に良いはずと考ています。
皆さんその子に合った方法を模索しながら一度歯磨きを試してみてくださいね。