以前ブログで糖尿病の話題を特に血糖値センサー(リブレ)についての話題をさせて頂いたあとから、糖尿病についてのセカンドオピニオンを求められる機会が何回かありました。
「他動物病院の獣医師と比べて糖尿病について特に詳しいというわけではありませんが宜しいですか」と最初にお断りの上ご相談をお受けしています。
それで全てのケースでそうだったのですがワンちゃんも猫ちゃんも糖尿病の治療を開始されたばかりの飼い主様からのご相談でした。
基本的にワンちゃん猫ちゃんの糖尿病の治療にはインスリン投与が必要なのですがその量がその子その子により違い投与量の決定に時間がかかることが普通に多いのです。
特に猫ちゃんの糖尿病は人間の2型糖尿病に近いと考えられており、生活習慣が原因で単にインスリンが出にくくなっていたり、効きにくくなっていたりするだけのこともあり、そこに外部から投与するインスリの量を合わせていくことの難しさがあります。
インスリン量の決定に少し時間を要する事が飼い主様に不安を生じさせ「他の病院でも聞いてみよう」となるようです。
ご相談を聞いてみますと「私もそちらの先生の治療方針を尊重します。当院でも治療方針は変わらないと思います」ともとの病院での継続治療をお願いするケースがほとんどでした。
今回の画像の猫ちゃんも糖尿病治療が始まって3週間くらいで最初は飼い主様のみでご相談にこられました。
お話を聞く限りでは多飲多尿といった糖尿病に特徴的な症状も改善してきているようでしたので治療は順調なように感じました。
ただ段々と体重が減少(インスリン量が適切でないと体重が減って来ます)してきていることから「もう少しインスリンの投与量を増やしてあげる必要があるのかな」と感じましたのでそうお伝えしたところこの猫ちゃんの性格から入院が難しいとの事でした。
入院が難しいとはどう言う事を意味するかといいますとインスリン投与量の決定には病院でお預かりしある量のインスリンを投与しその後その量で血糖値が適切にコントロールできているかを数時間毎にチェックしていかなければならないのですがそれが難しくインスリン量がきちんと決められないという事です。
それで「自宅で血糖値をチェックしインスリン投与量を決めたいのでリブレを装着してほしい」とのご依頼でした。
そのような事情がありましたので今回はお引き受けすることにしました。
まずお話の印象から糖尿病の治療は上手くいっているように感じられましたので一度フルクトサミンあるいは糖化アルブミンを調べてみられてはと提案しました。
これらの測定値は過去2~3週間のインスリンの投与量が適切であったかどうかをみる指標になります。
ここに問題なければわざわざリブレを装着する必要も転院していただく必要もありません。
下はフルクトサミン(FRU)の測定結果で532μmol/Lです。
この値が450以上の場合はインスリン量の再考が必要という事です。
フルクトサミンの測定結果からインスリン量の再考が必要な事が示されましたので一番上の画像のように血糖値センサーを装着しリーダー(読み取り器)をお貸しし自宅で血糖値の測定をしていただく事にしました。
↓リーダー
下のように自宅での測定結果をメールで送って頂き、電話やメールでインスリン投与量をアドバイスをさせて頂きました。