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口内炎その後:保護猫クロちゃん

カテゴリ : その他

          来院当初の口内炎の様子

8月16日のブログで報告しました保護猫クロちゃんの口内炎のその後ですが、現在は痛みを訴えるそぶりなくスムーズに食事できているとの事です。

お預かり当初に食事中フードを口にするのを躊躇する様子が観察されましたので、それは口内炎による痛みのためと考えました。

ステロイドという痛み止めを使用することで躊躇することなく食べるようになり、その後はインターベリーと言うお薬を継続して使用していました。

インターベリーには歯肉口内炎の原因となる歯周病菌の数を減らす効果が期待されています。

インターベリーは本来は軽度の歯肉炎に対して使用するもので激しい歯肉炎や画像のような口内炎に対しては適応外となっていますが、歯周病菌を軽減し少しでも口内炎が改善されればと思い使用していました。

※歯肉炎と口内炎との違いの説明は今回省略させていただきます。



粉薬なのですが1箱を10分包し、歯肉炎治療の場合は1回1分包分を歯肉に指で塗り込みます。それを3~4日ごとに10回おこないます。

口内炎部に直接塗り込む事は出来ませんので、



1回分を蒸留水4mlに溶解して



1日1回、左右の口角から3,4滴垂らしてもらっていました

下の画像が現在の様子です。茨木市外に居住されており連れてきていただくのがなかなかできませんので画像の送信をお願いしました。

口内炎は継続してありますが(画像ではわかりにくいのですが)明らかに上の画像に比べて赤みが軽減しているとの事です。

インターベリーが功を奏しているとは断言できませんが使用を継続しています。

弊害も心配なステロイドを使用することも無くスムーズに食べくれていることはうれしいことですが、定期的な口腔内のチェックは必要となります。

口内炎が進行するようなら外科的な対応も考えなければなりません、症状が重症化すれば根治が期待できる外科的な対応を行っても改善が難しくなってくるからです。

定期的に口腔内をチェックして外科処置に踏み切る時期を適切に判断していかなければなりません。

※外科処理:口内炎の悪化要因となる歯を抜くことです。





       現在の口内炎の様子
2023-11-01 09:00:00

モスキートバイト(蚊刺咬性過敏症):保護猫ボーイくん

カテゴリ : 皮膚病


ハルちゃんとクロちゃんを保護した妻の友人から7月の初めころ妻あてにこんな連絡がありました。

「5月頃からいつもの公園で見かけるようになったボーイくんなんやけど耳と鼻の皮膚がボロボロで疥癬かなぁ」

「耳と鼻って言うんやったらそうかもね」と答えておきました。

疥癬は耳や頭部・顔面の皮膚に感染しそこでトンネルをつくり激しい痒みをもたらすとともに顔面の皮膚をデコボコにしてしまいます。見た目の様子は検索してみてください。

それからしばらくして何とかその様子が撮影できたとのことで送られてきた画像(失くしてしまいました)を見ますと「あれ疥癬ぽくないなぁ、ひょっとしたら蚊にさされてるんじゃないかなぁ」となりました。

上の動画は8月の末に妻がその公園までボーイくんを見に行った時のものです。

顔面の皮膚は綺麗な状態なのですが耳の後ろの毛がズル剝けで鼻の頭が所々毛が抜けています。

これはモースキートバイトの特徴で蚊が他の箇所と比べて毛の短い耳の後ろや鼻の頭を狙って吸血してくる結果です。ちなみに「お肛門まわりも赤くなっていました。」。黒猫が狙われやすいとも言われています。

妻の話では「もう軽く百匹ぐらいは蚊が寄ってきてた」とのことでした。

動画のキャプチャー画像です。




「あーこれはお薬をつけたり飲ませたりでどうこうできるものじゃないなぁ。室内で飼ってあげて蚊に刺されないようにしてあげる必要が・・・」となりました。

それからボーイくんの事は少し忘れていたのですが先週「貰い手が見つかりそう」とのことで当院に健康診断と去勢手術のために連れてこられました。

既に10月になり蚊による吸血が少し減ったのが良かったのか皮膚の症状が少し落ち着いていました。その時の画像ですがまだ脱毛部が見られます。



それから当院でお預かりし10日目の画像です。蚊に刺されなくなってすっかり良くなりました。





2023-10-25 09:00:00

チンパンジー

カテゴリ : その他



天王寺動物園のチンパンジーさん無事保護されて良かったですよね、びっくりしましたよね。

まあ本人が一番びっくりだったでしょうね。

お昼の1時半ごろ保護されたみたいなんですが、実はその1時間ほど前、午前の診察が終了したころ一本の電話がありまして看護師さんが応対していました。

それでなんとなく応対を聞いていますと「ええ、それでどのようなご質問ですか」、「チンパンジーが逃走した・・・」

で頭の中で「ん????。チン・・パン・・逃走? そんな名前のワンちゃん猫ちゃんいたかなぁ」と考えていると看護師がやって来まして

「関西テレビさんです。今、天王寺動物園のチンパンジーが逃走しているそうでそれについて聞きたいことがあるそうです。ホームページを見てかけてこられたそうです。」

「うん、なんで、僕に?」と一瞬思いましたが、ホームページの自身のプロフィール欄に大学卒業後のほんの短い間(1年弱)ですが四国の動物園でチンパンジー、オラウータン、ゴリラなどの飼育員を経験させていただいたと記載してあったのを思い出し「あーそれでかぁ」と直ぐに納得しました。

ただ「30年近く前のわずかな期間の経験ですのでお役に立つようなお話はできそうにありません」とお電話を切らせていただきました。

チンパンジーさんの出来事以上にびっくりしました。

でもどんなご質問があったのか聞くだけでも聞いとけばよかったですね。



2023-10-18 09:01:00

糞便スコア

カテゴリ : 消化器



最近診察中に重宝している図表です。

便秘から下痢まで6段階に分けて便の状態を写真で表しています。

「先生、昨日から下痢をしてるんです。」「どんな感じの便ですか?」

答えが「水下痢です」となればオーナー様がご覧になった便と私が頭に思い描いた便はだいたい一致するのですが、「軟便です」となった時には少し注意です。

この場合もだいたいの方は4番か5番の状態のことをおっしゃっていることが多く、オーナー様が伝えたかった状況を私が間違ってとらえてしまうことはないように思います。

ただ時々便が3番くらいの状態で「軟便」と表現されている方もいらっしゃいます、それはその方の感じ方ですので決して間違いではありません。ただ私は4番か5番くらいをイメージしています。

例えば診察で「元気食欲はあるけれど便がやわらかいです。」となった時に便が4番か5番の状態の場合は「下痢用のおなかにやさしい療法食を使用してあげたほうがいいかな」とか「整腸剤をおだししようかな」などと考え対応させていただいていることが多いのですが、3番であれば「いつものフードのままでかまいませんので一日二日給餌量を減らしておなかの負担を軽減しましょうか」などの対応になっているのではと思います。。

この図表を使えば簡単にオーナー様との認識をそろえられより適切な対応が可能となります。

※便の状態に限らず気になる症状を画像や動画に記録して来院してくださいますと非常に診断の助けになります。







2023-10-11 09:00:00

猫の肥大型心筋症

カテゴリ : 循環器


先月画像のスコティッシュさんがワクチン接種のためご来院されました。

当院では室内飼いで多頭飼育ではない猫ちゃんに対しては今年からワクチンの接種を1年ごとから3年ごとに変更させていただいております。

このスコティッシュさんのオーナー様にもその理由をご説明し2年後の接種予定としました。

ところで3年ごとの接種になりますと病院に来院していただく機会が減ってしまいます。

当然病院を利用する機会は少ない方が良いのですが、病気の早期発見という視点にたちますとその機会が損なわれてしまいます。

ワクチン接種時のオーナー様の何気ないお話から病気が診断つながることが結構あるからです。

そこで病気の早期発見につなげるために当院では年齢にかかわらず若い時期からでも年1~2回健康診断でご来院していただく事を推奨しています。

このスコティッシュさんもワクチン接種を取りやめ健康診断を実施することになりました。

お話を聞く限りでは特に困っているようなことはないようで、触診や聴診、血液検査も問題ありませんでした。

ところが心エコー検査でスコティッシュさんに多い肥大型心筋症という状態になっていることがわかりました。

心臓の壁が分厚くなっており将来問題となってくる可能性があります。あくまでも可能性です。







上2枚の画像は主に心臓の壁の分厚さを何か所かで測定しています。例えば上側の画像では心臓の壁の厚さがある場所では6.2㎜、ある場所では7.1㎜となっています。

心臓の壁の厚さが6㎜以上になってくると肥大してきていると考えます。



この上の画像は心臓の左心房と呼ばれる場所の大きさを調べています。

肥大型心筋症の症状が進むとその場所が段々大きくなり様々な問題を起こすようなるのでその状態を見ておくのですが今は問題ないようです。

LA/AOという数字が1.46となっています。この数字が1.6を超えてくると要注意です。



この上の画像は心臓から大動脈へ血液が流れていく場所で血液の速度を測定しています。

カタカナの「エ」みたいなマークがありますよね、その場所で測っています。

この場所の血液の速度が速くなってきたらお薬を開始する一つの指標になるのですが今は問題ないようです。

また高血圧が心筋肥大につながることがあるのですが血圧は正常でした。

このスコテッッシュさんは肥大型心筋症がありますがしばらくは治療の必要がなく経過観察で行きましょうということが言えます。

2023-10-04 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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