※軟便の映像が流れます。苦手な方はご注意ください。
ある日、保護された子猫が7匹やってきました。
黒猫が3匹、黒白(ハチワレやマスク)が4匹。
体重や乳歯の状態から、みんな生後1か月ほどの月齢と思われました。
最初のステップ:性別チェックとウイルス検査
まずは性別判定。これがなかなかてんやわんやで……。
すでにもらい手が決まっていた2匹については、猫エイズや白血病などのウイルス検査を実施。
どちらも陰性でひと安心。
誰かが軟便ぎみ?検査で診えたヒント
その後、「誰かわからないけれど、軟便っぽい子がいる」とのことで検便を行いました。
寄生虫(回虫やコクシジウム)は確認されませんでしたが、「芽胞菌(がほうきん)」と呼ばれる菌がやや多めかな?という印象。
この菌は通常の腸内にもいる常在菌ですが、数が増えすぎると腸内環境が乱れ、軟便や下痢の原因になることがあります。
まずは整腸剤と子猫用療法食で様子見
月齢が若いため、刺激の少ない整腸剤と、子猫の軟便・下痢に対応した療法食で対応することにしました。
その後1週間──
「元気も食欲もあるけれど・・・」届いた動画は激しい下痢
「元気・食欲はありますが、何匹かがこんな感じで…」と動画が送られてきました。
かなり激しい下痢の様子に、「これはまずい」と判断。
そこで“子猫軟便スペシャル薬”(※駆虫薬など3種を組み合わせた独自処方)を1週間分お渡ししました。
薬のあとも軟便?原因は・・・ごはんの与え方だった
内服終了後、「元気も食欲もあるけれど、便がまだやわらかい」という連絡が。
ちょっとおかしいなと思い、改めて食事の詳細を確認。
すると、
- 療法食の食いつきが悪いので、まずチュールを1/3本与えている
- その後、療法食を自由給餌している
とのこと。
「これが原因かも」と思いました。
というのも──
- チュールは美味しいけれど、脂質などでまだ幼い腸に負担がかかることがあります
- 自由給餌だと腸が休まる時間がなく、慢性的な消化不良を起こしやすくなります
与え方を工夫したら・・・「うんちがかりんとう」に!
そこで以下をお願いしました。
- チュールはストップ
- 療法食は1日の必要量をきっちり量って
- それを5回に分けて与える
するとしばらくして、
「うんちが“かんりんとう”みたいな形になりました!」と報告が。
ようやく正常便に戻ってくれました。

まとめ:子猫の療法食、与え方も大事なんです
今回のケースで感じたのは、療法食を「出すだけ」で終わらせないことの大切さ。
特に月齢が若い子猫では、 与える内容だけでなく“量”や“回数”もしっかり伝える必要がある と改めて実感しました。
軟便や下痢が続く場合は、食事内容とあわせて「与え方」もぜひ見直してみてくださいね。

















