
画像は去年ブログでご紹介しました糖尿病が一旦改善しインスリンの投与を中止できた猫ちゃんの顔です。
インスリンの投与を中止する少し前の出来事になるのですが「3日前から下あごが腫れてきた。」との事で連れてこられました。
見た瞬間「(少し説明口調にになりますが)あれ猫アトピー性皮膚症候群(FASS)の代表的な4つの皮膚症状の一つ好酸球性肉芽腫群じゃないかなぁ」と感じました。
そこで下あごの張れた部分に針を刺しその細胞を採取し検査にだすとともに治療としては抗アレルギー薬(FASSはアレルギー疾患なので)を処方しました。
結果は好酸球性炎症でこれは好酸球性肉芽腫群で観察されます。

検査結果からよりFASSの疑いが深まりましたので抗アレルギー薬の内服を継続することとなりました。
投薬開始およそ3週間後症状は改善するどころか悪化していました。
下あごの張れた箇所の範囲が広がり

痒みによるひっかき傷やかさぶたも見られました。

頭部~首にかけての痒みもFASSの特徴なので「診断は間違ってないよなぁ」と思いつつオーナー様が「錠剤の内服が上手くできない」とおっしゃったのでそれが原因かなぁと考え錠剤の内服を中止し液体のお薬に変更してみることにしました。
都合により実際に液体の内服薬をお渡しできたのはそれからおよそ2週間後でした。
その時にはあらたな病変部が発生しました。無痛性潰瘍と言って上唇の内側がただれるのです、なぜか痛みは伴いません。

分かりやすくピンクで塗ってみます。

この症状もFASSの時によく見られますのでオーナー様には「内服がうまくできていなかったのでFASSの改善がとぼしいのかもしれません。内服をがんばりましょう」とお話し治療を継続しました。
それから2週間弱さらにあらたな病変部が・・・太ももの後ろ側や下腹に外傷性脱毛がみられました。


この頃になると液体の内服薬を混ぜるとフードを一切食べなくなるとの事で体重が300gほど落ちていました。
ここに至っては治療方針を改めなければなりません。
次週に続きます。