
ある日、健康診断で来院した猫ちゃんがいました。
特に症状はありません。
元気もあり、食欲も問題なし。
飼い主さんも
「とくに気になることはないです」
とのことでした。
健診の一環として、腹部のレントゲン検査を行いました。
すると、少し気になる所見がありました。
レントゲンには、
上行結腸から下行結腸、そして直腸まで、
びっしりと便が詰まっている様子が写っていました。
「便はどれくらいのペースで出ていますか?」
そうお聞きすると、
「2日に1回くらいですかね」
というお返事でした。
猫の排便は、
1日1回が目安とされることが多いですが、
2日に1回でも体質として問題ない子もいます。
この時点で、必ずしも治療が必要な状態ではありません。
ただ、将来的に巨大結腸症へ移行してしまう可能性も考えられたため、
今のうちに腸の動きを整えておいた方がよいと判断しました。
それは、
便がやや出にくい状態にある可能性があることです。
便をため込む状態が続くと、
徐々に腸が伸びてしまい、
やがては
「出したくても出せない状態」
になってしまうことがあります。
いわゆる、巨大結腸症です。

そこで今回は、治療というよりも
「少し流れをよくしてみましょう」
という意味で、
可溶性食物繊維を含むフードを
試していただくことにしました。
その後の診察で、
「1日1回、もりもり出るようになりました」
「今までの便は固めだったんですが、それが普通だと思っていました」
とおっしゃっていました。
とても印象的な言葉でした。
猫は「しゃべらない」ので、
飼い主さんも私たちも、
「それが普通」だと思って見過ごしてしまうことがあります。
今回のケースは、
病気ではありませんでした。
でも、完全に正常とも言い切れない状態でした。
ほんの少し整えてあげるだけで、
猫ちゃんにとっては
ずっと楽な状態になることがあります。
「うちの子、2日に1回だから大丈夫」
そう思っている場合でも、
・便が硬くないか
・しっかり量が出ているか
・いきんでいないか
一度、少しだけ気にしてみてください。
もしかするとその子も、
「出にくい状態になっているだけ」かもしれません。

















