
大腸の太さが普通の2~3倍くらいになってしまった猫ちゃんのレントゲン写真です。
この猫ちゃんは子猫の時に何らかの事故で脊椎を損傷していました。そしてその後遺症から排便に問題を生じ常に便秘気味でした。
対策として便秘対応の療法食を利用していただき、最初は少量の硬い便ではありましたが毎日排便しておりました。
それがやがて2日に1回、3日に1回と不規則な排便状態となりました。
あまりにも便秘がひどくなり食欲・元気に問題を生じるような時には浣腸をしたり鎮静剤を注射し指で便をかきだしたりしていました。
上の画像は1週間排便がなかった時のものです。分かりやすくオレンジのラインを入れてみます。
普通大腸の太さはこれの半分~3分の1位です。

大腸がレントゲンのような状態にまでなり尚且つ排便が全くなされないような状況では、便秘用のフードの利用はかえって問題を悪化させてしまいます。
というのは便秘用のフードは可溶性繊維・不可溶性繊維がバランスよく配合されていて、便に水分をひきつけ便を軟化させたり大腸を適度に刺激したりして便秘の解消につながるのですが通常のフードより便量が増えてしまいます。
全く便が出ない猫ちゃんにはかえって負担となってしまいます。
そこでこの猫ちゃんには前々回のブログでお話ししました他のフードと比べてわずかながら便量の少なくなるフードと便の軟化剤を処方しました。
現在2~3日に1回くらいの排便ペース、日によっては連続して二日排便することもあるようです。
現在のレントゲン写真です。

分かりやすくオレンジのラインを入れてみます。大腸の太さが通常くらいとなりました。
今後この状態が維持できるか経過を見守っていきます。
