この猫ちゃんは足の裏の毛が長く肉球が隠れてしまっています。
時々「この長い毛は刈ったほうがよいのですか」というご質問があります。
現在当院ではそのような猫ちゃんを見かけた時でもこちらから積極的に「毛をかりましょうか」とご提案することはあまりないのですが、ご質問がありましたら以下のようにお話しています。
「肉球は滑り止めの働きもしています。そこが毛で隠れていたら、例えば何かに飛び乗ったりした時に滑り止めの効果が得られず思わぬ事故につながるかもしれません。運動能力の低下してきた高齢な猫ちゃんであればなおさら心配になります。また関節に不安のある猫ちゃんも足が滑ることはあまり良くはありません。」
オーナー様から「刈ってほしい」と希望があったり、「この子は刈ってあげたほうが良いかな」とこちらで判断した時には「素人の散髪になりますが」とお断りを入れてから刈らしていただく事があります。
当院は私が刈っていますのでいわゆるトラ刈りです。猫さんOKのトリマーさんにお願いされるほうがいいでしょう・・・。
それで思い出したのですが「スナネコさんやユキヒョウさんは肉球が長い毛で覆われています。」というお話です。
私の手元にある「家のネコ 野生のネコ」という写真集をみますと
足の裏の長い毛は砂漠に住むスナネコさんの場合は砂の熱さから、極寒の高地に住むユキヒョウさんの場合は雪の冷たさから肉球を守っているそうです。
また足の裏の長い毛は砂や雪に足がめり込んでいかないようにする働きもしているそうです。
ツルっとした家具に囲まれフローリングの上で過ごすことの多いイエネコさんには不要の足の裏の長い毛も過酷な自然の中で暮らす猫の仲間にとっては大切な毛なんですね。