みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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耳の汚れ

カテゴリ : お世話


それ程多くはないのですが時々受けるご相談が画像のような耳の猫ちゃんを連れてこられて「黒い耳垢がでています。何か病気ですか。」というものです。

保護されたばかりの猫ちゃんだったり、お外に自由に散歩に行くような猫ちゃんだったりする場合は「黒い耳垢」という言葉があってそこに「ものすごく痒そうです」という言葉が付け加えられていたらまず真っ先に耳ダニを疑わなければなりません。

ただ耳ダニ感染時の耳垢は状況にもよりますが黒くカサカサと乾燥しているのに対し画像の猫ちゃんの耳垢はネットリ薄茶色で猫ちゃん自身も痒みは訴えていません。

もちろん診察をして外耳炎などの異常がないことを確かめた上でのお話になりますが、このような少量の耳垢は生理的なものであることが多いです。

特に純血種でより目立つ傾向にあります。写真の猫ちゃんはラグドールでした。

気になる方はたまに下の画像のようなお耳専用の洗浄液をコットンにしみこませ軽くふいてお手入れしてあげるのがよいと思います。












2023-05-10 09:00:00

猫が30歳まで生きる日  AIMについて

カテゴリ : その他


2年前の少し古いお話になりますがタイガースの試合を観戦に甲子園に行きました。

試合開始までまだまだ時間がありましたので甲子園横のCorowa甲子園内にある書店をぶらぶらしている時に目に飛び込んできたのがこの本でした。

表紙にある 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見 という言葉にひかれたのですが
最初はトンデモ本のひとつかなと思いながらも猫好きとして気になり暇つぶしがてら読んでみるかと購入しました。

結果とても真面目な本で知的興奮をおぼえ、またその時点でAIMの存在を全く認識していなかった自分の無知を恥じました。

AIMとはAppotosis Inhibitor  of  Macrophage(アポトーシス インヒビッター オブ マクロファージ) の頭文字をとった言葉です。

あえて日本語で表すとマクロファージ(単球)の死を抑制する因子となるでしょうか。

単球は血管の中を流れており、体の中に入ってきた細菌などの異物を食べて消化をし健康をたもつ働きをしています。

AIMはこの単球の働きをアシストしています。

単球は細菌などの異物を食べるだけでなく、体の中でできた老廃物すなわちゴミも食べてくれます。

多くの猫ちゃんを苦しませる腎不全はこのゴミが腎臓に詰まることによっても引き起こされます。

AIMは抗体という体を守る武器に普段くっついているのですが、ゴミを探知すると抗体から離れてゴミに付着し単球に「ここにゴミがあるよ」と教えてゴミを食べてもらいます。

ただ猫ちゃんではこのAIMが抗体から離れにくく、結果単球にゴミの存在をしらせることができずゴミがたまりやすいそうです。

これが猫ちゃんが他の動物に比べて腎不全が多い一つの理由のようです。

本の中ではマウスから取り出したAIMを重度の腎不全の猫ちゃんに投与しみるみる回復していく様子が書かれています。

冒頭、AIMの存在を全く知らなかったことを恥じましたとしたのは

その時点で既にいくつか論文が発表され獣医さんのなかでもある程度話題になっていたのに知らなかったこと、

新聞やテレビでも少し話題にになっていたのでしょうかこの本を手に取る数か月前に二人の猫の飼い主様から「腎不全のすごい薬(おそらくAIMのことだったのでしょう)ができるそうですね。発売されたら教えてくださいね」と言われていことからです(飼い主様の方が先に認識していたということになります)。

残念ながらこのAIM製剤ですが実用化にはあともう少し時間がかかるようです。

それで去年マルカンさんから「AIM30」というキャットフードのシリーズが発売されました。



この本の著者 宮崎徹先生(人間のお医者様でお若い時にサイエンスにもAIMとは別の研究ですが論文が掲載されています)も開発に携わっているようです。

ただAIMが直接入っているわけではなくAIMの働きをサポートすると考えられているA-30という成分が入っているそうです。

この本の中でドリアンからAIMの働きをサポートする成分を発見したとありました。

マルカン社のホームページのAIM30の説明ページにはこの発見についての記載がなかったので、お客様窓口で直接聞いてみたところA-30はドリアンから抽出したとの事でした。






2023-05-03 07:31:52

猫ひっかき病と心筋症

カテゴリ : 感染症・予防


猫ひっかき病(バルトネラ感染症)はバルトネラと呼ばれる菌が引き起こす人間の病気です。

この菌をもっている猫ちゃんに人間がひっかかれたり、かまれたりすると熱や倦怠感がでたり傷ができた近くのリンパ節が大きく腫れあがったりします。

この菌は猫ちゃんに対して感染はするのですがほとんど悪さはしませんので我々獣医師が動物病院で「この猫ちゃんはバルトネラ感染症が疑われますね」というような状況はほぼありません。

私自身もオーナー様から「この前ひっかかれて脇のリンパ節が腫れたんです」といったような話を聞き猫ひっかき病をたまに認識するといった感じです。

この菌はノミやマダニが運んでくることが分かっています。

私の手元にある「猫の治療ガイド2020」という本では「日本では7~9%の猫が保有しており、3歳以下の猫での保有率が高い、1~2年は菌を保有している猫もいるが抗体(病原菌を倒す武器)により菌が排除されるので大人の猫での感染報告は少ない。」となっています。

ですので保護したばかりの猫ちゃんにノミが寄生していたらノミを駆除するとともに引っかかれたり・かまれたりしないような注意が必要です。

このバルトネラ菌は猫ちゃんにはあまり悪さしないというのが最近までの認識でしたが、先月参加した猫の心筋症(心臓の筋肉になんらかの障害を生じ心臓病をおこす)に関するセミナーで心内膜炎(心臓の内腔を内張する膜の炎症)が原因の心筋症ではこの菌が悪さしているのではないかとのお話がありました。

猫ひっかき病を人におこした猫ちゃんは将来自身が心筋症になってしまうリスクがそうでない猫ちゃんよりも高いのかもしれません。
2023-04-26 09:00:00

心因性脱毛

カテゴリ : 問題行動


上の画像は避妊手術のため連れて来られたロシアンブルーさんの手術前の写真です。

麻酔導入直後でこれから心電計・血圧計・点滴などをつないでいきます。

その後お腹の毛を刈っていくのですが、よく見ていただきますと既に毛のない箇所があります。

下腹部と両脇になります、お預かり時にオーナー様から既に指摘されていました。

分かりやすいようにオレンジのラインを入れてみます。



心因性脱毛が疑われました。

グルーミングは第一に体を清潔に保つために行われますが、その他にも自分を落ち着かせるため・リラックスさせるためにも行われたりします。

体が舐められる刺激でセロトニンという物質が体内に放出されます。このセロトニンはリラックス効果をもたらします。

そこで何らかのストレスがあった場合グルーミングをして自分を落ち着かせようとします。

そのストレスによってはグルーミングが過剰になってしまい脱毛がおこってしまいます。

ストレスの原因は様々ですが、生活環境の変化が一番多くみられるでしょうか。

フードの変更、家具の配置の変化、引っ越し、におい、新しい同居人・動物などなど・・・

オーナー様に確認しましたところ特に思い当たる出来事はないとのことでした。

ただ発情行動が見られるとのことでした。

室内の場合は発情してもパートナーをみつけることができません、そういったこともストレスになるのかもしれません。

※このような脱毛がおこる理由は心因性だけではありません、今後経過を見守っていきます。
2023-04-19 08:04:53

純血種の増加

カテゴリ : その他


数年前に猫ちゃんの飼育頭数がワンちゃんの飼育頭数をわずかながら抜きました。

当院に来院される猫ちゃんの比率も感覚的なものですが4割(以前は2割ほど)くらいでしょうか、ここ数年間であきらかに増えてきています。

それともうひとつ純血種の猫ちゃんの割合も増えてきています、しかも種類もかなり豊富になっています。

僕の子供ころは純血種というとペルシャ(ヒマラヤンを含む)、シャム猫が定番で平成に入ったころ(大学生のころ)からやっとアメリカンショートヘアーやロシアンブルーを見かけるようになったように記憶しています。

それから獣医師となり2000年代に入り見かけるようになったのは定番のスコティッシュさん、他にはアメリカン・カール、エキゾチック・ショートヘアー、ブリティッシュ・ショートヘアー、ノルウェージャン、ソマリ、アビシニアンと言ったところでしょうか。

次に見かけるようになったのはベンガル、シンガプーラ、メインクーン、ラグドールそしてその手足の短さにかなりびっくりさせられたマンチカンでした。

最近はミヌエット、ラガマフィンをちらほら見かけます。

当然品種ごとによくみられる病気もあり我々獣医師はそれについても知っておかなければなりません。

上記画像のような本も去年から出版されています。

下の動画は最近妻がとあるペットショップさんで見かけた猫ちゃんを撮影したものですが、不勉強で最初に見たときに品種はわかりませんでした。

ジェネッタというそうです。画像の本にも出てきません。

マンチカンのような体形でベンガルのような模様をしています。

2023-04-12 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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