みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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乳腺腫瘍:リンパ節の切除

カテゴリ : 腫瘍



上の画像は乳腺を切除する時に付属するリンパ節をとっている様子を撮影したものです。

猫ちゃんの乳腺はワキの下から始まり後ろ足の付け根まで続いていますが、乳腺腫瘍の時は腫瘍のある箇所だけを切除するのではなく乳腺すべてを切除します。

と言うのは猫ちゃんの乳腺腫瘍はそのほとんどが悪性で触ってみて何ら変化の無い箇所にも既に細胞レベルでがん細胞が転移をしている可能性があるため、その取り残しをできるだけなくすためです。

下の画像で黒い線で囲ったところをすべて切除します。


乳腺をすべて切除することともう一つ大切なことは付近のリンパ節も一緒に切除することです。

リンパ節は細菌やウイルス、がん細胞が周囲に広がっていかないように関所のような働きをしています。

リンパ節を一緒にとるのは既にがん細胞をとらえているかもしれず、そのままにしておくと一部が転移してしまうかもしれないからです。

乳腺ではワキの下と後ろ足の付け根付近にリンパ節があります。

ワキの下には2か所あるのですが、一番上の画像ではその一つ「副腋窩(ふくえきか)リンパ節」をとっています。

とれた「副腋窩リンパ節」です。




術後の画像です。



2022-09-14 09:01:00

涙目の猫

カテゴリ : 眼



ある日「数日前から右目が涙目になっている。」という猫ちゃんが連れてこられました。

上の画像はその時のものですが、右目の下まぶたの縁があふれ出た涙で濡れています。



上のまぶたをひっくりがえしてみますと裏側が腫れあがっていました。画像には写っていないですが白目の部分も真っ赤に充血していました。

このような時「逆まつげでもあって目を刺激しているのかな」とか「何か目の表面に傷でもあるのかな」とか「バイキンが入って炎症を起こしているのかな」などと考え診察に入ります。

最近は室内飼いの猫ちゃんが多くめったに見かけないのですが自由散歩に出かける猫ちゃんですとまぶたの裏側に東洋眼中という寄生虫が住みつき悪さをしていることもあります。この猫ちゃんは完全室内飼いですのでその心配はなさそうでした。

視診では逆まつげはなさそうでした。

ある染色液を目の表面に垂らした時に傷があれば緑色に染まるという検査があるのですがそれも問題ありませんでした。

また必ずではありませんがバイキンが入り炎症を起こしている時は「あおっぱな」のような目やにを伴う事が多いと考えているのですがそれも認められませんでした。

このような時にもう一つ「ヘルペスというウイルスが悪さしているのかな」と考えたりします。

ヘルペスは猫ちゃんに激しいカゼのような症状を起こすウイルスですが一度かかってしまうと、カゼの症状が治まってからもウイルスは無くならず目の近くの神経に住み着いて時々目の表面に出てきて色々な悪さをします。

そこでヘルペスウイルス用の目薬を1週間点眼していただきました。



この目薬は1日6回の点眼と大変なのですが、その甲斐があってか1週間後に涙目は改善されていました。

2022-09-07 09:00:00

猫の鼻水

カテゴリ : 呼吸器


ある日「鼻がつまり呼吸が苦しそう」と猫ちゃんが連れてこられました。

診察台で観察してみますと左の鼻の穴から透明な鼻水が垂れていました。それに伴い呼吸もややしづらそうに見受けられました。

食欲や元気はありましたので、このような時には比較的若い子の場合は「鼻炎による鼻水かな」と考えまずお薬を処方し経過観察とすることもあります。

ただこの猫ちゃんは高齢であったため「鼻の腫瘍が原因による鼻水や息苦しさ」なども考えておかなくてはならないので、手始めの検査として鼻のレントゲン撮影を実施しました。上の画像がその時のものです。

画像に向かって右側が猫ちゃんの左側になります。レントゲンでは空気は黒く写ります。ですので空気で満たされている鼻の穴は黒く抜けて写ります。

このレントゲンでは左の鼻の穴が右と比べて白く濁っています。分かりやすいようにその部位を青い線で囲ってみます。



白く濁っていることから左の鼻の穴に何らかの異常があるということははっきりと言えるのですが、それが炎症であるのか腫瘍であるのかは直ぐに鑑別できません。

鑑別には二次病院でのCT検査等が必要となってきます。

ただレントゲンにはもう少しヒントがあります。絶対ではありませんが鼻の腫瘍性の疾患の場合、鼻の穴の周囲の骨が変形していたりする事があります。

今回はそのような骨の変形はないように思われましたので、「鼻炎」と仮診断し内服薬を処方しました。

下は内服終了後の画像です。左の鼻の穴の白い濁りが消え黒く抜けて写っています。

処方した内服薬では腫瘍の治療はできませんので、今回は鼻炎であったと診断しました。

2022-08-31 09:00:00

猫Tシャツ

カテゴリ : その他


相棒の猫と似たキャラクターのグッズを見かけたら嬉しいですよね。

自宅の猫がサビ柄で



しかもバナナを食べるのでついポチってしまったTシャツです。

去年のホワイトデーに妻にプレゼントしたものですが久しぶりにハンガーに掛かっていたので
撮影してみました。











2022-08-24 09:00:00

猫の高齢性認知機能不全症(認知症)

カテゴリ : 問題行動


「VISHDAAL(ヴィッシュダール)」という言葉があります。

  以下の英単語の頭文字をとってつなげたものです。

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Vocalization(過剰に鳴く):やたらと鳴くことが増える、特に夜鳴き。昼夜問わず鳴く。
              混乱したように鳴く。飼い主の関心や愛情を求めて鳴く。

Interaction       :飼い主と交流しなくなる。攻撃性がたかまる。
   Changes        そっけなかった子がやたら甘える。
(社会的交流の変化)

Sleep-Wake Cycle    :夜間に頻繁に起きる、または起きて過ごしている。
  Changes         以前より増して昼間に寝ている。
(睡眠サイクルの変化)

House Soiling      :トイレ以外の場所で排泄してしまう。トイレまでたどり着けない。
(不適切な場所での排泄)

Disorientation      :隙間などに入り込んでしまう。ぼーっと一点を見つめている。
 (見当識障害)

Activity Changes    :家のどこかに引きこもってしまう。うろうろ徘徊する。
(活動性の変化)     過剰にグルーミングをする、またはしなくなる。
             フードに興味を示さなくなる、食欲が低下する。

Anxienty(不安)   :今まで平気だった状況を怖がる。刺激に対して過敏に反応する。
             飼い主がそばにいないといないと呼ぶように鳴く。
             飼い主の後を行いて回る。

Learning        :トイレや猫グッズの場所を忘れる。
  and memory      フードを食べたことを忘れ何度もねだる。
(学習能力と記憶力の低下)

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上記項目は「猫ちゃんの認知症」の時に見られる症状です。

認知症とは簡単に言いますと物事を認知する機能が衰えてくる病気のことで、日常生活での支障や生活の
質の低下を招いてしまいます。

認知症は「完全に治す」ことは不可能ですので、可能な限り認知症を発症させないことが大切であると考えます。

具体的にはシニア期になりましたら毎年一度は健康診断を受け様々な病気の早期発見につなげていただきたいです。すべての病気は何らかのストレスにつながり、、ストレスは認知症を発症させる一つの要因と考えられています。

またご家庭においては上記のような行動がないかよく観察してください。少しでも怪しい行動がみられる場合は認知機能改善のサプリンメントなどを利用(本格的に症状が出る前に早期介入)することで症状の進行の緩和をはかることができます。

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上記症状は他の疾患でも認められますので、症状が認められましたら直ぐに動物病院を受診してあげてください。

夜鳴きや徘徊は猫ちゃんに多い甲状腺機能亢進症や高血圧症のあらわれかもしれません。

腎機能不全では体温が下がることがあり夜寒くて動き回っているのかもしれません。

変形の関節症も猫ちゃんでは多く、関節が痛くてトイレの出入りがおっくうになり違う場所で排泄してしまうのかもしれません。

※記事は 緑書房刊)猫の困った行動 予防&解決ブック 監修:水越美奈 著:藤井仁美
 を参考にしています。


2022-08-17 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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