みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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ペットとの関係性

カテゴリ : その他


                                   くぬぎ(手前)  なっとう(奥)


先月参加した猫のセミナーで講師の先生が興味深いアンケート結果を紹介されていました。

          家族>犬  猫>家族

日本ペットフード協会が2021年におこなったアンケートで

「生活に喜びを与えてくれる存在は」という設問に対して「家族」、「ペット」、「心身の健康」
「趣味」、「お金」、「食」、「友人」、「仕事」、「自然」、「芸術」、「この中にない」から
選択する形式でした。

結果ですがワンちゃんの飼い主の1位は家族で2位が犬、猫ちゃんの飼い主の結果は1位が猫で2位が家族でした。

これはトータルの結果で年代や家族構成によって順序は入れ替わります。また「存在は?」ではなく「モノは?」と問いかけていたら趣味や食などが上位にきていたのかもしれません。

このアンケートの結果と一緒に講師の先生が話されていたのは、メモを取りながら聴いていましたので私が真意を間違って捉えてしまっているかもしれませんが「飼い主様はワンちゃんや猫ちゃんを家族以上、まるで神様でもあるかのように考えているようなところがあるのでは」という事でした。

これは日々診察をしていますと私も感じていた事で特に猫ちゃんの飼い主様にその傾向が強いように思います。

みんながみんなではありませんがワンちゃんの飼い主様はやはり自分がリーダーという立場を明確にし毅然と接しておられる方が多く見受けられるのに対し、猫ちゃんの飼い主様はそのほとんどの方がいわゆるねこなで声で接しておられます。

これは群れなくてリーダーを必要としない猫ちゃんの生態を考えると当然の事のように思われますが、自分(飼い主様)と猫ちゃんは対等の立場なんだと考えればねこなで声は必要ないはずですが、でもどうしてもねこなで声になってしまいますよね。

妻も「私は猫のしもべ」と日々言っています。

このアンケート結果は日本ペットフード協会のホームページで見ることができます。







2022-12-21 09:00:00

 クロちゃん

カテゴリ : その他

クロちゃんは以前にも2回ブログに登場してくれました。

腎臓リンパ腫のため約1年間にもわたる抗がん剤療法が必要だったのですが、頑張ってくれた甲斐がありリンパ腫は良くなりました。

現在は治療終了後半年ほど経ちます。もとから軽度の腎機能の低下があったため、抗がん剤投与中から腎臓への負担軽減目的で療法食を処方していました。

腎機能の低下が軽度であったため療法食が必須であったというわけではありませんが、オーナー様ができることはしておきたいというお考えの方であった事とクロちゃん自身も療法食を受け入れてくれたので処方していました。



ただ一定期間が過ぎると飽きが来てしまうので3種類の療法食をローテーションを組んで与えてもらったりしていました。

抗がん剤投与終了後は療法食に加え、腎機能の低下を抑制する作用のあるお薬や腎機能の低下によっておこる貧血やカリウムの減少をお補うお薬、高血圧のお薬も飲んでもらっていました。

ただ最近オーナー様から「段々食べなくなってきた。全く食べない日もある。」とのお話がありました。

リンパ腫の再発を疑いエコー検査をしましたが問題はありませんでした。血液検査でも腎機能の低下が進んでいるようには見えませんでした。ただ体重の減少が認められました。

どうしたものかなぁと頭を悩ませていますと「私たちの食べているものには興味を示しているようだ」とのお話がありました。

クロちゃんの年齢から残りの寿命を考えた場合、「そんなに長期間はないだろう、その期間嫌いなフードをいやいや食べて過ごすよりも腎臓には良くないかもしれないけれど美味しいものを食べた方が幸せなんじゃないかな、何よりも食べなくて痩せてしまっては本末転倒になってしまう」と考え賛否あるかと思いますが多少味が濃ゆくても好きなものを食べさせてくださいとお伝えました。

フード内容を変更してから数日後「食べてくれるようになった」との連絡がありました。











2022-12-14 09:00:00

おしっこづまり

カテゴリ : 腎・泌尿器


当院は早朝にも診察時間を設けています。

ある朝6時過ぎころだったでしょうか「仕事から帰ってきたらぐったりしている。いつも玄関をあけると寄ってくるのに来ない。」とオーナー様が慌てた様子で♂猫ちゃんが連れてこられました。

一見すると呼吸状態がやや悪化しているように思え肺や心臓の病気が疑われましたので酸素室に入れお話を伺うことにしました。

過去に「おしっこづまり」を起こしたことがあるとのことでしたので、猫ちゃんのお腹を触診してみますとおしっこがたまりカチカチになった膀胱が確認できました。

単に排尿前で膀胱におしっこがたまっているだけなら水風船のように弾力のある膀胱がが触診されますが、カチカチの膀胱は何とか尿を出そうとしたが出なかった事を示しています。

おしっこづまりの原因はいくつかあるのですが結晶と呼ばれる石のもとになる成分が尿道を塞いでしまっているのではとまず考えます。


※尿路閉塞をおこした別の猫ちゃんから回収した尿です。底の方に見える砂粒のようなものが
 結晶です

このような時は尿道にカテーテルを通し塞いでいるものを取り除き同時に膀胱にたまったおしっこを回収しなければなりません。一番上の動画がその様子です。

膀胱粘膜からの出血と思われる血で真っ赤になった尿が回収されました。ただ上の画像のような結晶はほぼ見られませんでした。

尿道を塞いでいたものは炎症をおこした膀胱粘膜から剥がれ落ちた言わばゴミのようなものが集まったものではと考えられました。

この猫ちゃんは2匹で飼われてるのですがトイレは一つで、もう1匹の猫ちゃんより優しい性格とのことでした。

ここからは推測のお話として聞いてください。

多頭飼育でトイレの数が少なくこまめなトイレの清掃が難しい場合別の子がしたおしっこやウンチがトイレに残ってしまっている時間が長いと考えられます。

そのような時にはある猫ちゃんはおしっこを我慢してしまうかもしれません。またおトイレがきれいな時であってもより性格の優しい子はより性格の強い子が近くに居たらそれだけでおしっこを我慢してしまうかもしれません。

おしっこの我慢は膀胱粘膜の負担になり炎症を引き起こします。その炎症から生じたゴミが尿道を塞いでしまいます。

おしっこの我慢はストレスにもなりストレスはさらに膀胱の炎症を悪化させます。

この猫ちゃんもどちらかと言うともう1匹の子の方が強い立場であるそうですのでおしっこを我慢してしまっていたのかもしれません。

オーナー様にはおトイレの数を増やしてみる事を提案いたしました。






2022-12-07 09:00:00

猫 真菌症

カテゴリ : 皮膚病


ある日「前足と鼻に傷を負っています、1週間前に気づきました。」と生後4か月の子猫のオーナー様から相談を受けました。

診察台の上で見てみますと鼻筋と左右前足の指にそれぞれ毛が抜け少し赤みを帯びている箇所がありました。

獣医師はまだ抵抗力の弱い子猫さんの鼻や手足、耳、しっぽの「先端部分」に毛の抜けている箇所を見つけたら先ず最初に真菌症を疑います。

真菌症はアレルギーと並んで猫ちゃんの「2大皮膚病」で少し乱暴な表現ですが猫ちゃんに皮膚病を見つけたらどちらかの病気から考えていくことが多いです。もちろんカイセンなどの寄生虫感染症や肥満細胞腫などの皮膚腫瘍の可能性もありますので決めつけはよくありませんが・・・

真菌症が疑われたらウッド灯検査と呼ばれる検査をします。ブルーライトを患部に当てると真菌に感染している箇所が青白く光って見えます。

少し分かりにくいですが鼻筋、左右前足の一部の爪めの付け根に青白く光る箇所があります。










オーナー様には真菌症の疑いがあることをお伝えし、抗真菌剤の内服と抗真菌剤がしみ込んでいるシートで患部を拭いていただくようお願いしました。

治療開始後1週間目、前足の病変は改善していたのですが鼻筋の病変部が広がっていました。最初の画像がその時のものです。少し心配だったのですが、前足が改善していることもあり内服のみ継続することとしました。

下はそれからさらに2週間後の画像です。鼻筋の病変もきれいに改善しました。

2022-11-30 09:00:00

角膜黒色壊死症

カテゴリ : 眼


十二指腸・回腸のリンパ腫で治療中の猫ちゃんのオーナー様から「右目を掻いてまぶたが開かなくなっている。目やにもでている。」との相談を受けました。

まぶたを開いてみますと角膜と呼ばれる目の表面の透明な部分の中央部が黒く変色し凸凹になっていました。

また画像では分かりにくいですが下まぶた辺縁の目じりの部分が内反している様子も確認されました。

目に痛みがあると目はウインクした状態となります。その状態が続くとまぶたそのものにも緊張状態が続きまぶたが痙攣をおこし内反状態となることがあります。

この猫ちゃんはリンパ腫の治療のためクロムブシルという抗がん剤とステロイドのお薬を内服していました。

いずれのお薬も抵抗力を低下させてしまう事がありますので、「ヘルペスウイルスが悪さをはじめたのかな。それにより角膜黒色壊死症がおこり、その痛みのためにまぶたが内反してしまったのかな。」と考えました。

ヘルペスウイルスが原因の猫カゼを患ったことのある猫ちゃんは、ウイルスがいつまでも目の周囲の神経に残り時々悪さを受ける事があります。

治療としてヘルペスウイルスを退治する目薬、目やにはバイキンの関与を疑わせますので抗生剤の目薬、
角膜を保護するための目薬の点眼で2週間経過を観察することとしました。

目やにはおさまりましたが、まぶたの内反に改善はあまり認められませんでしたので眼科専門医を受診して頂きました。

診断は簡単に説明しますと「黒色壊死症の痛みが先にありまぶたの内反がおこたのか、まぶたの内反が先にありその物理的な刺激から黒色壊死症がおこったのかは分かりませんが、まずはまぶたの内反を手術で是正し角膜への物理的な刺激を取り除きましょう」との事でした。

壊死部分についてですが壊死部分を手術で切除し角膜が修復するまででコンタクトレンズで保護する方法もあるそうですが、今回は自然に壊死部分が脱落し修復していくのを待つ方法を選択しましょうとの事でした。

抗生剤の目薬、角膜の保護のための目薬、ヘルペスウイルスの関与も否定できないためその目薬もあわせて引き続き点眼していくこととなりました。

術後2週間目の画像です。





分かりやすくオレンジのラインで壊死部分と手術範囲を示します。





手術部位を拡大してみます。



まつげみたいに見えているのが縫合糸です。

内反が奇麗に改善しています。抜糸を行い目薬の点眼で経過を見守っていきます。

















2022-11-23 09:01:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

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