先週のブログでは3種混合ワクチンの接種サイクルについて取り上げました。
3種混合ワクチンはコアワクチンと呼ばれお住まいの地域や飼育状況によらず全ての猫ちゃんに対して接種が推奨されていますとお話をしました。
この3種混合ワクチンでは猫風邪の原因となるウイルス(ヘルペス、カリシ)と激しい下痢をおこし子猫の場合には死に至るケースも多いパルボウイルスの予防が可能です。
今回3つのウイルスの一つカリシウイルスが一因の猫風邪を発症したと思われる猫ちゃんがいましたのでご紹介します。
動画の猫ちゃんになりますが5か月齢のロシアンブルーです。少しわかりにくいですが青っパナを垂らし鼻詰まりのためか呼吸がし辛らそうです。
動画では映っていませんがくしゃみを連発しあちこちに鼻水・青っパナを飛ばしていました。
猫ちゃんは食べ物のにおいと食欲が密接に関係しています。鼻詰まりがひどく食べ物のにおいがかげないとそれだけで食欲がなくなってしまいます。
この猫ちゃんもこの時点で全く食欲がなくなっていました。
血液検査やレントゲン検査の結果も踏まえ上部気道感染症と診断しました。
青っパナはバイキンが悪さをしている証拠ですから治療としては適切な抗生剤でバイキンをたたくこと、体力維持のためにしっかりと栄養をとらせることが大切な治療となりますので、投薬とともにフーディング処置をすることとしました。
※フーディング処置:言葉がきついですが様々な方法で強制的にフードを与えること。今回はウエットフードを少しづつ手で口に入れていきました。
下の画像は上部気道感染をおこしたのはいったいどのようなウイルス、バイキンなんだろうと調べた結果です。
カリシウイルスが+(陽性)と出ていますので猫風邪の原因の一つとなっている可能性が考えられました。
また結果は割愛しますがどの抗生剤が効果があるのかを調べる検査も実施しました。
最終的に鼻水・青っパナがなくなりほぼ自力で1日分のフードが取れるようになるまでおよそ3週間を要しました。