みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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保護猫にゃんちゅー 経過

カテゴリ : 保護猫応援活動



昨年ブログでお話しさせていただいた保護猫にゃんちゅーのその後の経過報告です。

にゃんちゅーは昨年10月に生後一か月半くらいで保護されました。

保護時右前足は前腕と上腕が皮一枚でなんとかつながっている状態、右後ろ足は太ももから下が完全に無くなっている状態でした。前後とも残っている部分はウジが湧き一部壊死していました。

当時の経過は昨年12月15日のブログ記事を参考になさってください。動画もあります。

治療としては壊死している足を前後とも切断しなければなりません。通常は前足は肩関節から下を、後ろ足は股関節から下を全部切断します。

私はいつも整形外科症例は他院に依頼しておりますが、オーナー様との話し合いで当院で実施させていただくこととなりました。

前後とも一部足を残す方法を選択させていただきました。この方法は上記の方法に比べ簡便に実施できる為です。

ただこの方法は一部残した足を使用してしまい切断面を負傷してしまう、あるいは生涯にわたって服などを着せ切断面を保護するような処置をとらないといけなくなるかもしれないというようなデメリットなどがあります。

にゃんちゅーも、今年3月になり前足の切断面からお汁がにじむようになりクッションなどを付けた服を着せ切断面の保護を試みたりしたのですが最終的には皮膚が破れてくっつかないとう状態になってしまいました。

オーナー様には関節からの断脚が可能な病院での受診をお願いしましたところ、義足の取り扱いもある病院をご自身で探してこられましたので転院をしていただきました。

義足も視野にしばらく通院をされていたようですが、最終的には断脚がベストとの判断になったようです。

先日術後の様子を見せに来てくださいました。写真はその時のものです。

家の中を元気に走り回っているとのことで一安心です。























2022-06-29 09:00:00

胆汁嘔吐症候群:自動給餌器

カテゴリ : 消化器


「朝起きると黄水をよくもどしているんです。」というご相談を受ける事が時々あります。

これは晩ごはんから次の日の朝ごはんまでの間隔が空きすぎ、空腹にもかかわらず小腸に分泌された胆汁酸という消化液が胃や食道に逆流し刺激するためと考えられています。

ご飯の間隔に偏りのないよう12時毎にしていただいたり、2回のところを3回に分けていただいたりして空腹時間を短くしていただくと問題が解決することがあります。

たいていワンちゃんのオーナー様からの相談であることがほとんどなのですが、ごくまれに猫ちゃんのオーナー様からも相談があります。

以前こう言うことがありました。

その猫ちゃんは仕事場でお世話されており、朝ご飯は午前9時頃、夜ご飯は午後5時頃となっていました。

最後に退社される方がだいたい午後9時前になるとの事でしたので「晩ごはんを退社直前にしてみてください」とアドバイスしましたが、朝出社してみるとやはり黄水をもどしているとのことでした。

そこで自動給餌を用意していただき、御飯の時間を午前9時、午後5時、深夜0時にしていただきました。

この方法で問題は改善されました。


2022-06-22 09:00:00

猫パルボウイルス感染症

カテゴリ : 感染症・予防

猫パルボウイルス感染症は突然の下痢と嘔吐、食欲不振を主な症状とする致死性の高いウイルス感染症です。

血液検査では白血球数の減少を特徴的に認めますので猫汎白血球減少症とも呼ばれます。

このウイルスの恐ろしいところは消毒や乾燥に強よいという事です。汚染場所にとどまりいつまでも感染源となる可能性があるという事です。

先月生後1か月くらいの子猫が保護されてきました。

結膜炎を患っており目やにを認めましたが、フードを与えてみるとよく食べてくれました。

保護猫さんで心配になってくるウイルス感染症はいくつか存在するのですが全てを直ぐにチェックすることはできません。院内では猫エイズウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症は直ぐに調べる事が可能ですのでチェックしてみますと陰性でした。

ただ心配だったのがこのお宅にはワクチン未接種の先住猫さんが居ました。当院へは保護してから7時間後くらいに来院されており先住猫さんとの接触はさせていないという事でしたので、オーナー様には引き続き安全のため1か月は隔離期間を設けていただくようお願いし目薬と内服薬をお渡ししました。

それから1週間後「最初の2日間は非常によく食べていたがそれ以降食欲が低下し黒いウンチをするようになった」との事で再来院されました。目やには改善しておりました。

血液検査をしますと白血球数が減少をしておりパルボウイルス感染症が頭をよぎりました。

抗体検査を実施しますとIgM抗体 陰性、IgG抗体 陽性(20倍)との結果でした。




抗体とは病原体を退治するための武器で、その存在は過去にその病原体に感染していた、または現在感染しているという事が言えます。

IgMやIgGは抗体の種類です。IgMという武器は感染初期に作られやがて消えていき、前後するように今度はIgGという武器が作られてきます。

IgGのみ陽性であることから感染からある程度時間が経過していることが推察されます。

この保護猫さんは生後直ぐあるいはお母さんの体内で既に感染していたのかもしれません。

この感染症には特効薬がなく点滴などで体力を維持しその子の生命力に期待するしかない致死率の高い病気です。

この保護猫さんも治療開始2日後に残念ながら亡くなってしまいました。

それからもう一つ恐れていたことが現実となってしまいました。

保護猫さんが亡くなってから5日後、今度は先住猫さんが「突然食欲が無くなり嘔吐・下痢が始まった」との事で連れてこられました。

血液検査では白血球数の減少が見られ、抗体検査ではIgM(40倍)、IgG(160倍)ともに陽性でした。

今回は糞便を使った抗原検査も行うことができました、結果は陽性でした。FPV-Agという項目のところです。


抗原とはウイルスそのものの事です。抗原検査陽性ということは便からウイルスが見つかったということです。

IgM、IgGがともに陽性であることから感染初期から中期にさしかかったところではと推察されます。

オーナー様は1階と2階で保護猫さんと先住猫さんを分けるなど注意されていたようですので、手や足、
衣服に付着したウイルスを運んでしまっていたのかもしれません。

また直接の接触はなかったが先住猫さんが保護猫さんの匂いを嗅いでいる瞬間がわずかながらあったとの事でした。

あらためてこのウイルスの恐ろしさを見せつけられた思いでした。

パルボウイルスは一般的な3種混合ワクチンで予防することができます。

猫好きさんは子猫が鳴いていると何とかしてあげたくなってしまいますよね、ただ子猫に触れる前、保護する前にご家庭の猫ちゃんがワクチン接種済みであるかを再認識してください。

お家に猫がいない方に保護をお願いする事も考えてみてください。

どうしてもご家庭に連れて帰られる場合でも、最低でも1か月は隔離期間を設けて、手洗い衣服を着替えるなど感染対策には十分配慮ください。


先住猫さんは支持対症療法で回復し現在元気よく暮らしています。




2022-06-15 09:00:00

猫の膿胸

カテゴリ : 呼吸器


ある日「お世話をしている地域猫が自宅の門のところでうずくまって動かない。呼吸が苦しそう」との事でクロ猫さんが運ばれてきました。

診察台に乗せ観察してみますと深く速い呼吸をお腹でしていました。

レントゲンで胸部を撮影してみますと、胸の中に何らかの液体が溜まっている像が映し出されました。



←頭側       猫ちゃんの胸部を横から見ています。

※レントゲンでは空気は黒く写ります。ですので空気を含んだ肺は黒く写ります。液体やその他の臓器は  白く写ります。

上のレントゲン画像に説明を入れてみます。



本来は肺がふくらむための空間に液体がたまり肺がふくらむジャマをしています。

それでこの猫さんはできるだけ肺をふくらませ空気を取り込もうと深く速い呼吸になっていたのです。

このような時獣医師は呼吸の改善と検査のために胸にたまった液を抜く作業をします。

上の動画はその時の様子です。酸素をかがせながら胸に針を刺し注射ポンプで液体を吸引しています。

吸引された液体は「膿」で膿胸との診断に至りました。膿胸とは何らかの理由で膿が胸の中にたまってしまう病気です。

吸引後のレントゲン画像です。



説明を入れてみます。



液体(膿)が占める範囲が小さくなり逆に肺が占める範囲が広くなっています。
膿で隠れていた心臓も一部確認できるようになりました。

この吸引処置により来院時よりもだいぶ呼吸が楽になりました。

膿胸の治療はこれで終わりではありません。化膿した場所を洗浄していかなければなりません。洗浄場所は胸の中ですから洗浄液を送り回収するためのチューブを胸に設置しなければなりません。

チューブ設置翌日に洗浄をしているところです。チューブの先端は胸の中に入っています。お皿の中のクリーム状の液体が膿です。

※チューブ設置は北摂夜間救急動物病院に依頼しました。

1日2回洗浄処置をするのですが、お皿の中の液体が透明になるまで何日間か続けていきます。

この猫ちゃんの場合、注入し回収される洗浄液がほぼ透明になるまで2週間を要しました。

2週間後の回収液です。




その日のレントゲン画像です。



チューブが写っています。

回収液の中にバイキンも見られなくなっていましたのでチューブを抜きました。

抜いた後のレントゲン画像です。




チューブを抜いてから1週間後のレントゲン画像です。

ほぼ膿がなくなっています。




 元気よく回復し現在はお家の中で飼っていただけることになりました。
2022-06-08 09:00:00

サンライズサンセットツーリングラリー

カテゴリ : その他

   
         ゴール地点の千里浜なぎさドライブウエイ

私事で本当に申し訳ないのですが先週24日火曜日を休診にさせていただき、サンライズサンセットツーリグンラリーというバイクイベントに参加させていただきました。

これは日の出時刻以降に太平洋側沿岸の任意の地点をスタートし日の入り時刻までに石川県の千里浜なぎさドライブウエイにゴールするというイベントです。

途中指定の道の駅やサービスエリアなどに立ちよりポイントをゲットしなければなりません。

私はスーパーカブで参加しましたので下道オンリーでした。高速を使用する人は仙台などをスタート地点にする方もいるようです。

甲子園浜を4時54分にスタートし16時18分にゴールしました。走行距離380km、所要時間11時間24分でした。

ゴール地点の夕日がものすごくきれいでした。
2022-06-01 09:00:00

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猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/

  1. 動物園勤務から病院へ
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  1. 週齢はどれくらい?
  2. まず行うこと
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