
もう直ぐクリスマスですよね、この時期は街のいろいろな場所が飾り付けされていていくつになってもウキウキします。
それで何かクリスマスにちなんだ話題はないかなぁと思いを巡らせていたらふとこの本のタイトルが浮かんできました。
「猫の事件は猫が解く」の帯の言葉に惹かれて購入しました・・・25年くらい前に。
人間社会でおこった事件に対して猫が探偵(人間)に事件解決のヒントを与えるていくというスタイルではなくて、猫そのものが猫社会の中でおこった事件を解決していきます。
で数ページ読んでそのまま四半世紀・・・・放置、今回一気に読破しました。
帯に連続猫殺し事件とありますので「猫ちゃんが何匹か死んでしまうんだろうなぁ」と分かってはいたのですが、それでもミステリーにはユーモアミステリー・バカミステリーというジャンルがあり猫が主人公だし、聖夜だしまあどこかほのぼのとした感じで物語が展開していくのだろうなぁと考えていました。
が「羊たちの沈黙」ばりのサイコサスペンスでした。
この本の作者は猫の行動学の本も執筆されているような方で、正確に猫の生態が描写されておりその箇所はユーモラスです。
ですが「スプラッター」な描写もありとても猫好きな方に率先してしかもクリスマスに勧められるものではありません。
私は職業柄なんとか大丈夫でしたが・・・
「組織接着剤」という傷口をふさぐ接着剤が物語上重要な核になります。

猫好きには辛い描写もありますがミステリーとしてすごく面白いです。
ミステリーって最終章で犯人の心情が明かされますよね、探偵からであったり犯人自らであったりさまざまですが。
その犯人(犯にゃん)の心情を聞いていると毎日猫と接しあるいは暮らしている者としてはその言葉が胸に突き刺さり重い気持ちになりました。
でも安心してくださいその重くなった気持ちもエピローグでの主人公探偵猫の言葉が前向きなものにしてくれます。
どうです読みたくなりましたか、僕は第2弾「猫たちの森」も購入していますのでお正月にでも読もうかな。