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排便困難②

カテゴリ : 消化器



大腸の太さが普通の2~3倍くらいになってしまった猫ちゃんのレントゲン写真です。

この猫ちゃんは子猫の時に何らかの事故で脊椎を損傷していました。そしてその後遺症から排便に問題を生じ常に便秘気味でした。

対策として便秘対応の療法食を利用していただき、最初は少量の硬い便ではありましたが毎日排便しておりました。

それがやがて2日に1回、3日に1回と不規則な排便状態となりました。

あまりにも便秘がひどくなり食欲・元気に問題を生じるような時には浣腸をしたり鎮静剤を注射し指で便をかきだしたりしていました。

上の画像は1週間排便がなかった時のものです。分かりやすくオレンジのラインを入れてみます。

普通大腸の太さはこれの半分~3分の1位です。


大腸がレントゲンのような状態にまでなり尚且つ排便が全くなされないような状況では、便秘用のフードの利用はかえって問題を悪化させてしまいます。

というのは便秘用のフードは可溶性繊維・不可溶性繊維がバランスよく配合されていて、便に水分をひきつけ便を軟化させたり大腸を適度に刺激したりして便秘の解消につながるのですが通常のフードより便量が増えてしまいます。

全く便が出ない猫ちゃんにはかえって負担となってしまいます。

そこでこの猫ちゃんには前々回のブログでお話ししました他のフードと比べてわずかながら便量の少なくなるフードと便の軟化剤を処方しました。

現在2~3日に1回くらいの排便ペース、日によっては連続して二日排便することもあるようです。

現在のレントゲン写真です。



分かりやすくオレンジのラインを入れてみます。大腸の太さが通常くらいとなりました。

今後この状態が維持できるか経過を見守っていきます。




2022-10-05 09:00:00

排便困難

カテゴリ : 消化器




ある日「急に食べたものを嘔吐し、その後胃液を吐き続けている。食欲もない。昨日までは普通だった。」という猫ちゃんが連れてこられました。

問診や触診、検査の結果から肝疾患と診断し治療を始めました。

肝疾患と診断した理由は肝臓に何らかの問題があると血液検査でALT(GPT)という成分が異常値を示すのですが、初診時にALTの値以外は他に目立った異常が見つからなかったからです。

実際猫ちゃんでも急に肝臓に負担がかかり(負担がかかるとALTが上昇したりします)、結果嘔吐・食欲不振につながることが結構あるからです。

そこで治療を開始したのですが反応はあまりよくありませんでした。嘔吐は治まったのですが、1日にチュールをがんばって3~4本食べるのがやっと、軟便・下痢もおこすようになったという状況でした。

その後何とかドライフードも食べてくれることがわかりましたので、軟便対策として下痢・軟便用の病院食も与えてもらうようにしました。

ドライフードに切り替えた数日後「2日間便をしていない。きばるが出ない、途中であきらめてトイレから出てくる」という説明がありました。

この時に初診時「硬い便を少しづつしていた」というオーナー様がされていたお話に思いが至りました。

もう一度初診時のレントゲン(上の画像です)を確認してみますと何やら便が肛門の手前でせき止められているようにも見えます。

理解していただきやすいよう矢印をつけてみます。下の画像です。




オレンジのラインが直腸でその中身が便でなのですが、ピンクの矢印のところでせき止められています。

肛門から人差し指を入れると1cmくらい進んだところ、ちょうど矢印のところで直腸が巾着袋の入口を閉めたように狭窄しておりそれ以上指を進めることができません。

この猫ちゃんには本当に申し訳のない事であったのですが、体調がすぐれなかった主たる原因は肝臓の不調ではなく、この直腸の狭窄により便が出づらいためであったとこの時に気づきました。

チュールだけの時は正常な硬さの便にならず、量もさほど多くなかったので軟便として何とか狭窄部を通過していたものが、ドライフードを食べるようになって正常な硬さ・ある程度の便量になってしまったので狭窄部を通過出来ず2日間便が出なかったのでしょう。

オーナー様にお願いし二次病院で精査を受けていただきました。

狭窄部での腫瘍の発生が心配だったのですがそうではありませんでした。



治療としては狭窄部の外科切除や人工肛門の設置などが提案されましたが、オーナー様の希望により保存療法としました。

具体的には他製品よりも便量の少なくなる下記ドライフードと、ラクツロースと呼ばれる便を軟便ぎみにする水薬りを使用していただくこととしました。

現在、食欲・排便(軟便状態ですが)ともに問題ないようです。





2022-09-21 09:00:00

胆汁嘔吐症候群:自動給餌器

カテゴリ : 消化器


「朝起きると黄水をよくもどしているんです。」というご相談を受ける事が時々あります。

これは晩ごはんから次の日の朝ごはんまでの間隔が空きすぎ、空腹にもかかわらず小腸に分泌された胆汁酸という消化液が胃や食道に逆流し刺激するためと考えられています。

ご飯の間隔に偏りのないよう12時毎にしていただいたり、2回のところを3回に分けていただいたりして空腹時間を短くしていただくと問題が解決することがあります。

たいていワンちゃんのオーナー様からの相談であることがほとんどなのですが、ごくまれに猫ちゃんのオーナー様からも相談があります。

以前こう言うことがありました。

その猫ちゃんは仕事場でお世話されており、朝ご飯は午前9時頃、夜ご飯は午後5時頃となっていました。

最後に退社される方がだいたい午後9時前になるとの事でしたので「晩ごはんを退社直前にしてみてください」とアドバイスしましたが、朝出社してみるとやはり黄水をもどしているとのことでした。

そこで自動給餌を用意していただき、御飯の時間を午前9時、午後5時、深夜0時にしていただきました。

この方法で問題は改善されました。


2022-06-22 09:00:00

猫 異物誤飲 糸~縫い針

カテゴリ : 消化器


嘔吐したあと急にごはんを食べなくなった猫ちゃんの上あごの写真ですが痛そうですね・・・わかりますか?



レントゲン写真です。縫い針が写っています。




鎮静をかけ針を取り出しました。

おそらく糸をペロペロなめているうちに針ごとを飲み込みそうになり、反射的に吐いて上あごに刺さってしまったのでしょう。

もう少し飲み込んでいたら内視鏡設備のある動物病院にお願いしないといけないところでした。

ひも状物は猫ちゃんが遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまうことがあります、気を付けてあげてくださいね。



2021-07-07 09:00:01

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