先週の続き今回はご提案の最終回で予防方法についてです。
ワンちゃんでは1月毎に錠剤や散剤、おやつタイプのお薬の内服、液体のお薬を皮膚に滴下、1年に1回の注射などいくつかの方法があります。
一方猫ちゃんでは今のところ日本国内で承認されているお薬は液体の皮膚滴下タイプのみで1月毎に投与します。
この皮膚滴下タイプのお薬はフィラリアの他にもノミやマダニなどの外部寄生虫、回虫などの消化管内寄生も同時にターゲットにしているためフィラリア予防を目的とすると必要のないお薬の成分が別に2つ入っています。
少し抵抗感を感じるかと思いますが安全性は確立されています。
少しでも余計なお薬は投与したくないということであれば猫ちゃん用の消化管内寄生虫駆除薬として販売されているお薬がフィラリア予防には認可外(海外ではフィラリア予防の認可が下りています)ですが利用できます。
ただこのお薬にもミルベマイシン、プラジクアンテルという2つの成分が入っておりこのうちプラジクアンテルはフィラリア予防には必要ありません。
ところでワンちゃんの飼い主様であればフィラリア予防薬の投与を開始する前に血液検査をして現在フィラリアに感染していないかどうかのチェックが必要な事はご存じですよね。
これは万が一フィラリアに感染していて血液中にミクロフィラリアがたくさん泳いでいる状態の子に予防薬を投与してしまうとたくさんのミクロフィラリアが一斉に死滅しショック症状をおこす可能性がありそれを避けるためです。
猫ちゃんでは先週のブログでも話題にしましたようにミクロフィラリアがたくさん血中を泳いでいる状態というのはなかなか考えづらく、そのため臨床現場では血液検査なしで処方されている事が多いのではないでしょうか?
当院では念のため健康診断時の血液検査項目にフィラリア抗原抗体検査(ゴールドスタンダードではありませんが)も含めておき感染の有無をチェックしています。