猫のフィラリア症ムービー(リンク先に動画があります)https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/movie/※フィラリア予防薬 月1回背中に液剤を滴下します
春はワンちゃんの飼い主様にはおなじみですがフィラリア症の予防が始まるシーズンです。
ある日ワンちゃんも飼っている飼い主様から「猫のほうはフィラリア症の予防しておかなくていいんですか」と聞かれることがありました。
フィラリアは蚊が運んでくる寄生虫で、肺や心臓に住み着き悪さをします。
以前は「フィラリアにとって猫ちゃんの体の中は寄生に適しておらずワンちゃんほど感染が成立しません。ですので病院から積極的にはすすめていませんが、希望される方にはおくすりを出しています」とお答えしていました。
この考え方を現在は改めました。
①確かに感染は成立しにくいのですが、一度感染が成立するとワンちゃんより重篤な症状がでる可能性があります。
②ワンちゃんでは感染したフィラリアの子虫が成虫になって初めて症状があらわれてくる事が一般的なのですが、猫ちゃんでは子虫の段階から子虫の成長に応じた症状があらわれてきます。
③また猫ちゃんの心臓は小さいので、ワンちゃんではまだまだ問題にならない少数の寄生でも命取りとなることがあります。
④症状は「咳や呼吸困難」といった呼吸器症状が主ですが、「嘔吐」といったおなかの病気をおもわせる症状、「食欲不振や体重減少」といった多くの病気に見られる症状としてあらわれることもあります。
※ワンちゃんでは主に心臓病の症状です。
⑤そのためその症状がフィラリア症の症状だと気づくまでに時間がかかるかもしれません。
⑥またワンちゃんでは簡単なフィラリア症の診断が、猫ちゃんでは難しい一面があります。
予防をしていて下さったら猫ちゃんが体調を崩した時、フィラリア症という病気を一つ除外診断できます。
「診断が難しいから予防を」という理由は獣医師側の怠慢のように思われますが、感染してしまった時の重篤さを考えますと予防は猫ちゃん・飼い主様の双方にとって多大な利益につながるものと考えます。