膀胱炎を発症した猫ちゃんは何回もトイレに入ったり、おしっこに血が混じっていたり、排尿時痛そうに鳴いていたりで見ていて可哀そうですよね。
皆さん膀胱炎と聞いて、その原因は何だと思いますか? 「バイキンでも入ったのかな」とかベテランの猫飼いさんだと「尿石があるのかな」と思われることが多いと思います。
※尿石:膀胱炎をおこしている猫ちゃんのおしっこを顕微鏡でのぞくと、結晶とよばれる石のもとになるも
のが見えたり、それが集まり固まるとレントゲンで確認できるような結石とばれる大きな石になり
ます。これらが膀胱を傷つけ炎症をおこします。
意外と知られていないのですが膀胱炎で1番多いのはバイキンが原因の細菌性膀胱炎でもなく、
尿石が原因の膀胱炎でもなく「特発性膀胱炎」とよばれる膀胱炎です。
特発性とは「原因不明」のという意味です。
「原因がわからないと治療はどうするんですか」と思われるかもしれませんが全く何も解明されていないわけではありません。
ストレスを受けやすい猫ちゃんや、ドライフードのみで生活している猫ちゃんに多くみられることがわかっています。
※ご先祖様が乾燥地帯出身の家猫ちゃんはあまり水を飲まなくてもいいように進化してきています。
ドライフードはウエットフードよりも当然水分含有量が少なく結果、濃いおしっこになります。
ストレス物質やドライフードによる濃いおしっこが膀胱粘膜を刺激するのではと考えられています。
多くの場合治療をしなくても数日から数週間で症状がみられなくなるのですが再発を繰り返します。
その間猫ちゃんはつらい思いをしていますのでやはり対策が必要となってきます。
ストレスの軽減や飲水量の確保が主な対策となってきますが、具体的な方法についてはかかりつけ医さんに相談してください。
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特発性膀胱炎では、食事療法を同時に行うこともあります。
上記写真のフードには、ストレス軽減効果があるとされている加水分解ミルクタンパク」、不安を和らげる
効果があるとされている「L-トリプトファン」という成分が配合されています。
ウエットタイプもあります。