※ハムスターの飼い主さんごめんなさい
「先生この子のフードは何がいいですか?」はよく受けるご相談です。
ぽっちゃり猫さんなら「体重管理用のフードが各療法食メーカーから出ていますよ」
腎機能が弱ってきている猫ちゃんなら「腎臓用フードをはじめましょうか」
便秘気味の猫ちゃんには「お通じの良くなるフードを出しときますね」
皮膚の病気をよくおこす猫ちゃんには「アレルギー用のフードを試してみますか」
と何らかのトラブルを抱えている猫ちゃんにはそれに対応した療法食をお勧めしています。
また3か月くらいの猫ちゃんなら「成長期用ですね」、とくに大きなトラブルを抱えていない7歳以降の猫ちゃんには「シニア用への切り替えを考えてくださいね」とアドバイスをしています。
それで気づいた事がありました。
「1歳から7歳くらいの一番活発な時期のとくに何のトラブルもかかえていない猫ちゃんの飼い主様からはフードの質問を受けることが少ないな」、
ご相談を受けたとしても「色んなメーカーから市販されているアダルトでいいと思いますよ。とお答えして
いたな」と。
友人の獣医師に「どんなふうに話しているの?」と聞いてみますと、「東京のとある病院の先生が論文をホームページで公開されているからそれを読んでみたら参考になるかも」と教えてくれました。
非常に参考となりました。お付き合いのある病院様ではありませんので、直接リンク先URLを貼ることはできませんが「猫のための最適な食餌」で検索してみてください。
少し長い論文ですので飼い主様に特に役立つと思われる箇所を私はこのように解釈しましたという形で書き出してみます。
※私の解釈に間違いがある可能性もありますので、興味のある方は全文を読んでみてください
・猫ちゃんは完全肉食動物であること
・飼い猫がドライフードを食べだしてまだ50数年の歴史しかなく、イエネコちゃんの歴史から
考えると非常に短い期間であること。
・イエネコちゃんが誕生して以来、ドライフードが現れるまでは小動物を食べていた。とくに人と暮らすよ
うになってからはネズミを食べ体を維持していた。
・ネズミは高タンパク、低炭水化物(低糖質)な食餌であること。
・ドライフードは多くの製品で管理や製造方法の点から、炭水化物の割合が40-50パーセント
と高い割合であること。
・その高い割合の炭水化物に対して猫ちゃんのからだが対応しきれず、そのことが肥満・糖尿病・癌・癲癇
など様々な病気の一因となりうること。
・現在、高タンパク・低炭水化物の条件をある程度満たしているフードとして「糖尿病療法食」が
利用できること。
皆さんも一度食餌内容を再確認されてみてはいかかでしょうか。
論文では他にも、食事の回数についてやウェットフードの利用についても考察されています。
※あくまで7歳くらいまでの健康な猫ちゃんを対象としたお話である事、例えば高タンパクの食餌は腎機能 の弱った猫ちゃんにはよくない事、獣医師により見解の相違がある事など考慮ください。
また20歳になろうかという長寿な猫ちゃんも珍しくなくなってきています。そこでキャットフードが果たした役割は非常に大きいものです。市販されているキャットフードを否定するものではありません。