みなさまに心の安らぎをご提供できる「かかりつけ動物病院」を目指しています。茨木市のハリマウ動物病院

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猫のパスポートを見せてもらった日

カテゴリ : その他


猫の狂犬病抗体検査という珍しい依頼


先日、少し珍しいご相談がありました。

「猫の狂犬病抗体検査をお願いできますか?」という内容です。

日本では猫に狂犬病ワクチンを接種する機会はほとんどありません。

ですので、最初は少し驚いてお話をうかがいました。


海外を行き来する猫ちゃん


その猫ちゃんは、2年間イタリアで暮らしていて、
今年日本に戻ってきたばかりだそうです。

そして年末にはまたヨーロッパに渡る予定があり、
出国の手続きに抗体検査の証明書が必要とのことでした。


ペットのパスポート


航空会社によっては、ペットを手荷物として機内に同伴できるそうで、
ヨーロッパの多くの空港では、空港内でペットを連れ出せるとのこと。

“空の旅”にも、国ごとの文化があるんだなと思いながら話を聞いていると――
飼い主さんが、あるものを見せてくださいました。

それは、ペットのパスポートでした。

そんなものがあるなんて、正直知りませんでした。

「えっ、そんなものあるんですね!」と思わず声が出て、
中を見せてもらいました。

ページには、狂犬病ワクチンの接種記録がしっかりと記載されていて、
さらに猫ちゃんのの写真まで貼られていました。



「へぇ、すごいですね。このこと、ブログに書いていいですか?
写真撮らせてもらってもいいですか?」

気づけば、そんな言葉が口から出ていました。


ジャックとの静かな午後


そのすぐ横では、うちのジャックが受付の椅子で丸くなって寝ていました。

「おまえもつくっておくか。ま、海外なんて行くことないけどね」と話しかけながら、
心の中で「おまえはなんか、ドメスティックっていうか、
日がな一日、僕のそばで丸くなってる、
平和そのものみたいやなあ」と思いました。

目の前の猫ちゃんは、小さな体で日欧をまたにかけて生きている。

同じ“猫”という生きものでも、
その世界の広さが、なんだかまぶしく見えました。


青い小さな旅の証

僕が見せてもらったのはイタリアで発給されたもので、
青い表紙に金色の星が並ぶその小さな冊子は、
まるで一匹の猫の“旅の証”のようでした。


後記


国や文化がちがえば、
動物と人との関わり方も少しずつ変わります。

でも、どこにいても、
猫たちが安心して暮らせる世界であってほしい――
そんなことを思った一日でした。
2025-10-22 06:00:00

ツシマヤマネコを見て考えた――イエネコ、地域猫、そしてその延長にあるフェラルキャット問題

カテゴリ : その他


先日、NHKの『ダーウィンが来た!』でツシマヤマネコの特集を見ました。

水をためらわずに渡り、魚や鳥を狩る姿がとても印象的でした。

「猫は水を嫌う」とよく言われます。

もちろんスナドリネコやジャガーなど例外もいますが、
多くの猫は水を避ける生きものというイメージがあります。

その中で、ツシマヤマネコが迷いなく水辺に入っていく姿には、
“生き延びるための柔軟さ”のようなものを感じました。

ツシマヤマネコは長崎県の対馬にだけ生息する、日本固有の野生の猫です。

見た目はキジトラ猫に似ていますが、実際には250万年前にイエネコの祖先から枝分かれしたまったく別の系統。

約10万年ものあいだ、島の自然の中で独自の生き方を貫いてきました。

最近では、森の植生が変わり、獲物のネズミが減ったことで、
魚や水辺の鳥を狩るようになったといいます。

環境に合わせて食べ物を変え、生き方を変える。
その姿に、自然の厳しさとしたたかさを同時に感じました。


イエネコという存在


番組を見終えてから、私はあらためて「イエネコ」という存在のことを考えました。

ふだん診察室では、猫を“家族の一員”として見ています。



飼い主の方と同じ目線で、少しでも長く一緒に過ごせるように、
その子の健康を守ることを考えています。

けれどツシマヤマネコの映像を見ながら、
「野生の猫」と「人と共に暮らす猫」という二つの姿の間にある距離を意識しました。

イエネコは、人と共に生きることを選んだ猫。

農耕の始まりとともに人の集落に近づき、
穀物を狙うネズミを追って役立つ存在となり、
やがて“家族”として暮らすようになりました。

つまりイエネコは、人の生活という環境に適応した猫です。

ツシマヤマネコが自然の変化に適応してきたように、
イエネコは人との共存に適応してきた。

その生き方はまったく違っていても、どちらも“生き延びるための進化”を遂げた存在だと思いました。


地域猫と野良猫――人と猫の間にある現実


ここで思い出したのが、町で見かける地域猫や野良猫のことです。

彼らは、完全に人の家庭で暮らすわけでもなく、
かといって野生の中で生きるわけでもない、
“人の暮らしのすぐそば”で生きる猫たちです。

地域猫とは、住民が話し合いのもとで、
去勢手術や餌やり、清掃などを分担しながら見守る仕組みのもとに暮らす猫を指します。

一方で、そうした支えを受けていない猫たちは、
野良猫として人の生活圏に依存しながら生きています。



一見「自然に生きている」ように見えますが、
実際には人の存在なくしては成り立たない生活。

人が与える餌や、地域の環境があってこそ生き延びているのです。

この「人のそばで生きる猫たち」が、
人と猫の関係の“中間地点”にいるのだと思います。

完全な野生でもなく、完全な家庭動物でもない。

そしてその延長に、野猫(フェラルキャット)という存在があります。


野猫(フェラルキャット)問題について思うこと


この問題について私は専門家ではなく、
ニュースなどで耳にした程度の“聞きかじり”にすぎません。

それでも、ツシマヤマネコの映像を見ている時、
この問題が頭をよぎりました。

イエネコが人の管理を離れ、
世代を重ねて人を警戒し、
完全に野生化していくと、
その猫は野猫(フェラルキャット)と呼ばれます。

オーストラリアやニュージーランドでは、
こうした野猫が天敵のいない環境で数を増やし、
在来の動物を脅かす深刻な問題になっています。

一方で、命を奪う形での駆除は動物福祉の面から議論を呼び、
生態系と命の尊重、その両立をめぐって答えの出ない状況が続いているといいます。



日本でも、奄美大島のアマミノクロウサギ、
西表島のヤンバルクイナ、そして対馬のツシマヤマネコなど、
希少な在来動物が野猫や野良猫の影響を受けているという報告があります。

ツシマヤマネコを守るための活動の一方で、
同じ“猫科動物”イエネコという存在が別の形でその環境を脅かしてしまう――。

その複雑さに、言葉を失う思いがしました。


おわりに


ツシマヤマネコは、
自然の中で10万年をかけて“環境に合わせて生きる術”を身につけた猫。

イエネコは、
人と暮らすという“環境”に適応し、共生を選んだ猫。

そのあいだに、地域猫や野良猫という、人の社会と自然のはざまで生きる存在がいて、
さらにその延長に、人から離れ、野生化したフェラルキャットがいる。

同じ“猫”であっても、
生きる場所と関わる人によって、その姿はまったく違います。

あの水辺を渡るツシマヤマネコの姿が、目に焼きついています。


補足:イエネコの呼び分けについて


「イエネコ」というのは、
トラやライオン、ヤマネコなどと同じ“種類の名前”であり、
「飼っている猫」という意味ではありません。
人との関わり方によって次のように区分されます。
飼い猫 … 人間が全面的に面倒を見る完全な共生
地域猫 … 人が避妊・去勢や餌やりに関わりつつ外で暮らす
野良猫 … 人の生活圏に依存しながらも直接的な管理を受けない
野猫(フェラルキャット) … 人との関わりが途絶え、完全に野生化したイエネコ
2025-10-08 05:51:00

「うちの子のけだまだま」シャムタイプで作ってみました【黒猫ジャック】

カテゴリ : その他


先日、神戸に住む妻の友人から、なんとも愛らしいガチャポンの景品をいただきました。

その名も「うちの子のけだまだま」。

手のひらサイズのキーホルダーの中に、自分の飼い猫の毛を詰めて完成させるという手作りキットです。

実はこれ、数か月前に登場して話題になり、現在は品薄でメルカリなどでも取引されているのだとか。



6種類のデザインがあり、今回いただいたのは「シャムタイプ」。顔にポイント模様が入っていて、少しとぼけた顔つきがなんともかわいい。

さっそく我が家の黒猫ジャックの毛を集めて、作ってみることにしました。
 
黒猫の毛、意外と「白っぽい」
 
毎日仕事終わりに軽くブラッシングして、毛をコツコツ集めること4日間。

黒猫の毛って、意外と白っぽく見えるんですね。(画像では少しわかりにくいですが)



よく見ると1本1本は真っ黒じゃないのに、猫の体全体で見ると黒く見える。不思議ですよね。



キット本体のお尻側から、そっと毛を詰めていって……完成!


 
黒猫というより、グレー猫?
 
完成したけだまだまを見てみると、黒猫というより、なんだかロシアンブルー?みたいな仕上がりになりました。

毛って、集めてみると意外と色が変わるもんですね。

でも、これはこれでかなりいい感じなんですよ。

世界にひとつ、自分の猫の毛で作ったキーホルダー。

なんだかんだでけっこう愛着が湧いてきて、バッグにつけるか玄関に飾るか、ちょっと迷ってます。

 
おわりに
 
飼い猫の毛を集めるだけというシンプルなアイテムなのに、想像以上にグッとくるものがありました。

気になる方は、見かけたらぜひゲットしてみてくださいね。

 
2025-07-30 05:00:00

【お知らせ】猫の健康相談窓口「みるペット」リニューアル再開のお知らせ

カテゴリ : その他
【お知らせ】猫の健康相談窓口「みるペット」リニューアル再開のお知らせ
 
20266月末まで相談料無料(システム利用料のみ)〜
これまで犬と猫を対象としていたオンライン相談サービス「みるペット」を、
このたび猫の健康相談に特化した窓口としてリニューアル再開いたしました。
現在、20266月末までの期間限定で相談料は無料でご利用いただけます。
ご利用にはみるペットシステム利用料(税込み330円)のみご負担をお願いいたします
 
■ どなたでもご利用いただけます
  • 猫の健康について気になることがある方
  • 通院中の方も、はじめての方も
お気軽にご相談ください。
 
■ ご予約方法

ホームページのトップにある**「みるペット」バナー**から専用サイトにアクセスし、完全予約制でご利用いただけます。
スマートフォンやパソコンから簡単にご予約・ご相談が可能です。
 
■ 大切なご案内

オンライン相談は診断や処方を行う場ではなく、ご相談やお話を伺うためのサービスです。受診の判断は飼い主さまのご判断によるものとなります。
 
猫の健康に関する「ちょっとした相談」や「日頃のケアの確認」など、
いつでもお気軽にご利用ください。
2025-07-24 17:59:43

ブルーインパルス体験記 in 万博記念公園

カテゴリ : その他

いよいよ夏本番という感じで、蒸し暑い日が続いていますね。

先週の7月12日、開院前の準備中に、今年初めてセミの声が聞こえてきました。

いよいよ来たな……と、ちょっと身構える音でした。

この日は土曜日で診察は午前中のみ。

診察が終わった後、妻が「万博公園にブルーインパルスが飛んでくるみたい。見に行ってみる?」と。

ここ最近は家と病院の往復だけ、ずっとエアコンの効いた室内で過ごしていたので、急に炎天下はちょっと不安でしたが……思い切って病院から自転車で出かけました。

途中少しクラクラっとして、「これはちょっと危ないかも」と思いながらも、「いや、昔は野球部だったし(ずいぶん昔だけど)」と自分に言い聞かせて、なんとか万博公園へ。

今回の飛行は、関西万博が折り返し地点に入ったことを記念した、ブルーインパルスの大阪一周飛行だったようです。

関空を出発し、舞洲→万博会場→通天閣→大阪城→太陽の塔(旧万博)と北上し、ひらパー(ひらかたパーク)で折り返すというルート。

ちなみに関西の方ならおなじみかもしれませんが、私たちが向かったのは「旧万博」、太陽の塔がある万博記念公園の方です。

真上を通過!塔の裏手で見た特等席

公園に着くと、すでにたくさんの人が集まっていました。

特に太陽の塔の正面側は、スマートフォンを構えて空を見上げる人でいっぱい。

木陰などもすでに埋まっていたので、私たちは塔の裏手の広場へ。

結果的に、この裏手の位置こそが、ブルーインパルスが真上を通るベストスポットでした。

これがまさに大正解。

スマホを見ていた人たちから「関空、飛び立ったみたい」との声。

そこから10分ほどして、午後2時40分ごろ、「きた!」というざわめきとともに北西の空にブルーインパルスが登場。

そして、白煙を引きながら自分たちの真上を駆け抜けていった瞬間には、ただただ圧倒されて見上げるしかありませんでした。

小学生だったら目指す進路が変わっていたかも

もし自分が小学生だったら、「将来はブルーインパルスに乗る! 獣医さんじゃなくて!」って言ってたかもしれません。

ここ数年でいちばん感動した出来事でした。

暑さに文句を言いながらも、見に行こうと連れ出してくれた妻には感謝です。

帰り道、マカロンアイスを買って、隣接するららぽーとでしばらく涼んでから帰宅しました。

久しぶりに、夏らしい午後を過ごした気がします。

2025-07-16 05:00:00

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