猫ちゃんの血圧測定の様子です。
チューブの先端に付属している「カフ」と呼ばれる部分を腕やしっぽに巻き付け測定します。動画の猫ちゃんは右腕に巻かれています。
ところで皆さん白衣高血圧症という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。
自宅などリラックスしている場所では血圧が正常なのにも関わらず病院では緊張から血圧があがってしまい高血圧症と診断されてしまう現象です。女性の方に多いようです。
この現象は当然猫ちゃんやワンちゃんにも見られ、緊張による影響が人間以上に測定結果に出ているものと考えられます。
また動物では測定時にじっとしていてくれないという問題もあります。
そこで各病院血圧の測定には色々な工夫をされているようです。
待ち時間が長いと緊張が増しますので時間を決めて来院していただき来院後は速やかに測定をする、血圧測定に慣れたスタッフが必ず測定する、測定専用の静かな部屋を決めておくなどです。
当院ではレントゲン検査室を暗くして私が測定しています。動画が薄暗いのはそのためです。
あるセミナーで「猫ちゃんでは院内での測定時には15~20くらい血圧が上昇してしまっているのではないか」と講師の先生がおしゃっていました。
動画の猫ちゃんは上が180下が111と少し正確性が疑われる結果でています。ただ数度試しましたが
似たような結果でしたので、正確な数字は分からないが高血圧の可能性を考慮し継続してモニターしていく必要があるとの判断ができました。
※資料にもよりますが一般に上は140くらいまでを正常血圧と考えます。
血圧測定はどういった時にされるのでしょうか、猫ちゃんでは腎不全や甲状腺機能亢進症、眼内出血を認めた時などです。
逆に先に高血圧症が見つかった時には上記の病気に高アルドステロン血症と言う病気も加え鑑別診断を進めていきます。