
※胸を横向きに撮影しています。向かって左が頭側になります。
このレントゲン写真は生後7か月目の雌猫さんで避妊手術時の術前検査のため撮影したときのものです。
写真を見たときに直ぐに「おやっ」となりました。というのも本来黒く撮影される部位が真っ白に写っているからです。
皆様には何のことだかとなってしまうと思いますので写真に印をつけてみます。

ピンクの線で囲んでいる部位が「おやっ」と感じた箇所です。本来ここは黒く写ります。
これは本来生後半年目頃には退縮しレントゲンでは写ってこない胸腺と呼ばれる組織が残存しているため白くなっていると考えられました。
念のため二次病院でCT検査を受けていただきましたが「胸腺組織の残存」という診断でした。
胸腺は心臓の頭側にあり幼若な時期の免疫に関わっています。免疫とは病原菌と対峙する武器です。
胸腺は成長とともに脂肪組織に置き換わりやがて退縮していきます。生後2か月目くらいですとまだ普通にレントゲンで確認できます。
一部残った胸腺が胸腺腫という腫瘍にになることもあります。
上の写真から4年後のレントゲン写真です。

胸腺組織も退縮し心臓の頭側も黒く写っています。