新しく猫ちゃんをお家に迎え入れられる時、特に先住猫ちゃんがいるご家庭ではその猫ちゃんがウイルス感染症を持っていないがどうか気になりますよね。
色々な感染症がありますが、猫白血病ウイルス(FeLV)、猫エイズウイルス(FIV)、猫コロナウイルスといったところが一番に心配なところでしょうか。
この中で猫白血病ウイルス、猫エイズウイルスについては便利な検査キットがあります。
わずか数滴の血液があれば10分間で検査を行うことができます。
少し専門的になりますが白血病は抗原(ウイルス本体)を、エイズは抗体(ウイルスを退治する武器)をそれぞれ検出しています。
【猫白血病ウイルス簡易検査が「陽性」の飼い主様へ】
猫ちゃんは猫白血病ウィルスをもっています。今後①ウイルスを体から排除 ②潜伏感染 ③持続感染
のいずれかの経過をたどります。
1~2か月後再検査を受けてください。再検査は簡易検査とともに詳しいPCR検査という遺伝子検
査も進めることがあります。
簡易検査「陽性」であれば持続感染と判定します。
簡易検査「陰性」でPCR検査「陽性」であれば潜伏感染の可能性が考えられます。
※潜伏感染とはウイルスが悪さをしない形で遺伝子の中に隠れている事で、ストレスや免疫力の低下で
将来ウイルスが再活発化し猫ちゃんが悪さをうける可能性がある状態です。
簡易検査「陰性」でPCR検査「陰性」であればウィルスが排除できたと考えられます。
【猫白血病ウィルス簡易検査が「陰性」の飼い主様へ】
感染していない可能性が高いですが、感染初期でウイルスが少なく検査にひっかかってきていない
、あるいは潜伏感染かもしれません。
可能であれば1か月以上後に再検査を、潜伏感染の事も考えでPCR検査をお勧めします。
【猫エイズウイルス簡易検査が「陽性」だった飼い主様へ】
猫ちゃんが猫エイズウイルスをもっている可能性が極めて高いです。
ただし6か月齢未満の猫ちゃんの場合は、お母さんからもらった武器(移行抗体)を検出したため
「陽性」になったのかもしれません。
この武器はしばらくしたら消えてなくなりますので、6か月以上になったら再検査を受けてください。
「陰性」になっていることが結構あります。
【猫エイズウイルス簡易検査が「陰性」だった飼い主様へ】
ウイルス感染直後で、それを退治する武器である抗体が少なく検査にひっかかていないだけかもしれま
せん。
可能であれば2か月以上後の再検査をお勧めします。
画像の検査キットの判定はエイズウイルス検査陽性との結果です。この子は1歳3か月でしたので残念ながらエイズウイルスに感染している可能性が極めて高いです。
いずれのウイルス感染症も悪性腫瘍、口内炎、貧血、繰り返す細菌感染症などの原因となりますので
一度は検査を考えて見られてはどうでしょうか。