ある日「左わき腹にイボのようなものがものがります。1月前に気づきました。」と猫ちゃんが連れてこられました。
触診しますと左肩の後方に1円玉くらいの直径のデキモノが見つかりました。
針を刺し中身を吸って検査センターで調べてもらいますと「角化物貯留病変が疑われる。(角化物が溜まっていますよ。)」との診断でした。

角化とは表皮の一番下にある基底細胞と呼ばれる細胞が順次呼び名・形態を変えながら上に向かって分裂を繰り返し最終的には垢となって表皮から剥がれ落ちていく過程です。
角化物とはその一連の過程で現れる細胞の総称です。
このようなデキモノは一般的に良性の病変であるのですが、中で炎症をおこし悪さをすることもあるので
切除することとなりました。
上の画像は切除手術前に毛を刈った時のものです。
切除したデキモノを検査センターさんで調べてもらうと、どうして角化物が貯留したのかがわかるのですが今回オーナー様がその検査を望まれませんでしたので実施していません。
診断書にもありますように毛包嚢胞、毛包上皮腫、皮膚付属器過誤腫と呼ばれる病変などが考えられますがいずれも良性のものです。
7月6日のブログで紹介しました病変は一見ただの皮膚炎に見えて悪性病変、今回の方が悪そうに見えて
良性病変です。