動画は以前も紹介させていただいた左後肢をかばっている老猫さんの様子を院内で撮影したものです。(その時のブログは事情により掲載を中止しています。)
レントゲン検査で足根関節という関節、いわゆる足首の関節に変形が認められましたのでそれが理由で足をかばっているものと考えました。
そこでこれも以前紹介させていただきましたソレンシアという痛み止めを投与しました。

これは注射製剤でこれまでのようなご家庭でお薬を飲ませるという手間がなく、内服タイプの痛み止めで問題になってくる消化器症状を伴う副反応や腎不全がある猫ちゃんには使いづらいという心配がほとんどありません。
1回の注射で1か月間効能が持続し内服タイプでは躊躇される長期投与も認められています。
販売元担当者の方から「投与3日目頃から効果が見え始める猫ちゃんもいる」との説明でしたので動画の猫ちゃんには投与後7日目に再受診していただきました。
下の動画はその時の様子です。
動画ではわかりにくいのですが私の印象では「やや関節の可動域が広がっているのかな」というものでしたがオーナー様の印象では「自宅での様子は注射前とほとんど変わっていないように思います」というものでした。
「効き目が現れるまでは個体差もあると思います。来月もう1回投与してみましょう」とお話し1か月後もう1度投与してみました。
その2回目の来院の時も足のかばい方はあまり改善が見られずオーナー様も効果を実感されているという感じではありませんでしたので3回目の投与は積極的にお勧めできませんでした。
ところがそれから1か月後今度はオーナー様の方から注射を打ってくださいとのことで来院されました。
「足の動き・かばい方は変わらないのですが、明らかに行動範囲が広がりました。」とのことでした。
効果が現れるまでは個体差がありなおかつ全ての猫ちゃんに良い反応が認められるわけではないですが、他のオーナー様も含め概ね良い評価を頂いています。